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Galaxy S22発売を前に、Pixel 5を総括してみる

 4月7日、サムスン電子「Galaxy」シリーズの日本国内展開について、大規模な発表がありました。同社としては事実上国内初というSIMフリーモデル(オープン市場向け)、さらにはハイエンドタブレットもラインアップされるなど、かなり驚きの内容でした。

現在のメイン端末「Pixel 5」の使い勝手を総括してみます

 海外ですでに販売されていたハイエンドスマートフォン「Galaxy S22」、その日本版発売も正式に告知されました。こちらはもう恒例行事といいますか、いつもどおりドコモとauから発売されるとのこと。筆者はau版のGalaxy S22(SCG13)の予約を済ませたところです。正直言うと、本当に買い替えるかまだ若干迷ってはいますが。

 現在の筆者のメイン端末はau版のPixel 5で、Android 12への更新も経ながらも1年半ガッチリ使い込んできました。そこで今回は改めて、長期的観点からPixel 5の利用感を振り返っておきたいと思います。

デュアルSIMによるコストメリットは圧倒的

 Pixel 5は物理SIM(nanoSIM)とeSIMを同時運用できる「デュアルSIM」構成のスマートフォンです。SIMロックを解除すれば、au以外のキャリアのSIMでも通信できるので、月々の料金プランの選択肢はグッと広がります。

 筆者の場合、通話はおもに物理SIMのau「ピタットプラン 5G」、データ通信はIIJmioギガプランのeSIMで行うという形に落ち着きました。通話はおもに家族とだけ、データ通信も月4~5GB程度の筆者にとって、相当に都合の良い組み合わせが選べました。最安値を追求するのならばUQなりにさっさとMNPするべきでしょうが、家族割などの兼ね合いでauから離れづらい筆者にとっては、現実的な選択肢として機能しています。Galaxy S22への乗り換えを検討する上で、躊躇する材料となったのがまさにここ。Galaxy S22がデュアルSIM仕様であったならば、(価格以外に)なんの憂いもないのですが……。

SIMが2枚同時運用できるので、通話用・データ通信用で契約を分けられる

一番響いたのは「レコーダー」の自動バックアップ

 PixelシリーズはAndroidのメジャーアップデートがいち早く適用されます。筆者のPixel 5でも2021年10月にはAndroid 12が配信され、いわゆる「片手モード」に対応するなど着実な改善が果たされました。

 また厳密にはOS周りとは異なるレイヤーの話になりますが、「Pixelでだけ使えるGoogle製アプリ」が少ないながらも存在します。音声録音機能と文字起こし機能が高度に統合された「レコーダー」アプリがそれです。2021年12月のアップデートで、Pixel 5からも日本語文字起こしができるようになり、大いに重宝しております。

「レコーダー」アプリは、Pixelシリーズにとって大きなアドバンテージです

 さらに、「レコーダー」アプリによって生成された音声ファイルは、Google ドライブを通じて自動バックアップされるようになりました(以前は手動でした)。これがもう本当に便利で、個人的には文字起こし機能より有り難さを感じるほどです。

 というのも、バックアップされた音声ファイルは、パソコンからブラウザーでhttps://recorder.google.com/にさえアクセスできればどこからでも再生できます。これまでは専用のICレコーダーで取材音声などを録音して、これをパソコンにUSB接続して転送していたのですが、回数が多くなってくると想像以上に手間で、煩わしさを感じていました。

 ブラウザー上の再生インターフェイスは必要にして十分ですし、例の文字起こしも同時に確認できます。一見して地味な改善でも、それらが1つに統合されることでここまで使い勝手が上がるのかと、本当に驚かされました。

 ちなみに取材音声の録音は仕事上の生命線なので、Pixel 5とICレコーダーは併用しています。ただ1台に絞らざるを得ないシーン(立ったままの短時間インタビュー等)はPixel 5だけで済ませてしまうかも……。それくらい頼りにするようにはなりました。

録音データは、パソコンのブラウザーからダイレクトに再生できます。これがもう本当に便利

突然の再起動など、端末の安定性には若干の不安

 これは筆者が使っている個体特有の現象かもしれませんが、Pixel 5が突然再起動することが最近多くなりました。操作中に突然というわけではなく、ポケットから取り出していざ使おうとすると、画面に「デバイスの再起動後はPINの入力が必要となります」で表示されてビックリするケースが大半です。

知らぬ間に再起動しているケースがチラホラ。しかも外出中に多いような気が……

 電源オフではなく、あくまで再起動なのですが、とはいえPINコード入力直後に多少のスタートアップ処理が入るようで、そこではアプリの応答性も低くなりがちです。レジでQRコード決済しようとPixel 5を起動して、そこで再起動直後だったりすると……正直、そのシチュエーションはあまり想像したくないですね。

 また筆者の場合、行楽先でWi-FiもないままPixel 5の全リセット作業をするという、今思い出してもトラウマ級の事態に遭遇した経験があります。単に巡り合わせだったり、筆者の不手際に起因する問題なのかもしれませんが、「原因不明のトラブルに遭遇した」のは事実ですので、一応書き残しておきます。

かつてPixel 5が再起動ループに陥った時の一コマ。今思い出してもゲンナリします

 Pixel 5に取り付けた純正ファブリックケースに目をやれば、ズボンのポケットに出し入れする時の擦れの影響でしょう、角の部分がかなりほつれてきました。1年半を共に過ごした証と言いますか、なにかグッとくるモノがあります。

 振り返ってみますと、やはりPixelの魅力は「バランス」に尽きます。後継機のPixel 6と比べれば画面サイズは小さいですが、その分重量は軽い。また指紋センサーは背面搭載ですが、1年半使ってもなお画面内タイプと比べて不利だとは感じません。スペック的にも、約8万円という価格からも、まさにミドルレンジとハイエンドの中間。ちょうど良いあんばいのスマホだったと言えるでしょう。

 既に述べたように、Galaxy S22がシングルSIM仕様だったりなど、Pixel 5の買い替えを迷ってはいます。ただいずれにせよ、筆者のPixel 5はいわゆる「買い替えプログラム」に加入していないため、将来の返還義務はありません。メイン端末の座こそ譲るかも知れませんが、末永く使い続ける予定です。

1年半の利用の証か、ケースも大分痛んできました