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ANAはなぜ独自ペイ「ANA Pay」に取り組むのか

 ANAグループのANA Xは23日、モバイルペイメントサービス「ANA Pay」をリニューアルし、提供を開始した。同日には報道陣向けの発表会が開かれ、新しくなった「ANA Pay」の強みや今後の展望などが語られた。

 ANA X 代表取締役社長の轟木一博氏は「今日ついに、ANA Payを抜本的にリニューアルしてリリースできた」とコメント。“マイルで生活できる世界”の骨格が完成したとアピールする。

轟木氏

 プラットフォーム事業に取り組むANA Xでは、今回の「ANA Pay」のリニューアル以前にも、「ANAマイレージクラブアプリ」などでさまざまな改善を続けてきた。

 大きくリニューアルされた「ANA Pay」は、ANAのプラットフォーム経済圏を機能させる役割を担っていく。

 リニューアル後の大きなポイントとして、1マイルからのチャージに加え、1マイル1円相当としての決済が可能になることが挙げられる。これにより、少額からマイルを利用できるようになり、利便性がアップした。

 轟木氏は「もともとANAのマイルには、特典航空券(編集部注:貯まったマイルを航空券と交換できる制度)という強みがあったが、少額のマイルの使い道が弱点だった。今回のリニューアルでそこが改善され、マイル全体の価値が向上する」と自信を見せる。

 また、Apple Payなどからチャージできたり、iDやVisaのタッチ決済が利用できたりなど、決済ツールとしても大幅に機能が拡充された。

 ANAカードからのチャージに対しては、1000円のチャージに対して1マイル〜最大11マイルが付与される。付与率は、ANAカードプレミアムが11マイル、ANAゴールドカードが6マイル、ANAカード一般が1マイル。また、ANA Payキャッシュでの決済により200円につき1マイルが貯まっていく。

 なお、現在のANA Pay(コード払い)は11月にサービスを終了する。

 「これまでのANAのマイルは、極端に言えば、クレジットカードの利用でマイルを貯めて特典航空券と交換するという、一本調子な使われ方だった」と轟木氏。

 同氏は続けて「今後はマイルプログラムを中核にしながら、航空にとどまらないサービスやコンテンツの充実を図り、ANAのマイル経済圏を拡大していく」と語った。

ANA X ペイメント事業推進部長の金子和靖氏
ANA X ペイメント事業推進部 事業企画チーム マネジャーの早川邦子氏
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