レビュー

「Pixel Watch 2」レビュー、新チップ搭載やセンサー強化の正統派モデル

 Googleは、10月4日にスマートウォッチ新モデル「Pixel Watch 2」を、10月12日より発売すると発表した。今回、発売前にいち早くPixel Watch 2 LTEモデルを試用する機会を得たので、ハード面や使い勝手などを紹介する。ただ、試用できたのは実質2日半と短時間だったため、試せていない機能も多く存在する。その点はご了承願いたい。価格はLTEモデルが5万9800円、Wi-Fiモデルが5万1800円。

Google 「Pixel Watch 2」

デザインは従来モデルとほぼ同じ

 まずはじめに、Pixel Watch 2のデザインを見ていこう。

 本体は、初代Pixel Watch同様に円形のシンプルなデザインを採用。文字盤部分は側面まで強化ガラスで覆い、カラーは側面まで黒で統一。これによって、初代同様にディスプレイ部分とベゼル部分の境界が感じられず、文字盤部分の一体感が高められている。

 文字盤部分のガラスには、初代同様Corning製強化ガラス「Gorilla Glass 5」を採用。ボディ部分は100%リサイクルアルミニウムを採用。初代は80%リサイクルステンレスを採用していたため、素材が変わりリサイクル率が向上している。

 サイズは直径が41mm、厚さが12.3mmと、初代と全く同じ。デザインもほぼ同じなので、横に並べてもほぼ同じに見える

 ただ、細かく見てみると異なっている点もある。それが側面リューズのサイズで、Pixel Watch 2のほうがわずかに大きくなっている。サイズを計測してみると、初代が直径約7mmなのに対しPixel Watch 2は直径約7.5mmだった。

 数字だけではわずかな違いと感じるかもしれないが、実際に操作してみると直径が0.5mm大きくなっただけで、指への当たり具合がかなり良くなり、操作しやすくなったと実感できる。

Pixel Watch 2のデザインは初代からほとんど変わっていない
初代Pixel Watch(右)と並べてみると、その違いがほとんどわからないほどだ
本体は直径が41mmで、文字盤部分のガラスにはCorning製強化ガラスGorilla Glass 5を採用
厚さは12.3mmと、こちらも初代と同じ
本体の金属素材は、初代とは異なり100%リサイクルアルミニウムを採用
Pixel Watch 2では初代よりもリューズの直径が大きくなり、操作性が向上している
左がPixel Watch 2、右が初代。リューズの直径がわずかに大きくなっていることがわかるだろう

 バンドは、初代同様にフルオロエラストマー製アクティブバンドが付属する。幅広い腕のサイズに合わせられるよう、SサイズとLサイズの2本のバンドを用意。従来モデルと同じシンプルなデザインのバンドで、しなやかでサラッとした感触のため、装着心地は悪くない。ただ、バンド自体の通気性は期待できず、従来同様に気温や湿度の高い場面では蒸れる場合もありそうだ。

 装着方法も同じで、バンドを1つめの穴に通して突起に固定し、奥の穴から内側に差し込む形となる。しっかりと固定できるため、動きの激しいスポーツでも外れる心配はないだろう。

 バンドのサイズや本体とバンドの着脱方法も初代と同じだ。そのため、初代用の替えバンドもそのまま流用して利用できる。Pixel Watchのバンドはすでに様々な製品が販売されており、それらをそのまま利用できるのは嬉しい。

パッケージには初代と同じ仕様のフルオロエラストマー製アクティブバンドが付属。SサイズとLサイズが同梱となる
装着方法は初代と同じで、しっかり固定でき激しい運動でも外れる心配がない
バンドの着脱方法や接続部の仕様も初代と同じ
初代用のバンドもPixel Watch 2で問題なく利用できる

 重量は本体のみで31g。試用機の実測でも公称どおり31gだった。これは、初代と比べて5gも軽くなっている。実際に双方を持ち比べてみるとPixel Watch 2のほうが軽く、軽快に装着できるという印象だ。なお、付属Sバンド装着時には実測57.9g、Lバンド装着時には60.7gだった。

 この軽量化は、本体のメタル素材がステンレスからアルミニウムに変更されたためだ。わずか5gといってもそもそもが軽いため、5gでも大きな違いとなって感じられる。とにかく軽くなった点は大いに歓迎できる。

本体のみの重量は実測で31gと初代と比べて5g軽くなった
Sバンド装着時の重量は実測で57.9gだった
Lバンド装着時には60.7gと60gをわずかに超えたが、これでも初代よりかなり軽い

 本体カラーはMatt Black、Polished Silver、Champagne Goldの3色、付属バンドのカラーはObsidian、Bay、Porcelain、Hazelの4色を用意。そしてMatt Blackの本体とObsidianのバンド、Polished Silverの本体とBayまたはPorcelainのバンド、Champagne Goldの本体とHazelのバンドと4つの組み合わせのパッケージが用意される。

 パッケージには、2種類のバンドに加えて、専用の充電アダプターが付属する。この充電アダプターは、USB Type-C対応の充電器に接続して利用する点は従来同様だが、初代はQi準拠のワイヤレス充電だったのに対し、Pixel Watch 2では4本の接点を利用する接触型充電となった。これに伴い、内蔵バッテリーを75分でフル充電できる急速充電に対応。ただし、旅行などで1日以上外出する場合には、この充電アダプターを同時に持ち歩く必要がある。初代は対応Pixelのバッテリーシェアなどで充電できたが、それができなくなったことは少々残念だ。

付属の専用充電アダプター。USB Type-C対応充電器に接続して利用する
Pixel Watch 2の充電アダプターは接点接続タイプとなり、ワイヤレス充電は行えなくなった
充電アダプターはマグネットでしっかり装着するため、外れて充電できていなかったというトラブルもそうそう発生しなさそうだ

画面の見え方や操作性は初代と同じ

 ディスプレイの仕様は、解像度が320ppi、最大輝度が1000nitsと初代と同じ。文字の見え方や屋外での視認性などに初代との違いは感じられなかった。

 ディスプレイのサイズ自体はスマートウォッチとしてはそれほど大きなものではなく、表示される文字も比較的小さめ。個人的に文字が見づらいということはなかったが、装着後にPINを入力する場面などでは少々操作しづらく感じる。

 タッチやスワイプなど、画面を直接タッチして操作する場合の操作性は、スマホ同様にスムーズで快適だ。

解像度が320ppi、最大輝度が1000nitsとディスプレイの仕様も初代と同じで、文字の視認性なども同等で、タッチ操作も軽快だ
屋外での視認性も初代と同様で、直射日光下でもまずまず見やすい
画面サイズはそれほど大きくないため、PIN入力は少々やりづらい

 操作性も初代と同じ。上から下へのスワイプでクイック設定パネルを表示。また下から上にスワイプすると通知を確認できる。そして左右へのスワイプでタイルを切り替えられる。標準設定のタイルは、メイン画面、日々の心拍数、エクササイズのクイック起動、睡眠、カレンダーの次の予定、Googleアシスタント、天気予報、Googleマップの8枚を配置。

 タイルの並びや種類は、スマホのWatchアプリから変更できる。標準の8種類を加えて全38種類のタイルが用意されているので、よく使うものや気に入ったものを並べるといいだろう。

 画面のスクロール操作は、画面スワイプだけでなくリューズの回転でも行える。こちらも初代同様の操作性だが、リューズが大きくなり操作性が向上したことや、スクロール操作時に指で画面が隠れることもなく、リューズを使った方がより便利と感じた。

 リューズは押し込み式のボタンにもなっており、リューズを押し込むことでアプリ一覧メニューが表示される。またリューズ上にもボタンがあり、そちらを押すと最近使ったアプリの一覧が表示される。このあたりの操作性も初代と同じなので、初代に慣れている人なら違和感なく利用できるだろう。

画面の上から下にスワイプするとクイック設定パネルが表示される
下から上へのスワイプでは通知を確認できる
左右にスワイプするとタイルを切り替えられる
タイルの種類や並びの変更は、スマホのWatchアプリを利用すると便利
タイルは全部で38種類用意されているので、気に入ったものや便利なものを選択すればいいだろう
リューズを押し込むとアプリ一覧メニューが表示される
リューズ上のボタンを押すとアプリ履歴を表示。このあたりの操作性も初代と同じだ

 ウォッチフェイスは、初代と同じ「ユーティリティ」と呼ばれるものを標準で設定。日時の表示に加えて、当日の累計歩数と現在の心拍数、そしてFitbit Todayを呼び出すアイコンを表示する。その他に7種類のウォッチフェイスもプリセットされているが、その内容は一部が新しいデザインに変更されている。

 ウォッチフェイスの変更は、初代同様にPixel Watch 2の設定メニュー、またはスマホのWatchアプリから行える。またスマホアプリからはギャラリーからより多くのウォッチフェイスをダウンロードしPixel Watch 2に転送して利用できる。このあたりも初代と同じだ。

標準のウォッチフェイスは初代と同じ「ユーティリティ」
ウォッチフェイスはユーティリティ以外に7種類をプリセット
スマホのWatchアプリからは、より多くのウォッチフェイスをダウンロードし、転送して利用可能だ

新たにGmailとGoogleカレンダーが追加

 Pixel Watch 2ではOSとして最新のWear OS 4を採用。そしてアプリとしてGmailとGoogleカレンダーが新たに利用可能となった。

 Gmailアプリはスマートウォッチ上で直接メールをチェックし内容を読めるアプリだ。従来までは通知は届いていたものの、内容を見るにはスマホを取り出す必要があったが、Watchだけでメールの内容をチェックできるだけでもかなり便利になったと感じる。

 Googleカレンダーについても、スマートウォッチ上からカレンダーに登録した予定を確認できるようになった。従来は「予定リスト」の表示にのみ対応していたが、より細かくGoogleカレンダーの情報を表示できるようになったことで、こちらもかなり便利だ。

 これらGmailおよびGoogleカレンダーは、すでにPlayストアで配布済みで、初代でも利用可能となっている。そのため、初代を使っている人もダウンロードして利用することをお勧めしたい。

新たにGmailアプリが利用可能に。画像やリンクなど表示されない情報もあるが、Watchから直接メールを読めるのは便利
Googleカレンダーアプリを利用すれば、Googleカレンダーに登録した情報を確認できる

決済機能も初代と同じ

 Pixel Watch 2の決済機能は、名称が「Googleウォレット」となったが、その内容は初代から変わっていない。

 対応する決済手段は、VisaまたはMastercardのタッチ決済、Suica、iD、QUICPay。Suicaは、初代同様に新たにSuicaを追加するか、既に利用しているモバイルSuicaを機種変更で転送することで、対応する交通機関の乗車や決済に利用できる。

 VisaまたはMastercardのタッチ決済、電子マネーのiD、QUICPayについては、登録するするクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードによって自動的に振り分けられる。なお、対応するクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードの種類はグーグルのサポートページに記載されている。

 決済手段の登録方法も初代と全く同じ。詳しくはこちらの過去の本誌記事あわせてこの本誌記事の記事を参照してもらいたい。

 決済方法も変わらない。VisaまたはMastercardのタッチ決済を利用する場合には、決済時にリューズをダブルクリックし、その時点でまだPINを入力していない場合にはPINを入力。画面に登録カードの券面が表示された状態でタッチすれば決済できる。

 Suica、iD、QUICPayについては、リューズダブルクリックの操作不要で、そのままタッチすれば決済可能だ。実際にタッチ決済を利用してみても、使い勝手は初代と何も変わらない。個人的には、何も変わらないという点には少々残念だった。そして、機能面はともかく、対応クレジットカードや決済手段を早急に増やしてもらいたい。

決済機能は名称が「Googleウォレット」となったが、その中身は初代から変わっていない
使い方も初代と同じで、Visa/Mastercardのタッチ決済はリューズダブルクリック後にタッチ、Suica、iD、QUICPayはそのままタッチで決済できる

センサーが強化され、生体情報をより広範囲かつ正確に取得可能となった

 Pixel Watch 2では、心拍数センサーとして、より正確な心拍数を計測できるマルチパス心拍数センサーを搭載。また、身体反応センサー(継続的皮膚電気活動【cEDA】センサー)と皮膚温センサーも新たに追加している。

 マルチパルス心拍数センサーは、アクティビティの強度に応じてシングルパスモードとマルチパスモードを自動的に切り替えたり、複数のLEDとフォトダイオードを使用し、さまざまな角度と位置から脈拍信号を測定。そうして得られた心拍数情報と高度なAI処理で、激しい運動中でも正確な心拍数が計測できるという。

Pixel Watch 2では、正確な心拍数を計測できるマルチパス心拍数センサーや継続的皮膚電気活動(cEDA)センサー、皮膚温センサーなどが搭載されており、より正確かつ広範囲の生体情報を取得できる

 筆者が短時間で試した限りでは、ウォーキングやサイクリング、安静時など、脈拍の上下をしっかり確認できている。正確さについては判断できないものの、特に問題はなさそうだ。

 そして、身体反応センサーと皮膚温センサーから得られる情報も組み合わせて、ストレスマネジメントも行えるようになった。こちらは、日常生活での行動パターンによってストレスのかかり具合をチェックできるが、ある程度情報が蓄積されて初めてチェックできるようで、今回のように2日程度の利用では確認できなかった。このあたりはしばらく使い込んでみてから評価したいと思う。

 これら情報は、Watchの画面からも確認できるが、スマホのFitbitアプリの方がより詳細なデータを確認できるため、できればスマホアプリを利用したい。

計測データを見る限り、しっかり心拍数が計測できている
スマホのFitbitアプリを利用すれば、より詳細なデータを確認できる

 そのほかの健康管理機能は、初代同様にFitbitをベースとしており、用意されている機能もほぼ同じだ。

 エクササイズのデータを記録する「Fitbitエクササイズ」では、ウォーキングやサイクリング、水泳、ランニング、スキー、格闘技など全41種類のエクササイズモードが用意され、エクササイズの時間や移動距離、消費カロリーなどを計測する。

 そしてウォーキングやランニング、サイクリングなど7種類のワークアウトについては、手動で記録をスタートしなくても自動的にエクササイズのスタートと終了を検出して記録できるようになっている。実際にウォーキングやサイクリングはワークアウトを開始して数分後に自動検出し、ワークアウトを終了して数分後に終了も自動検知されたので、セットし忘れても大丈夫そうだ。

 エクササイズの結果はWatchの画面でも確認できるが、スマホのFitbitアプリならより詳細なデータを参照できる。このあたりも初代と同じだ。

 このほか、睡眠の質を計測したり、血中酸素濃度の計測も可能。睡眠も自動検出するようだが、睡眠時に睡眠モードを起動したほうが確実そうだ。

 なお、血中酸素濃度は発売前の試用機ということもあってかうまく取得できなかった。また、皮膚温も分析中のままで何も表示されなかった。このあたりも今後再検証が必要そうだ。

Fitbitエクササイズには、全41種類のエクササイズモードが用意され、それらの中から種類を選択できる
ウォーキングやサイクリングなどの7種類のエクササイズは、モードを選択せずともスタートと終了を自動検出するので便利
エクササイズの結果もスマホのFitbitアプリで確認した方がより詳細なデータを閲覧でき便利だ
睡眠の質を計測できる点も初代と同じだ

バッテリーの持ちはそれほど良くない印象

 Pixel Watch 2では、最新クアッドコアCPUであるQualcomm 5100と、Coretex M33コプロセッサを採用。これにより初代より性能を高めるとともに消費電力も低減。合わせてバッテリー容量が306mAhと初代の294mAhから増えており、ディスプレイを常時表示した場合でも24時間利用できるという。

 ただ、2日ほど試した限りでは、24時間のバッテリー持ちはやや厳しそう、という印象だ。

 まず、標準設定のままで、ウォーキングやサイクリングなどのワークアウトも行いつつ1日使ってみたところ、約19時間でバッテリーが尽きた。標準設定では心拍数を常時記録したり、ディスプレイも常時表示に設定されているため、ある程度電力消費が多くなる。ただ公式でディスプレイを常時表示でも24時間利用できると言っている割には、それより5時間も早くバッテリーが尽きてしまっている。

 そこで翌日は、ディスプレイの常時表示をオフにしてみた。ウォーキングやサイクリングの頻度は前日と同じ程度だったが、こちらでは24時間近くバッテリーが持った。

 ただ、ディスプレイの常時表示をオフにしても24時間弱でバッテリーが尽きるということは、どういうサイクルで充電すればいいのか悩ましい。睡眠データを取得しないのであれば睡眠時に充電すればいいが、睡眠データも取得するとなると、入浴時ぐらいしか充電できないことになる。かといってフル充電には75分ほどかかる。入浴時間が1時間以上ということなら問題ないかもしれないが、30分程度だと充電が間に合わず、他の時間にも充電する必要があるだろう。

 このあたりは、使う人の生活サイクルやどういった使い方をするかによって変わってくるとは思うが、やはりより気持ちよく使うことを考えると、せめて2~3日はバッテリーが持ってもらいたい。

Pixelシリーズとの連携を重視したスマートウォッチがほしい人にお勧め

 Pixel Watch 2は、処理能力が高まり、バッテリー持ちが良くなり、新しいセンサーも搭載されてより詳細な生体情報を取得できるようになっており、初代から正統に進化したモデルと言える。アクティビティ記録デバイスとして人気のFitbitの機能をほぼそのまま利用できる点も初代からの継続した魅力だ。

 ただし、価格は少々厳しい印象。今回試用したLTEモデルが5万9800円、Wi-Fiモデルが5万1800円と、5万円を超えてしまっている。物価高騰や円安のあおりを受けた形ではあるが、より安価なスマートウォッチやスマートバンドが多数販売されている現在、この価格は不利に働く可能性も十分考えられる。

 それでも、Androidスマホ、特にPixelシリーズとの親和性が非常に高く、Fitbit機能を利用できる点は競合製品に対する大きな優位点であり、AndroidスマホやPixelユーザーならかなり満足できるスマートウォッチと言っていいだろう。