みんなのケータイ
商品選びをAIツールたちにお願いしてみたら、Copilotさんが意外とイケていた
2024年9月18日 00:00
プリンター、というかインクジェット複合機が欲しくなった。これまでも仕事とプライベートの両方で活用してきたのだけれども、用紙送りに失敗することが増え、そのトラブル解決に時間を浪費するのに飽き飽きしてきたのである。
しかも、5年ほど前のモデルでランニングコストがA4モノクロ2.7円/枚、カラー8.4円/枚とかなり高い。どうやら昨今はインクジェットでもカラー1円前後が当たり前のよう……。3~4代に渡ってずっと特定メーカーのものを使い続けてきたので、ここいらで別メーカーにして気分を一新してみたいな~、という気持ちもあった。
印刷することがそう頻繁でないのなら、コンビニプリントなどのサービスを利用すればいい、と考える人もいると思う。筆者もたしかに多くない。せいぜい月に5~10ページくらいだろうか。ただ、大半がヤマト運輸の伝票(専用シール用紙)の印刷という偏った用途で、コンビニなどでは勝手に用紙を変えることもできないから、自宅で印刷するしかないのだ。
さて、そんなわけでネットの海(死語)へとプリンター探しの旅に出たのだけれども、これがスマホとかゲーミングPCとかを新調するときよりも難しいことに気付かされた。
家庭向けとビジネス向けで分かれているのはいいとして、インクのタイプ(補充式か、カートリッジ式か、大容量タイプかそうでないかなど)、筐体サイズ、ランニングコスト目安、給紙方式、その他各種機能の違いで、代表的なメーカーのA4インクジェット複合機に限定しても種類がずいぶん多い。どこにどんな差があるのかもよくわからないし。
メーカーサイトで情報を集めれば集めるほどワケがわからなくなってきたので、これは人力で自分に最適なものを見つけるのは無理……とは言わないまでも、それこそ時間を無駄にしてしまいそうだったので、AIツールに頼ってみることにした。
そのような情報収集に使えるAIツールには、ChatGPT、Gemini、Perplexity、Copilot、Claudeなどがある。それぞれに筆者が複合機に求めるスペックを投げかけてみて、その回答から購入する製品にアタリを付けることにした。各種AIツールで入力したのは下記の(あえて漠然とした)シンプルなプロンプトだ。いずれも無料の範囲での利用とした。
プロンプト
○○(メーカー名)のインクジェット複合機(家庭向け、またはビジネス向け)のうちできるだけ新しいモデルで、以下の条件を満たす機種
・タッチディスプレイ
・給紙箇所2つ以上
・大容量インク
・低ランニングコスト
・コンパクトサイズ
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ChatGPT(GPT-4o)はシリーズ製品を提案してきたが、例として挙げた候補製品が条件にマッチしていない(5年前の古いモデルでタッチディスプレイ非搭載)。ただ、一問一答のステップバイステップ方式にすると、AIが挙げる選択肢の番号を指定していくだけなのでスマホでもサクサク絞り込める。最終的には筆者の要望にマッチしそうな製品をちゃんと提示してくれた。
Geminiは、条件に合いそうなシリーズ製品をいくつか提示するのみ。そのうえで細かな条件も一度にたくさん求められ、一発ではおすすめ商品にたどり着けない。AIに質問してもらって筆者が回答していく方法も試してみたものの、最初の方の回答内容をAIがすぐに忘れて何度も同じ質問をされてしまい、いつまでたっても製品を絞り込めず堂々巡り。これじゃあ使えないぞ……。
続いてはPerplexity。こういった情報検索用途に最も向いていそうなAI検索ツールだ。なので、わりと期待して試してみたのだけれど、ズバリ1製品を自信満々に挙げつつも、なぜかChatGPTと同じ古い機種。関連しそうな質問を自動生成してくれるので、そこから違った視点で探していけるのはいいところだが、自分に合うものを見つけるのには結局手間がかかりそうだった。
そうしたなかで、最も合理的に回答してくれたように感じたのがCopilotとClaude(3.5 Sonnet)。意外……と言っては失礼だが、Copilotはエンジン的にはChatGPTでも使われているGPT-4系のはずなのに、回答の仕方がまるで違っている。候補製品を一度に複数挙げてくれるのでその場で比較しやすいし、それなりに新しい機種をちゃんと見つくろってくれている雰囲気がある。
Claudeの方は、提示してきた候補製品は異なるものの、Copilotと似た簡潔な回答でわかりやすい。ネックとなるのは無料ユーザーの利用制限が厳しいところだろうか。一定時間内に数回しか質問できないので、その点、無料で数十回は使えるCopilotに軍配が上がる。
Copilotはスマホアプリだけでなく、普段仕事で使っているパソコン(Windows)だと統合機能としてすぐに使えるのもいいところ。一応まだ「プレビュー版」なので本格利用は様子見していたところもあったのだけれど、これからはもっと積極的に使ってみてもいいかも……。
と思っていたら、これを書いている間にOpenAIから新たなAIモデル「o1-preview」と「o1-mini」がアナウンスされた。今回のような情報収集に向いたものではなさそうだとはいえ、より高度な生成や難解な分析などに活用できたりするみたい。なのでプログラムコーディングとかに試していきたい所存!