壁面から脱落しにくく、狭い場所にも差し込める最大65W対応USB PD充電器

　USB PD充電器のうち一部のユーザーに確実な需要があるのが、フラットタイプの製品だ。多くのUSB PD充電器はずんぐりした形状で、壁面のコンセントに挿した時に自らの重量で脱落しがちだが、フラットボディの製品は壁面に貼り付くように差し込めるため脱落の恐れがほぼない。ただしその一方、隣のコンセント口に干渉しがちという欠点がある。

製品本体。メーカーは薄さをアピールしているが極薄というほどではない

　今回紹介するオウルテックの「OWL-APD65SC1A1G-BK」は、そうした欠点を解消した製品だ。フラットな形状で、壁面に貼り付けるように差し込めるはもちろん、プラグがスイングする構造ゆえ、コンセントに対して垂直に差し込むこともできる。これならば隣の口に干渉しそうになっても、プラグを伸ばして回避できるというわけだ。機構自体は至ってシンプルだが、これまでありそうでなかった製品だ。

製品パッケージ。カラーはブラックのみのようだ

プラグは折りたたみ式で、通常は立てた状態で使う

設置場所に応じて伸ばすこともできる

壁面コンセントに差し込む場合も脱落しにくいのは大きなメリットだ

プラグを伸ばすことで、このように狭い隙間にも差し込める

持ち歩く場合はプラグを完全に折りたためる

　ポートはUSB Type-CとUSB Standard Aが各1ポートの計2ポート構成。USB Type-Cは最大65Wまで対応するので、ノートパソコンの充電にも適している。USB Type-C×2ポートという構成でもよかっただろうが、USB給電対応のデバイスの中にはUSB PD対応ポートを認識できない製品もごく稀に存在するので、外出先で充電できなくなるリスクを回避するには、この構成が安全かつ無難だろう。

USB Type-CとUSB Standard Aが各1ポートの計2ポート構成。USB Type-Cは最大65Wまで対応する

　ただしその代償として、ノートパソコンとスマホなど、USB PDで充電を行いたいデバイスが複数ある場合は、取り替えながらの充電になる。またメーカーは薄さをアピールしているが、実際には厚さ19.5mmと、12mm前後に収まっているほかのフラットタイプの充電器よりは厚みがある。もう少し薄くなれば、より使いやすい製品となるだろう。

コンセプトがよく似たCIOの「NovaPort SLIM 65W PD」（右）との比較。厚みがややあるのはマイナスだ

ただし「NovaPort SLIM 65W PD」（右）はプラグを伸ばすことはできず、狭い隙間への設置は本製品にしかできない

　なおこの製品、筆者はヨドバシドットコムで購入したのだが、ECサイトによっては異なる型番で販売されているケースもあるようだ。仕様に何らかの差異がある可能性もあるのでここでは紹介しないが、ほかのECサイトで型番で検索して見つからない場合は、USB Type-CとUSB Standard Aの計2ポート構成、最大65Wといった仕様をもとに探してみてほしい。