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香港のワクチンパス「LeaveHomeSafe」、海外からの入国者も必須
2022年8月22日 00:00
2022年8月12日から香港政府は香港入国時の検疫を緩和しました。8月12日以降、香港に入国した際は「3日間検疫ホテル、4日間自宅などで監視」という「3+4」の隔離・監視に変更になりました。それまでは7日間の検疫ホテル待機であったため、ホテルが予約できないと香港に入国できない、というケースも多かったのです。
なお、ホテルは政府指定の検疫ホテルのみになるため、自分で好きなホテルを選んで予約するということはできません。また費用は自費ですから出費が痛いところ。また、香港行きの飛行機の搭乗時間の48時間以内にPCR検査を受けることが必要です。日本は入国緩和の方向に動いていますが、香港はまだまだ入国への敷居は高いままです。
さて、香港は2022年2月からワクチンパスを導入しました。現在、スマートフォンに「LeaveHomeSafe」アプリを入れ、ワクチン接種記録または香港への入境記録を読み込ませてワクチンパスとして使います。
このLeaveHomeSafeアプリは以前、2020年11月に新型コロナウィルス接触確認アプリとして紹介しました。当時は自分が訪問した店舗で同じ時間に陽性者がいた場合に通知するアプリにすぎなかったのです。しかしオミクロン株の拡大により、香港政府はワクチン3回接種を行わないと飲食店などへの来店を禁止。その確認のアプリとしてLeaveHomeSafeに機能を追加してそのまま使用されています。
香港でワクチンを3回接種するか、海外で接種した場合はその記録を政府のWEBサイトで登録すると、QRコードが発行されます。また海外から香港に入境したときもQRコードが発行されます。そのQRコードをLeaveHomeSafeアプリにあらかじめ読み込んでおく必要があります。
店舗での手順は以下の通り。
このように香港では今、あちこちでワクチンパスを使った入場制限が行われています。さてここで、海外からの入国者はどうすればいいのでしょうか。まず香港は現在ビザなし渡航が可能で、冒頭に書いたように「3日間の隔離ホテル予約」「48時間以内のPCR検査」を受けていれば誰もが渡航できます。ただしLeaveHomeSafeアプリのインストールは必要です。
このLeaveHomeSafeアプリで香港入国時に渡されるQRコードを読み取ります。そこで表示されるQRコードは全体が黄色表示。ワクチン3回接種者は青なので、色が区別されます。これは海外からの入国者がまだ経過期間を終了していないことを目視でもわかりやすくするためです。
そして、3日間のホテル隔離が終わった後は、4日間自宅や別のホテル(格安ホテルなど自由に予約可能)で経過期間となります。この4日間は外出も自由で行動制限はありません。ただしワクチンパスが必要な店舗へは入場できません。
筆者はこの黄色いコードを取得していないため実際の操作はしていませんが、上記の写真のようにLeaveHomeSafeアプリでお店のQRコードを読むと、黄色いQRコード期間中は警告音が鳴り店舗への入場を断られるとのこと。
コンビニなどはワクチンパス不要なので、4日間の間に食料が買えなくて困る、ということはありません。そして4日間の経過期間が過ぎると青色のQRコード(上の写真と同じ)となるので、飲食店入場が可能になります。
なお、海外からの入国者は、以下の日程でPCR検査を受ける必要があります。
0日目(空港到着日):空港
2日目:検疫ホテル
4日目、6日目、9日目:地域検査センターまたは指定医療機関
0日目と2日目、そして4日目以降の地域検査センターでの検査は無料です。4日目以降の予約はオンラインで行え、場所も各地に用意されています。とはいえ頻度が高くちょっと面倒ですね。
今回の検疫緩和は海外からの渡航者を呼び込むというよりも、香港居住者の海外出張や旅行を楽にする、という意味合いが大きいと思います。筆者は6月末に香港に戻ったのですが、以前は14日間検疫、それが7日となりホテル代が大幅に安くなったので「ようやく」戻ることができたのです。それでもその時の検疫ホテル代は約15万円でした。
そのため次に海外出張へ行ったときは「数カ月香港に戻れない」と考えていたのです。しかし3日間の検疫ならば、ホテル代も安ければ4万円程度で済ませられます。欧米はすでに渡航時の制限がほとんど無くなっているだけに、海外出張への敷居も大きく下がりました。あとは航空券の値段が以前のように安くなってくれればいいのですけどね。