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スマホ2台+PCへ同時給電できるモバイル充電器を新調、「Anker Prime Wall Charger (100W, 3 ports, GaN)」の使いごこちは?
2023年10月11日 00:00
普段筆者が取材などで出掛ける時には、13.3型のモバイルノートPCとスマホ2~3台、必要な場合にはそれに加えてデジタルカメラを持ち出している。通常の取材であれば、外出して帰宅するまでにそれら全てがバッテリー切れになることはまずないが、使い方によっては帰宅前にスマホのバッテリー残量が20%を切ることもあり、結構ヒヤヒヤすることもある。そのため、通常はバッグにPCとスマホ2台を同時に充電できるだけのモバイル充電器を一緒に入れて持ち歩いている。
一緒に持ち歩いている充電器は全部で2つ。スマホ充電用としてUSB Type-C×2ポートで出力が最大65WのCIO「NovaPort DUO 65W」と、モバイルノートPC用として海外の展示会でもらったUSB Type-C×1ポートで出力65Wの充電器だ。それに加えて、その2つの充電器を1つのコンセントで同時利用できるよう小型のACタップも持ち歩いている。
それぞれの重量は、NovaPort DUO 65Wが実測で96g、もらい物の充電器が96g、ACタップが39gで、合計231g。充電器はどちらも窒素ガリウム(GaN)採用充電器のため、出力が65Wながらコンパクトかつ100gを切る軽さを実現していて、その点ではかなり満足できている。
ただ、常に充電器2つとACタップを同時に持ち歩くというのが、ちょっと邪魔くさくなっていた。サイズ自体はどれも大きいわけではないし重くもないが、使う時にそれらを全て取り出し、ACタップに接続したうえでコンセントへ接続するという作業がちょっと面倒と感じていた。また、それぞれ単体は小さくても、3つもあると結構かさばるとも感じていた。そこで、1つでPCとスマホ2台へ同時に給電できる充電器を新調しようと考えた。
新しい充電器に求めた要素は以下の3つだ。
- 出力が100W以上
- 今までの充電器セット(充電器×2とACタップ)合計よりも軽くて小さい
- 出力ポートが3つ以上で、ノートPC+スマホ2台に同時給電可能
筆者が利用しているノートPCは、PCを利用しながらバッテリーの充電を行うにはUSB PD経由で45W以上の電力が必要となる。そのうえでスマホ2台へも給電するとなると、出力65Wの充電器では心細い。そこで出力は100Wを基準とした。
サイズと重量は、可能な限り今まで使っていた充電器×2とACタップの合計よりも軽くて小さいもの、とした。そもそも100W以上の高出力充電器は大きく重いものが多いため、ある程度は妥協しようと考えていたが、それでも今まで持ち歩いていたものの合計よりは軽く小さいものにしたい。
ポートはノートPCとスマホ2台への同時給電ができるよう3つ備わっていることが最低条件。ポートの種類は全てUSB Type-CがベストだがUSB Type-Aが混ざってもOKとした。
この条件で製品をチェックし、最終的に選択したのは、アンカーの「Anker Prime Wall Charger (100W, 3 ports, GaN)」だった。Amazonで9990円のところ1000円引きクーポンを適用し8990円で購入した。
出力は最大100Wで、ポートはUSB Type-C×2とType-A×1の3ポート用意。ポートがUSB Type-C×3だとなお良かったところだが、USB Type-A-Cケーブルも普段から持ち歩いているので、そこは良しとした。
迷ったのはサイズと重量だ。特に重量は公称で約178gとなかなかの重さだ。サイズは60×42×39mmと、100W超の充電器としてはなかなかコンパクトだが、やはりこれまで使っていた充電器と比べるとちょっと大きい印象だ。
とはいえ、これまで使っていた充電器×2とACタップの合計と比べると小さく軽くなる。そもそも100W以上の高出力充電器はサイズが大きく重いものが多いが、その中ではこの製品は比較的小さく軽い部類だし、当初の目的も達成できそうということで、こちらを選択したわけだ。
実際に届いた製品を手にすると、やっぱり大きく重いな、という印象が強かった。それでも、これまでの充電器セット並べてみると、体積はかなり小さくなっている。また実測の重量は180gと公称よりも重かったが、それでもこれまでの充電器セットの合計231gよりも50g以上軽い。これで、当初の3つの目的のうち2つはクリアだ。
ただ、重要なのはノートPC+スマホ2台に問題なく同時給電できるかどうか、という部分。公式のデータでは、3ポート同時出力時には最大100Wとされ、ポートごとの出力パターンが公表されていなかった。一応、USB Type-Aからは単体で出力が最大で22.5Wとされているため、3ポート同時利用時でも2つのUSB Type-Cからは合計で最大77.5W出力できるはずで、おそらく問題ないだろうとは思っていたが、実際に試すまでは不安だったのだ。
そして、実際にノートPCとスマホ2台を接続してみたところ、出力不足などのアラートが表示されることもなく、問題なく同時に給電とバッテリーの充電が可能だった。おそらく大丈夫だろうという想定で購入したが、問題なく給電できて一安心。これで当初の目的全てがクリアできた。
このように、想定していた目的はクリアできたが、使っていて1つ気になっている部分がある。それは利用時の発熱だ。
GaN採用の小型充電器は、サイズが小さいうえに高出力のため、比較的発熱が大きい場合がある。もともと使っていた2つの充電器も同様だ。ただAnker Prime Wall Chargerは、それを上回る発熱という印象で、利用時に触れてみるとかなり熱いと感じてしまう。
そこで、ノートPCとスマホ2台を接続し、サーマルカメラを使って表面温度を計測してみた。それも、なるべく高負荷がかかるように、いずれもバッテリー残量を20%以下にし、さらに接続後にはベンチマークテストを実行して負荷を高めた。その状態で15分ほど経過したところで温度を計測してみたところ、最大で55度を超える温度が計測された。
もちろん、メーカーではこの温度も想定して安全性を確保していると思うので、問題なく利用できると考えていいとは思うが、ここまで熱くなるとちょっと不安になるのも事実だ。それでも、このサイズや重量には変えられない。利用時に充電器を触ることもほぼないし、とりあえずは充電器に布が被さるなどして熱がこもるような使い方をしないよう気を付けつつ使おうと思う。