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「ことら送金」では難しい大きなお金の移動に「エアウォレット」を使ってみた
2024年6月4日 00:00
以前、筆者が保有している異なる銀行の口座間で送金をするため、「BankPay」というアプリで「ことら送金」を使ってみた、という話をしたことがあります。もちろんBankPayによる送金は現在も便利に使っているのですが、やはり1日当たりの送金額上限が10万円に限られていることが、デメリットに感じることが増えてきました。
なぜなら、日常的な送金であれば10万円もあれば十分なものの、大きな支払いが発生するのでもっと大きなお金を移す必要がある、という場合は毎日送金する必要が出てきてしまうからです。たとえば50万円を送金するなら5日、100万円を送金するなら10日といった具合で、土日や祝日を選ばず送金できるとはいえ結構な日数がかかってしまいます。
しかも春から夏にかけては、その大きな支払いが相次いで発生する時期でもあったりします。なぜなら事業をしているなら欠かせない消費税、そして住民税などさまざまな税金の支払いが相次いで発生するシーズンだからです。
それら税金は短期間のうちに数十万円もの支払いが求められるだけに、タイミングによっては支払い用の口座に急いでお金を送金する必要があるのです。そこでもっと短期間のうちに、多くのお金を送金できる手段はないものか? と探してみたところ、見つかったのが「エアウォレット」というものです。
これはリクルートと三菱UFJ銀行の合弁会社であるリクルートMUFGビジネスが提供しているサービス。同社が提供する「COIN+」という決済サービスを通じ、銀行口座からお金をチャージしてキャッシュレスでの支払いや送金などができるウォレットアプリなのですが、COIN+にチャージしたお金を登録した銀行口座に手数料無料で払い出せるため、異なる銀行間のお金の移動を手数料無料でできてしまうのです。
しかもエアウォレットでCOIN+にチャージ、そして払い出せる金額の上限は1日当たり30万円と、ことら送金の3倍。なので50万円も2日で送金できますし、ことら送金も組み合わせれば100万円も3日で送金可能なことから、多少大きな金額であってもお金の移動が短期間で済まれられるのはメリットです。
そこでさっそく、エアウォレットによる送金を利用してみることに。利用するにはまず、スマートフォンにアプリをインストールしてアカウントを作成した後、送金元の銀行口座と、送金先の銀行口座の2つを登録します。
ちなみに登録できるのは、ゆうちょ銀行や大手都市銀行、一部の地方銀行のほか、「楽天銀行」「PayPay銀行」など一部のネット銀行なども登録可能。ただし信用金庫の登録は現在の所できないなど、ことら送金とは登録できる銀行に違いがある点には注意する必要があるでしょう。
実際の送金手続きは次の通り。まずはエアウォレットのアプリから「チャージ」を選び、送金元の口座からCOIN+にお金をチャージします。
チャージが終わったら今度は「出金」を選び、送金先の銀行口座にチャージした金額を出金する申請をします。これで出金手続きは完了なのですが、エアウオレットの出金は、ことら送金とは違ってすぐ実施されるとは限りません。
なぜならサービス営業日の10時までに申請すればその日のうちに出金できるのですが、それ以降に申請した場合は翌日の出金となってしまうからです。そうしたことから「今すぐお金を移す必要がある」という用途には向かないのですが、支払いまで数日間の猶予があるというのであれば十分対応は可能でしょう。何より数十万円単位のお金を、ATMに行く必要なく移動できるのは非常に便利であることに間違いありません。
そうしたことからBankPayにエアウォレットが加わったことで、異なる銀行口座間の送金は非常に楽になりました。ただどちらかといえば、送金環境が充実するよりも支払う税金の額が減ってくれるほうがとってもありがたいのですが……。