みんなのケータイ
映画「ブラックベリー」をiPhoneで観て複雑な気持ちになった
2024年3月4日 00:00
実は長年、映画館に行っていない筆者。フリーライターとなって忙しくなって以降、最後に映画館に行ったのはいつだったか……というくらい映画を観る機会がありません。
ただ唯一映画を観る機会がありまして、それは長距離フライトの時。飛行機で欧米などに行く際には10時間以上かかる上、インターネットもあまり使えないので機内のエンタテインメントシステム、あるいはスマートフォンやタブレットで事前に保存しておいた映画を観るというのが通例となっています。
そして2024年も「MWC Barcelona」の取材でスペインに行くため長距離のフライトとなることから、事前に観たい映画を色々とリストアップしていたのですが、実は1つどうしても観たいものがありまして、それは2023年に制作された「ブラックベリー」という映画です。
ブラックベリーとは本誌読者ならご存知の方も多いであろう、キーボードを搭載した独特のデザインが特徴的な、あの「BlackBerry」の栄枯盛衰を映画化したもの。米国のバラク・オバマ元大統領が愛用していたなど世界的に高い人気を博したBlackBerryは、一時日本でもNTTドコモから販売されていたことがありますが、2016年に端末の開発を手掛けていたBlackBerry社が、iPhoneやAndroidデバイスの人気に押される形でハードウェア事業から撤退してしまいます。
その後一時中国のTCLがライセンスを取得し、BlackBerryブランドを冠したキーボード付きのAndroidスマートフォンを投入していました。こちらも日本で一時販売されていたことがありますが、ライセンス終了後に再び姿を消してしまっており、現在は見かけることもほぼなくなっています。
そうしたことから携帯電話業界に関わっている身として、ぜひ映画となったブラックベリーを観たいと思っていたのですが、日本でBlackBerryは販売されていたとはいえ知名度が低いこともあって、映画館では公開されていない模様。どうにかして観る方法はないものか……と探していたところ、最近いくつかの映像配信サービスで有料配信していることが判明したのでした。
最初に配信しているのを見つけたのが偶然にも「Apple TV+」であったことから、筆者はApple TV+でブラックベリーの映画をレンタルし、iPhoneで観ることに。日本では劇場未公開なので言語周りが心配だったのですが、日本語字幕も用意されていることから内容をしっかり理解することができました。
ですがよくよく考えると、BlackBerryに引導を渡すきっかけにもなったiPhoneと、そのiPhoneを提供するアップルのサービスを使ってブラックベリーの映画を観るというのは、複雑な気分にさせられる所でもあります。さすがに内容はお伝えできませんので、内容が気になる人は実際に観て頂きたい所です。
ちなみにBlackBerry社はハードウェア事業から撤退後、強みの1つでもあった企業向けのセキュリティ関連に事業を集中。日本でも最近新たな取り組みを発表するなど、しっかり事業を継続しているようです。