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「オレの考えた最強の冗長化」――povo2.0を格安で維持する

 本コーナーでもたびたび取り上げているように、「Galaxy Z Fold4」は物理SIMとeSIMのデュアルSIMに対応した国内初のGalaxy。現在、メイン回線のドコモはeSIM化してあり、サブとしてLINEMOの物理SIMを入れている。

 元々、サブ回線にはソフトバンクのデータ通信専用3GBプランを使用していたが、アップデートで不具合が生じてしまったのは前回紹介したとおり。LINEMOに変えてからは、特に問題は発生していない。

物理SIMが1回線、eSIMが1回線のデュアルSIMに対応したGalaxy Z Fold4。国内で発売されたGalaxyとして、初の構成だ

 これとは別に、もう1回線、eSIMのプロファイルを入れている。povo2.0だ。ご存じのとおり、povo2.0はKDDIのオンライン専用ブランド。回線もKDDI回線を利用している。ドコモとソフトバンクで冗長化を図ったうえで、KDDI回線も入れておけば鬼に金棒というわけで、povo2.0をスタンバイさせておくことにした。楽天モバイルは入れていないが、現状のエリアを考えると、3キャリア体制で十分。これでつながらないなら、あとは衛星に頼るしかない。

予備回線として、eSIMでpovo2.0を入れている。普段はドコモがオンになっているため、povo2.0はオフになっている

 ただ、正直なところ、ドコモとソフトバンクの2回線でも、ほぼ目的は達成できている。ドコモがつながらない場所や通信速度がほとんど出ない場所でLINEMOに切り替えることはあるが、それでもまだ不十分というケースは極端に少ない。

 また、Galaxy Z Fold4はeSIMのホットスワップに対応していないため、ドコモからpovo2.0に切り替えると、端末が再起動してしまう。KDDI回線しかつながらない場合でも、短時間ならわざわざpovo2.0を呼び出すのは少々面倒。

 「iPhone 14 Pro」に入れたpovo2.0はギガ活でフル活用しているpovo2.0だが、Galaxy Z Fold4ではほとんど出番がなかったのが実態だ。

ドコモ回線が入りづらい場所でLINEMOをオンにしているが、冗長化としてはこれで十分。これまで、povo2.0をオンにする機会はなかった

 そんな事情もあり、Galaxy Z Fold4に入れたpovo2.0にはトッピングをする機会がなかなかなかった。その結果、うっかりトッピングをしないまま180日が経過。11月頭に警告のメールが届いていたものの、期限ギリギリまで待とうとスルーしていたら、うっかり期限を過ぎ、回線が休止扱いになってしまった。

 この状態になると、トッピングをしようとしてもエラーが出てしまう。利用状況を踏まえると、そのまま解約になってもいいかと思ったが、やはり“オレの考えた最強の冗長化”は残しておきたい。そこで、povo2.0の回線を復旧させることにした。

11月頭に、トッピング購入がないため回線を休止する案内が送られてきていた

 連絡したのは12月23日。解約は12月14日以降と記載されていたが、無事に回線は生きていたようだ。おそるおそるチャットサポートに連絡を取ってみたところ、名前や電話番号などを確認されたあと、あっさりと利用再開の手続きが完了した。

 注意したいのは、電話番号。povo2.0のeSIMは、Galaxy Z Fold4に設定しても電話番号が表示されない。アプリ側には電話番号が記載されているが、チャットもそのアプリで進行しているため、トップ画面に戻ることができなかった。筆者の場合、過去のメールから電話番号を探し出すことにした。

 とは言え、この手続きだけだと解約の手続きが止まるわけではない。回線を維持するためには、改めてトッピングをする必要がある。筆者が購入したのは、「smash.使い放題パック(24時間)」。ちょうどsmash.に見たい動画があったと言えばキレイに話がまとまるような気もするが、単純に料金が220円と格安だったのが選択の理由だ(※)。

 330円の「データ使い放題(24時間)」を選ぶことも検討はしたものの、Galaxy Z Fold4はデュアルeSIMではなく、povo2.0を使うには、メイン回線のドコモをオフにしなければならないため断念した。

購入したのは、smash.使い放題パック。回線維持の条件にトッピングの金額は定められていないため、これを購入すると格安になる

 smash.使い放題パックを購入し、無事に回線が復活した格好だが、回線維持のために購入されるコンテンツトッピングとは……と、少し複雑な気持ちになったのも事実だ。コンテンツ提供サイドも、こんな使われ方をするのは想定外だろう。これなら、半年で自動的に220円課金される方がシンプルな気もした。

 非常時の代替回線としてeSIMを活用する動きが模索されている中、自動で解約されてしまうのは少々不便。半年に1回自動で課金される代わりに、自動解約をオフにできる選択肢があってもいいような気がした。

【2023/01/10 17:45】
 記事初出時、(※)で示した部分で「最安」という表記がありましたが、より安価な方法があったため、一部表現を修正しました。