みんなのケータイ
財布を持たずに東京出張してきた
2024年3月27日 00:00
先日、東京へ2泊3日の出張をしたときのことです。地元の空港に到着して、いざ搭乗手続き、という段階で財布を忘れたことに気が付きました。その時点で搭乗便の出発までは40分ほどで、自宅に戻っている時間は全くありません。というわけで、財布なしで東京出張しなければならなくなりました。
財布がないということは、現金はもちろんのこと、クレジットカードもありませんし、キャッシュカードがないので現金を下ろすこともできません。免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書もありませんから、何かトラブルがあったときはちょっと面倒なことになりそうです。
でもまあ、実際のところ財布がなくてもそれほど大きな支障はないだろうと考えていました。それは、手元にスマホがあるからです。
まず、自宅から最寄り空港までの移動はバスを使いましたが、地元のバスはSuicaなどの交通系ICカードが使えます。筆者のスマホにはモバイルSuicaが入っていて、常日頃から使っていますので、バスの乗車は全く問題ありませんでした。もちろん、東京に着いてからの電車なども同様です。
次に飛行機への搭乗ですが、こちらも以前よりスマホで済ませられるようになっています。今回の出張ではJAL便を使いましたが、JAL、ANAともにスマホアプリでチェックインできますし、スマホに表示させたQRコードで搭乗できますので、こちらも普段と同様です。
続いて東京での食事などですが、こちらもそこまで不安ではありません。近年飲食店の多くはキャッシュレス決済に対応するようになりました。そして、筆者が使っているスマホでは、PayPayをはじめとした各種コード決済、モバイルSuicaやiDなどFeliCaベースの電子マネー、そしてクレジットカードのタッチ決済が利用できるように設定済みです。なので、キャッシュレス決済に対応する店舗を選んで食事をすればいいですし、最悪は確実にキャッシュレス決済に対応しているコンビニで済ませれば問題ありません。
ひとつ問題がありそうだったのは、ホテルの支払いです。近年はホテルでもクレジットカードのタッチ決済に対応するところが増えてきてはいますが、今回の出張で利用するホテルがそうかはわかりませんでした。ただ、今回は運のいいことに、宿泊料金が安くなる事前決済プランを使って予約していたこともあって、すでに決済が終わっていたのです。実際にホテルに着いてみると、案の定、クレジットカードは使えてもタッチ決済には対応していませんでした。今回はたまたま事前決済だったので良かったですが、これはかなり危険でした。
もしホテルが事前決済ではなく当日決済だった場合にはどうすれば良かったでしょう。かなり詰んでいるようにも思えますが、現地で事情を説明して頼めば、公式サイトでのオンライン決済に切り替えてもらえる可能性は高いと思います。ただ、それが不可能だった場合には、別の手段を考える必要があります。
その手段のひとつが、クレジットカード不要でスマホだけでATMから現金を下ろせる「カードレスATM」で、PayPay銀行やauじぶん銀行、住信SBIネット銀行などが対応しています。筆者はPayPay銀行の口座を持っていましたが、実は口座は作っただけでほとんど使うことがなかったこともあってアプリの設定を行っていなかったのです。アプリの設定用の情報が手元になかったので、その場で設定することもできませんでした。
ただ、筆者にはそれ以外に、カードレスATMで現金を下ろす手段がありました。それは送金アプリの「pring」です。pringには、友人などへの送金機能だけでなく、セブン銀行ATMを利用した出金機能が用意されているのです。そのため、pringに接続している筆者の銀行口座からpringに入金し、セブン銀行ATMで出金することで、現金を入手できるというわけです。
pringは、スマホの個人間送金アプリとして歴史が古く、以前は友人間での送金でよく利用していました。近年はPayPayやことらなど個人間送金の手段が増えたことでpringを使う機会も減っていましたが、セブン銀行ATMからの出金機能は今回のようなピンチの場面で今後も活躍してくれそうです。
結局今回の出張では、一度も現金が必要にならず、スマホだけで問題なく出張を乗り切れました。ただそれは、今回の出張先が東京だったから、ということもあるでしょう。地方への出張時にはそうはいかず、かなり厳しいことになっていた可能性が高そうです。
このところ、スマホだけでなんでも済ませられるようになったことで財布を持たずに出掛ける機会が増えていますが、今後出張のときは気を付けようと思います。