みんなのケータイ

タイ旅行で現地の5G通信を試してみました

 海外渡航のハードルもかなり下がってきたので、ゴールデンウィークはタイへ旅行してきました。海外旅行というと、やはり気になるのは現地でのモバイル通信です。

タイでも5Gの広告が多く目に入った

 3年ほど前までは、渡航先でのモバイル通信というと「現地通信キャリアのプリペイドSIMを買う」というのがコスパのよい運用方法でした。現在でもソフトバンクやMVNOでの契約回線は、あまりおトクな海外ローミングデータ通信のサービスがないので効果的です。

 とはいえ、それ以外のドコモ(パケットパック海外オプション)やau(世界データ定額)には、海外ローミング代も割安なプランが用意されていますし、ahamoや楽天モバイルなど追加料金のかからないケースもあるので、1週間以内の旅程であれば、現地でプリペイドSIMを購入する必要性はかなり低くなっています。

 筆者もahamo、楽天モバイルそれぞれ回線を持っているので、タイの通信キャリアのプリペイドSIMを購入する必要はなかったのですが、それでも1枚だけ購入しました。というのも「現地で5G通信を体験したかった」からです。

 ちなみに今回の旅行時に、5Gでの海外ローミングデータ通信サービスを提供していたのはソフトバンクのみ。タイも対象国でしたが、残念ながら筆者はアメリカ以外での海外ローミングデータ通信代が高いソフトバンクは契約していません(アメリカに行くときだけ「アメリカ放題」を使うため、eSIMで契約することはあります)。

 というわけで、現状、海外でも5Gを体験するには、現地通信キャリアのSIMが必要。タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港到着時に、タイの通信キャリアAISのカウンターでSIMを購入しました。カウンターでのメニュー一覧には、いくつかプランが用意されていましたが、5Gと書かれた15日間/35GBのプランを購入。価格は599バーツで約2300円です。

5Gで使用する場合は「5G」と書いてあるプランを選ぶ

 使用した端末はiPhone 13 Pro。もちろんタイに持ち込んだAndroid端末も5Gに対応しているのですが、実は日本販売モデルだと、海外で5G通信できないケースが多く、現状、現地のプリペイドSIMで5Gを体験するなら、iPhoneがベターとなっています。対応バンド数だけでなく、5Gの接続方式(NSA方式・SA方式)も絡んでくるので、このあたりはかなりやっかい。SA方式に完全に切り替わるまでは、この問題は続きそうです。

 プリペイドSIMの設定は、カウンターで係の人がやってくれました。このあたりは以前と同じです。すぐに接続でき、ピクトも5Gとなっています。通信速度は、下りで約53Mbpsとそこまで速くはありませんが、じゅうぶん実用的な速さです。

アンテナピクトの表示は5Gに
空港での計測結果は5G表記としてはイマイチ

 自分は安宿に泊まることも多く、宿のWi-Fiは通信速度が遅かったり、セキュリティー的にも不安な場合があります。今回バンコクで宿泊した宿もそうで、下りが約12Mbps、上りが約4Mbpsという計測結果でしたが、幸い5G圏内。iPhone 13 Proで下り約191Mbps、上り16.8Mbpsと、下りで10倍以上、上りでも4倍も差がありました。

 そのため、基本的には宿のWi-Fiを使い、動画のアップロードなど、データサイズの大きい通信を行うときだけiPhone 13 Proでテザリングという使いかたをしていました。

宿のWi-Fiよりも現地5GプリペイドSIMのほうが速い

 このような感じで滞在中はiPhone 13 Proで運用していましたが、やはりAndroidでも5Gで通信したいと思い、現地の5G対応Android端末を購入することに。AISから発売されている「R1 5G SA」です。AISのウェブサイトでは契約なしでの端末購入価格は5690バーツ(約2万1500円)とローエンドモデルの位置づけ。

 ただしAISショップに行っても売っておらず、スマートフォンショップなどが集まるショッピングビル「MBK」の店舗で購入しました。販売価格は3650バーツ(約1万4000円)と下がっており、スマホ好きなら気軽に購入できます。

R1 5G SAは、新古品が流れてきていて、約1万4000円売られていた
セットアップ完了後のR1 5G SA。日本語設定はなかった

 早速iPhone 13 Proに刺さっていたAISのプリペイドSIMをR1 5G SAに装着して通信テスト。せっかくなので、AISのショップ前でやってみます。日本でもそうですが、キャリアショップは5Gのエリア整備が行われているケースが多く、通信速度も好成績が期待できます。

R1 5G SAのアンテナピクトも問題なく5Gに

 R1 5G SAで計測してみると、通信速度は下り約589Mbps、上り約80Mbpsとなりました。これなら5Gにつながっている感があります。ちなみにR1 5G SAはその名前のとおり、SA方式に対応した端末ですが、設定やアプリでチェックしたかぎり、NSAでつながっていたようです。

R1 5G SA(左)は約589Mbpsを計測。ただし同条件で計測したiPhone 13 Proは700Mbps以上だった・・・・・・

 海外でも5G対応端末がかなり安く手に入るようになってきたので、Androidで5G通信がしたい場合は、現地端末+現地プリペイドSIMという組み合わせもマニアな選択しとしてはアリかなと思います。