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ソフトバンクとPerplexityが提携、検索エンジンで分かりやすいAI体験を提供

 ソフトバンクとAI検索エンジンを運営する米国のPerplexity(パープレキシティ)が提携を結んだ。ソフトバンクの携帯電話ユーザー向けに、AI検索エンジン「Perplexity」の1年間無料トライアルが提供される。

左=ソフトバンク 寺尾氏、右=Perplexity スリニバス氏

米スタートアップPerplexityとソフトバンクが提携

 PerplexityはWebブラウザーやモバイルアプリから利用できる、AIを利用した検索エンジン。質問を通常の言語で入力すれば、Web上で収集した情報をもとに回答を文章で提供する。無料版と有料版があり有料版の「Perplexity Pro」では、複数のLLM(大規模言語モデル)を選択できるなど、機能に差分がある。

 質問文を入力すると、Webサイトのリストが返ってくる従来型検索エンジンとは一線を画すのがPerplexityという。Perplexity 共同創業者でCEOのアラビンド・スリニバス氏は、ユーザーの質問に正確な返事を返す「アンサーエンジン」であるとその革新性を説明する。

 Web上の情報を集約する生成AIには、間違いをあたかも真実かのように説明する課題(ハルシネーション)などがつきものだが、Perplexityでは情報源を精査し、精度を高めるとともに、ユーザーへは参照した情報源を明らかにすることで信頼性を高める。

画像から場所を認識。交通手段を教えてくれる。右はそこから周辺の飲食店を聞いた。下段は買い物のレシートを読み込ませてそこから作れる料理を聞いたところ

 19日からソフトバンク・ワイモバイル・LINEMOの各ブランドを利用するユーザーは、申し込めば有料版を1年間無料で利用できる。有料版の通常料金は月額2950円~/年額2万9500円~。ソフトバンクによれば、有料版の無料トライアルを利用できるのは、同社の携帯電話ユーザーのみという。1年の期間が終了後は継続利用の意向が聞かれ、自動課金はされない。

分かりやすいAIの体験を提供

 ソフトバンク 専務執行役員 コンシューマ事業推進統括の寺尾洋幸氏は、難しい印象がつきまとうAIを「できるだけ噛み砕いて分かりやすく届けるのがソフトバンクの責務」として提供する意義を示す。

 同社がADSLや検索エンジンを日本で広め、情報化社会の前進に貢献したことについて触れ、その次に来るものをAIと位置づける。同社では、分散型AIデータセンターの構築のほか、外国勢が主導権を握るLLM開発にも参入し、純国産LLMの実現に向けて動いている。寺尾氏は今後、Perplexityと同社が開発するLLMを連携したい考えも示した。

 ソフトバンクではすでに、カスタマーサービスでAIの導入を進めるなど、AIの利用にも積極的に動く。その一方で「心地よいユーザー体験」が一般ユーザーへ提供するサービスのキーワードとして、分かりやすさを強調。老若男女問わずすべてのユーザーがそのメリットを享受できるようにするとした。

 ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOの各ブランドのユーザーは、19日から申し込むことでPerplexity Proを1年間無料で利用できる。

カズレーザーとヒコロヒーの2人がPerplexityを体験