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Pixel 10 Pro XLで皆既月食を撮ってみた

【Pixel 10 Pro XL】

 9月7日深夜~8日未明にかけて、3年ぶりの皆既月食がありました。日付が変わるころから月が欠け始めたので、日曜の夜とはいえ、ご覧になった方もたくさんいらしたかも。

 今回、筆者は、100倍ズームに対応した「Pixel 10 Pro XL」で、皆既月食の撮影にチャレンジしてみました。

 それも三脚を使わず、手持ちです。我ながら無茶だなあと承知しつつ、出歩いているときにたまたま見かけたら手持ちになっちゃうだろう? と。

 手持ちといっても、脇はグッと締めて仁王立ち。まずは地球の影が徐々に月を覆っていく場面では、普段の満ち欠けの状況に近い印象で撮影できました。以前と違うな、と感じたのは、明暗の調整がかなり的確になったこと。何も調整がない状態だと、Pixelカメラ上の月はひたすら白く輝いているのですが、ススッと素早く調整してくれて、模様をきちんと見せてくれます。

8日2時ごろに撮影

 手持ちですので、ブレはすごい。なかなかカメラで捉える範囲のなかに月が入りません。ちなみにズーム中は全体像もあわせて小さな画面で表示されるのですが、この小さな画面内にある「今ココ捉えていますよ」という枠を指で動かして、被写体をカメラで捉えやすくすることもできます。

食のピーク直前、2時26分に撮影
100倍ズームのままでは、なかなか捉えきれないので、ちょっと引いてから月にターゲット(2時32分撮影)

 さて、時間は経ち、いよいよ皆既月食。ブラッディムーンと呼ばれる状態です。いざ「Pixel 10 Pro XL」で撮影しようとしてみるも……いやはや、ほんとにこれが難しい。先程までは明るさを自動調節してくれましたが、今回は明るさが足りないためか、なかなかうまく行きません。月の模様もおよそ捉えたとは言いづらく、赤い丸をなんとか追いかけてシャッターを切っていくと、それっぽい写真を撮ることはできました。

超解像ズームProで処理されたブラッディムーン。2時33分撮影
こちらは超解像ズームProの処理前の写真

 しかし、強力な手ブレ補正があるとはいえ、100倍ズームで月をピンポイントに捉えることは本当に難しい。何十枚もイマイチな写真を量産して、ようやく「これはいいかも」と思えるものが1枚、2枚……といった塩梅でした。皆既月食中、いわゆるブラッディムーンの表面もきちんと捉えてはいません。もっとキレイに撮りたい……ということであれば、これはスマホではなく一眼レフや超高倍率なデジタルカメラということになるでしょうか。

かなり引いて撮ってみたところ。肉眼の感覚より、少し小さい?
30倍程度(だったはず)で撮ったもの

 とはいえ、個人的には大満足。100倍ズームは大変ですが、それを乗り越えて、「手持ちのスマホでここまで撮れるんだ!」という驚きと嬉しさで、深夜3時の外でニヤニヤしてしまいました。

シャッターを切った瞬間にブレて「あああっ……」となった写真たち

 ちなみに翌日、まんまるのお月さまも撮ってみました。「超解像ズームPro」とそうでないものを見比べると、生成AIを用いる超解像ズームProでは、元の画像をくっきりハッキリ、シャープにした印象です。皆既月食は滅多にありませんが、満月は毎月撮れるぞ、ということで「Pixel 10 Pro XL」の100倍ズームも定期的に使っていくことになりそうです。

8日21時ごろに撮影したもの
超解像ズームProで処理されたもの