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新生「ANA Pay」は携帯大手4社に対抗するスマホ決済の“THE SECOND”だ

 日々の買い物では「PayPay」「au Pay」「d払い」「楽天Pay」といったキャリア系QRコード決済を使っている。各社のキャンペーンや対応店舗に応じて支払うサービスを切り替えるというのが、もはや習慣化していた。

 使い勝手やキャンペーン、対応店舗など実力派揃い。もはやM-1チャンピオンといっても過言ではない4キャリアのスマホ決済サービスたち。

 今後もこの4サービスがあれば盤石かと思いきや、自分のもとに「スマホ決済のTHE SECOND」が現れた。それは、一度、デビューするも使い勝手の悪さでメジャーになることなく、ほぼ消滅。しかし、大幅リニューアルを経て「最強のスマホ決済サービス(個人の感想)」として生まれ変わったのが、航空会社であるANAが提供する「ANA Pay」だ。

 ANA Payは2020年10月にスタートするも「チャージはJCB発行のANAカード限定」「使えるQRコードはSmart Code」というユーザーと利用店舗がかなり限定されるサービスであった。自分も1回、1000円をチャージして以降、使わずにフェードアウトしていった。

 そんななか、今年5月になって、ANAはANA Payをリニューアル。決済手段として非接触決済サービスの「iD」と「VISA タッチ」に対応してきた。

 Apple Payのなかに収納できるので、ボタンを2回押すだけで起動できるのが便利。

 また、チャージはVISA、マスター、JCB、ダイナースとメジャーなクレジットカードにしっかり対応。もちろん「ANAカード限定」という、どこかのスマホ決済サービスのように自社カードに限定するなんてケチくさいことは言わず、他社のクレジットカードでもチャージ可能だ。Apple Payやセブン銀行ATMからでもチャージできる。

 そんなANA Payの最大の強みは「マイル連携」だ。

 クレジットカードでチャージした価値で支払えば、マイルが貯まるし、マイルが貯まっていれば、1マイルを1円に換算して支払うこともできる。

 4キャリアは通信料金支払いによる「ポイント経済圏」を構築しようとしているが、ANAはマイレージによる「マイル経済圏」をすでに築いている。

 筆者の場合、ここ最近、海外取材が復活し、航空券の調達に苦労している。特典航空券をなんとか確保する場合もあれば、予約が入らないときは、マイルを現金的に使える「スカイコイン」に変えて航空券を購入するなんてことが増えてきた。とにかく、マイルを貯めて、海外出張に行きたい。というわけで、俄然、日々の買い物でANA Payを使う機会が増えたのだ。

 実際、ANA Payを使ってみると「iDで支払える場所が多い」ということにあらためて気がつかされる。ここ数年、すっかりQRコード決済ばかり使っていたが、キャッシュレスで支払う場所が増えたことで、結果として、iDが使える場所も増えているのだ。

 また、ANA Payが個人的に最強だと思えるのが、海外(日本もだけど)であればVISAタッチが使える点だ。ここ最近、毎月のように海外に行くようになってきたが、海外もタッチ決済が当たり前になっており、VISAタッチがあれば、海外での現金は不要。両替せずに海外に行っても、ほぼ不自由なく滞在できる。

 4キャリアのスマホ決済サービスは、やはり海外で使うという点においては頼りない。

 その点、ANA Payは日本と海外、どちらでもメインとして使えるのが心強い。

 世間には頻繁に飛行機に乗る人もいれば、年に1回、乗る程度かもという人も多い。ただ、年1回の人はこれまで「マイルをためても特典航空券には届きそうもない」と、そもそもマイルを貯めない人が多かったようだ。そんな人でも、ANA Payがあれば、マイルを日々の買い物に使えるだけに、「おトク」と感じる人は結構、いるのではないだろうか。