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5Gの開始で再び海外でプリペイドSIMを買うようになった

【Galaxy Note10+ 5G】

 海外渡航時に現地のプリペイドSIMを買うことは通信料金を節約するためにも必須のことでした。かつては日本の通信事業者の海外ローミングも1日あたり約3000円のローミング料金がかかりましたから、1週間も現地滞在すればかなりの額になっていました。

 しかし今では事業者のローミングも大幅に安くなり、日本の自分の無料データ利用分がそのまま安価な追加料金で利用できるようになりました。KDDIはキャンペーンでその追加料金を無料にすることも多く、渡航先によっては日本と同じ感覚でスマートフォンでデータ通信を利用できます。ソフトバンクのアメリカ放題も繋がりにくいと言われているSprintだけではなく、アメリカの全事業者の電波を使うことができるようになりました。

もはや海外の空港に到着後、現地プリペイドSIMを買うこともなくなった

 さらには最近増えている「グローバルプリペイドSIM」を買えば、比較的、安価な料金で国をまたいでデータ通信を利用できます。タイのAISの製品を筆者もよく買いますが、もはや海外に行くのに現地でSIMを買う必要はなく、ローミングあるいは日本で事前にグローバルSIMを買って持っていけば済むようになったのです。

 筆者もここ3~4年ほど、海外に行ってプリペイドSIMを買うことがなくなっていました。渡航前に現地のプリペイドSIM情報を調べることもなく、またプリぺイドSIMを買うために事業者のお店に行く時間を作る必要もなくなりました。

 ところが今、再び現地プリペイドSIMを買う必要性が出てきました。5Gサービスが開始されたからです。現時点で5Gを展開している国はまだあまり多くないものの、イギリスなどではプリペイドSIMでも5Gが利用できます。また5Gのローミングもまだ実質的にははじまっておらず、5Gを使うためにはその国で5Gが使えるプリペイドSIMを買う必要があります。

 なおそれに加えて5Gのスマートフォンを用意する必要もあります。現在スマートフォン向けに展開されている5Gの通信方式(5G NR)は、4G LTEのコアネットワークを利用するNSA方式のために、常にLTEとNRを組み合わせて利用します。そのため他の国で買った5Gスマートフォンが、その国の5G NR環境では使えないこともあるのです。筆者の5G NRスマートフォンはロンドンで買ったサムスンのGalaxy Note10+ 5Gですが、ドバイで5Gが使えるプリペイドSIMを入れても5G NRの電波をつかむことはできませんでした。

筆者のイギリス版Galaxy Note10+ 5G

 4GなりWi-FIがあれば5Gを使わなくても困らないだろうという考えもあるでしょう。しかし実際にMWCが行われるはずだったバルセロナに来て、Vodafoneスペインの5GプリペイドSIMを使って600Mbpsの速度を体感すると、もう4Gには戻れません。

バルセロナにてVodafoneスペインのプリペイドSIMを入れて5Gを体験

 筆者はたまたまですがイギリス版の5Gスマートフォンを買ったため、おそらく多くのヨーロッパ諸国でも5Gを使うことができます。そのため今の筆者の興味は「ヨーロッパで5GがプリペイドSIMで使える国はどこか」を常日頃から調べることになっています。

ロンドンの地下鉄広告。EEは5Gを開始しているがプリペイドではまだ利用できない

 ちなみにイギリスではだいぶ前に「プリペイドSIMで5Gが使える」とアナウンスがあったため2月19日にロンドンを訪問したのですが、「5G対応プリペイドSIMは数日後だよ」と言われて涙しました。なお現在VodafoneイギリスのWEBページのプリペイドSIM情報を見ると、以前は無かった「5G」の表記が追加されています。

VodafoneイギリスのプリペイドSIM案内。2つのプランが5Gを利用できる

 2020年2月24日から開催予定だった「MWC20」は残念ながら中止になりましたが、来年のMWC21の時には、バルセロナに来る前後にプリペイド5G SIMが売っているヨーロッパ各国を訪問してみたいものです。

 また3月から日本で始まる5Gサービス対応の5Gスマートフォンを買い、それが海外の5Gネットワークで使えるかどうかも試したいもの。2020年は5GプリペイドSIMを探す旅が面白いことになりそうです。