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年末年始の“鬼混雑時”、新幹線のぞみ指定券が取れる「スマートEX」で救われた

 行動制限がない今季の年末年始、帰省や家族旅行を楽しまれた方も多いのではないでしょうか。その際に避けられないのが「帰省ラッシュ」や「Uターンラッシュ」ともいわれている交通機関の混雑です。普段の連休であれば、飛行機の上位クラス(プレミアムクラスやファーストクラスなど)やグリーン車などには空席があることも多いですが、年末年始の混雑では早朝便などを除いては、上位クラスの座席も満員であることも多いです。

 筆者も、今季の年末年始には実家に帰省し、家族とスポーツを楽しみました。一方で、年末の忙しさにかまけてすっかり「復路のチケット」を買っていませんでした。今回は、そんな年末年始に代表される繁忙期にこそオススメしたい「スマートEX」をご紹介します。

スマートEXとは

 スマートEXは、JR東海の東海道新幹線、JR西日本の山陽新幹線、JR九州の九州新幹線の切符をオンラインで予約できるシステムです。3社の受取端末などで紙の切符を受け取れるほか、交通系ICカードを登録しておくと、カードを改札にかざして乗車することもできます。登録料は無料で、専用のクレジットカードを持っていなくても、通常のクレジットカードを登録して決済し購入できます。

 通常の切符と異なる点は、新幹線専用の切符となっているため、在来線の乗車が別料金となります。

 たとえば「東京-新大阪」を通常の切符で乗車する場合「東京-新大阪」の新幹線特急券と「東京都区内-大阪市内」の乗車券がセットで発売されます。この切符を使うと、東京側の葛西臨海公園駅から東京駅まで京葉線で向かい、新大阪まで東海道新幹線に乗車した後、JR京都線や大阪環状線、阪和線を使って杉本町駅まで行けます。

 しかし、「スマートEX」の場合、新幹線専用の乗車券となっているため、別途「葛西臨海公園-東京」と「新大阪-杉本町」の乗車券や運賃が必要となります。また、スマートEXの乗車券では東海道本線(在来線)への選択乗車(東京-熱海の区間を在来線利用するなど)もできません。

 一方で、「スマートEX」では通常の切符にはない割引切符を発売していたり、ベーシックな切符の一つ「スマートEXサービス」では、発車間際(4分前)まで列車の変更が手数料なしでできるメリットがあります。また、通常の切符よりも若干安価に購入できます(200円安い)が、在来線区間が含まれていないので、人によってはトータルで高くなる場合もあります。

発車間際まで指定席を買えるチャンスがある(1人なら……)

 スマートEXでは、発車4分前まで列車の変更ができますが、裏を返せば「直近でも指定席が空く」可能性があるということがわかります。そして、その空いた空席をすばやく抑えられるのもまたスマートEXが断然有利ということです。

 年末年始の混雑している時期では、新幹線でも速達列車を中心として増発され、特に東海道新幹線の「のぞみ号」は例年大増発されますがそれでも“ほとんどが満席”という状況になります。しかし、提供座席数が多いほど、予定が急に変わったりで予約変更する乗客も多いのも事実。混雑している時期こそ、直近で指定席が空くことが多いのです。

 筆者も、帰宅当日の午前中にスマートEXのサイトやアプリで、時間帯を指定して何度も検索をかけてみました。すると、何回かでのぞみ号の指定席に「空席あり」の表示が登場し、数タップで予約確認画面まで行き着きました。座席を指定せずに画面を進めた場合でも、最終画面で購入する座席がわかるので、「A席」や「E席」といったコンセントが使える可能性が高い座席であることを確認し(重要)購入しました。

 さらに、新大阪駅まで向かう地下鉄の車内で、さらに早い時間ののぞみ号の指定席に変更できました。当日の新大阪駅は大変な混雑でしたが、時間を潰す場所を探してうろうろすることなく“スマート”に帰ってくることができました。

スマートフォンからは、Web版(左)とアプリ版(右)が利用できる
アプリ版の予約画面。日付と時刻、区間と乗車人数などを選択すると、空席がある列車を選択できる
座席も座席マップから指定できる。繁忙期で座席数が少ない場合は「指定しない」を選択して早く指定券を確保するのがベター。最終画面で座席を確認できる

 ただし、連続した2席が空くという可能性はなかなかないと思われるため、家族での移動ではあまり有効でないかもしれません……。

切符受取や在来線への乗り継ぎもスムーズ

 先述のとおり、「交通系ICカード」を乗車カードに指定しておけば、紙の切符を受け取ることなく、改札にカードをかざせば乗車できます。年末年始の時期は、窓口はもちろん券売機にも長蛇の列がなされており、切符を受け取るだけなのに長時間かかるケースも少なくありません。交通系ICカードを指定しておけば、受取窓口を探したり、列に並んだりせずにすぐに座席までたどり着けます。

 交通系ICカードで乗車するメリットは、ほかにも在来線への乗り継ぎがスムーズになる点があります。駅の乗り換え改札で登録した交通系ICカードをかざせば、「新幹線の入出場」と「在来線の出入場」が一度で済むので、切符を探したり、切符を入れた後にカードをかざしたりすることなく、簡単に改札を抜けられます。

 交通系ICカードの登録は、乗車する人それぞれに設定できるので、複数人で乗車する場合でも登録しておけば、スムーズに改札を通過できます。

繁忙期こそオススメしたいスマートEX

 従来は「列車の切符は駅で買うもの」という流れがありましたが、駅窓口の削減や、不慣れな乗客が券売機を占有しているなどもあり「切符はネットで購入するもの」という流れに変わりつつあると思います。

 次回東海道/山陽・九州新幹線を利用する際に、ぜひスマートEXを利用してみて、繁忙期に備えてみてはいかがでしょうか。