みんなのケータイ

スマートウォッチの充電器がカオスな状況をどうにかしたい

 ここ最近、スマートフォンやタブレットだけでなく、スマートウォッチに関する記事を依頼されることも増えてきました。

 筆者は、もともと腕時計をするのは苦手なのでスマートウォッチを色々と付けるのはあまり得意ではないのですが、仕事となればそうも言っていられず、最近は常に両腕にスマートウォッチやスマートバンドを付けて24時間生活していることが日常化しつつあります。

スマートウォッチのやスマートバンドの検証には身体データを継続的に取得する必要があることから、時と場合によっては両腕に複数装着することも(データの正確性を考慮すると決して推奨できる行為ではありません、念のため)

 ただ、日本では実質的にプラットフォームがiOSとAndroidの2つに限られているスマートフォンとは違って、スマートウォッチはメーカーによってプラットフォームが違っているというのが割と当たり前。もちろん最近では「WearOS by Google」のように共通のプラットフォームを採用したスマートウォッチも増えていたりしますが、スマートフォンとは違って取得する身体の情報や消費電力などを考慮すると独自のプラットフォームの方がメリットが多いということも多いようで、当面は独自プラットフォームが乱立する状態が続きそうな雰囲気です。

 複数のスマートウォッチを利用すると、プラットフォームが多すぎることで困ることもいくつかあったりします。1つはスマートフォンと連携するアプリがメーカーやプラットフォームごとに違うこと。異なるアプリ間で取得した身体のデータなどを共有する仕組みなどもあまり整っていないので、乗り換えにはある程度の諦めが必要なのが実状です。

 ですが、それよりも困っているのが充電器です。スマートウォッチやスマートバンドはメーカー、下手をすると機種毎に充電器が違っており、別の機種に乗り換える度にその機種専用の充電器を使う必要が出てきてしまうことも多いのです。

とりあえず近くにあったスマートウォッチとスマートバンドの充電器を並べてみたところ。全て異なるメーカー製のものだが、接点・無接点の違いや形状の違いなど、全く違う物が多いので使い回せない

 メーカーが違うのであれば、ある程度諦めがつくのですが、同じメーカーでも機種が変わると充電器が変わってしまうことが少なくありません。最近でもグーグルの「Pixel Watch」と「Pixel Watch 2」で、充電器が無接点から接点ありに変わって充電器の使い回しができなかったことにはショックを受けました。

同じメーカーでも機種が変わると充電器が平気で変わることも多い。左は「Pixel Watch」で右は「Pixel Watch 2」の充電器なのだが、無接点から接点ありに変わってしまったため使い回せなくなった

 なぜ、それほど変わってしまうのかといえば、小型の機器だけに機器の形状自体変わってしまうことも多く、機種ごとに本体の設計を大きく変える必要があることなどが影響しているのではないかと考えられるます。もちろん、各機種に最低1つは充電器が付いてくるので充電に困ることはないのですが、それでも同じメーカーの同じような機種に買い替えるのに充電器を使い回せないというのはやはり不便ですし、エコではないとも感じてしまいます。

 無論、そんなにたくさんのスマートウォッチを使う人はそうそういないでしょうから、充電器の違いをそこまで気にする人は少ないのかもしれません。スマートフォンでもiPhoneの新機種でLightning端子がなくなり、USB Type-Cへの統一が進んでいるだけに、スマートウォッチでも充電器の統一に向けた動きが進んで欲しい所です。

 できれば、ファーウェイ製スマートウォッチのように、ワイヤレス充電の「Qi」など汎用の規格に対応させるか、それが難しければせめてアップルの「Apple Watch」シリーズのように、同じメーカー内で充電器の仕様を統一してくれれば……と思うのですが、メーカー側からしてみればなかなか難しいことなのかもしれません。当面は多数の充電器に悩まされる日々が続くことになりそうです。