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新幹線の「スマートEX」を使う筆者が、「EX予約」を契約した話

EX予約を契約すると送付される専用ICカード。今回の流れとは関連しませんが、デザインとカード挿入方向が逆なのが、ずっと気になっています

 最近、関東と関西を往復することが多くなった筆者。飛行機で往復することが多かった筆者ですが、直前に予定が入ることも多くなり、最近は新幹線もよく利用するようになりました。

 これまでは、年末年始やお盆など、航空券が取りづらい時期に新幹線を利用することが多く、Web予約サービス「スマートEX」で発車直前まで粘って指定券を取るなどしておりましたが、往復回数も多くなるし、年会費の元も取れるだろうと有料会員サービス「EX予約」の会員になることにしました。

年会費1100円だけど会員価格で乗れる「EX予約」

 「EX予約」は、東海道~山陽~九州新幹線で利用できるWeb予約サービスで、色々な入会方法がありますがおおむね年会費1100円が必要です。

 年会費こそかかりますが、EX会員専用の商品があり、たとえばスマートEXで東京-新大阪間の指定券は1万4520円(通常期)ですが、EX予約では1万4230円と290円安価に設定されています。大体2往復すれば元が取れる計算になります。

 EX予約だからといって、優先的な予約の取り扱いなどはなく、利用方法もスマートEXと大して変わらないため、利用頻度によって使い分けている方が多いと思います。

 ただ、筆者がEX予約を選んだ理由はもう一つ、EX会員限定の「e特急券」という商品にあります。

e特急券

 EX予約やスマートEXで予約できる特急券の多くは、新幹線分の運賃が含まれた商品として提供されています。

 一方、「e特急券」は、運賃が含まれていない「特急券」のみの商品です。窓口や券売機などで購入する特急券よりも安価に設定(東京-新大阪間の通常期で490円安い)されています。

 特急券のみであるため、運賃は別に支払う(乗車券を購入)ことになるほか、乗車前に紙のチケットに引き換える必要があるため、通常であれば通常のチケットレス商品を選択するところです。

 ただ、筆者の場合は出発地と目的地がどちらも「新幹線の駅から遠い」ため、あえて「e特急券」を選択するようにしています。

アプリの画面もスマートEXとほとんど変わらない。追加条件に「e特急券のみ」を選択し、あとは座席を指定(自由席以外)するなど数タップで購入できる

在来線と通しの運賃になる

 ご存じの通り、新幹線はJR各社の路線であるため、JR在来線と新幹線の区間が混在していても、通常運賃は指定されたキロ数に基づいて計算されます。多くの場合は、細かく分けるよりも通しで計算した方が安価で有効期限も長くなります(一部分ける方が安くなる場合もあります)。

 先述の運賃が含まれた商品の場合、「出発駅から新幹線の駅」と「新幹線の駅から到着駅」の運賃は別に発生します。このため、区間によってはe特急券の方が安価になる場合があります。

 たとえば、浮間舟渡駅(東京都)から杉本町駅(大阪府)まで「東京-新大阪」を新幹線で、残りを在来線とすると、EX予約では「浮間舟渡→東京の318円」と「新幹線の1万4630円」、「新大阪→杉本町の410円」で1万5358円となります。

 同じ区間をe特急券と乗車券の組み合わせだと、運賃分「東京都区内→大阪市内」の8910円と「e特急券の5720円」で1万4630円となります。

 差額は728円となり、そこそこの金額が変わってきます。もちろんこのルートは、特に差額が大きくなりそうな区間を狙った計算であるため、ここまでの差は出ないかも知れません。

往復割引が適用される

 もう一つe特急券を選ぶ理由は、運賃分の往復割引が適用できることです。

 JRの乗車券では、片道が601キロ以上であれば、往復割引が適用され、「ゆき」「かえり」の運賃がそれぞれ1割引で購入できます。

 先述の運賃が含まれる商品では、新幹線区間で601キロ以上あれば往復割引の商品が用意されていますが、新幹線区間が601キロ未満の場合、在来線区間を含めて601キロ以上あっても往復割引にはなりません。

 たとえば、浮間舟渡駅(東京都)から五条駅(奈良県)まで「東京-新大阪」を新幹線で、残りを在来線とすると、EX予約では「浮間舟渡→東京の318円」と「新幹線の1万4630円」、「新大阪→五条の1340円」で1万6288円となります。

 同じ区間をe特急券と乗車券の組み合わせだと、運賃分「東京都区内→五条」の9790円と「e特急券の5720円」で1万5510円となります。運賃込みの商品と比較して778円安価になります。

 さらに、乗車券に往復割引を適用すると、片道分の運賃は8810円になります。合計で1万4530円(片道分)となり、運賃込みの商品と比較して1758円安価になります。

発券の手間はあるけど、直前まで購入できる便利な商品

 このほかにも、途中下車できる乗車券になるとか、品川駅での乗り換えでも運賃が変わらないとか、細かい点もありますが、大きな違いは運賃の扱いです。

 ただし、EX予約にも「早割」商品が用意されており、早割商品の方が安価になる場合もあります。別に乗車券を購入しないといけなかったり、交通系ICカードですぐに乗れなかったり、引き換えが必要だったりと、デメリットもあります。

 一方で、筆者のように直前に予定が入ることが多かったり、新幹線の駅まで在来線を乗り継いだりする方には、出発駅で「乗車券(運賃分)」を購入して、新幹線の駅までの電車で予約、座席指定できるので、急な予定変更があっても融通が利きます(通常のEX商品同様、ある程度変更できます)。

 新幹線の駅では、あまり混雑しない「受取専用機」で受け取れば乗車できるので、時間にルーズは筆者は、変更のしやすさという点で「年会費1100円の価値」を見いだして活用しています。