みんなのケータイ

外出先でPixel 5が再起動ループに突入。その場で全リセットする事態に……

【Pixel 5】

 3月22日、東京都を含む1都3県での緊急事態宣言が解除された初日のことでした。桜がちょうど見頃だろうし、不特定多数で会食するつもりもなかったので、浅草にお出かけしてきました。写真を撮りつつ街歩きを楽しんでいたのですが、道ばたでふとPixel 5をポケットから取り出すと画面には見慣れぬメッセージが表示されていました。「Android Recovery」だって?

な、なんだこの画面は?

 続きには赤字でこう書いてあります。「Androidシステムを読み込めません。データが破損している可能性があります。このメッセージが引き続き表示される場合は、データの初期化を行い、このデバイスに保存されているすべてのユーザーデータを消去することが必要な場合があります」

 いや、今の今まで写真撮ってたし、Google マップも使いまくってたでしょ。まぁいいや、再試行(再起動)すれば治るでしょう───と思ったら甘かった。何回再起動しても、この警告画面に戻ってくるという、完全なループ状態。電源ボタン30秒押しの再起動でも、同じ画面が表示されてしまいます。

 シチュエーションも最悪でした。手持ちのスマホはそのPixe 5のみ。同行中の家族が持っていたのはパケット通信契約していないフィーチャーフォンだけなので、Web検索での情報収集もままなりません。

 電話がかけられない。電話をかけるにしても相手の電話番号を覚えていない。LINEが使えない。Facebookメッセンジャーが使えない。QRコード決済したくてもアプリが起動しない。おサイフケータイのSuicaが使えるかも怪しいという八方塞がり。その後1時間近く迷ったものの、最終的には「データの初期化」を実行するしか、私には手段がありませんでした。外出先で、周りに公衆Wi-Fiも見つからない中で、端末の再セットアップです。いやもう泣きたくなりましたよ。

「データの初期化」をするしかありませんでした

 「データの初期化」を警告画面から実行すると、ほぼ全てのデータが本当に消えました。ただし例外はいくつかあって、今回のシチュエーションではeSIMの登録は消えませんでした。私のPixel 5には楽天モバイルのeSIMが登録してあったのですが、もしこれが消えていたら、改めてアクティベーション用QRコードを発行してもらわなければならず、大変な手間だったでしょう。

通常稼働中のPixel 5で、本体設定メニューから全リセットを実行しようとすると、eSIMの削除に関するチェックボックスがありました。本稿で触れた“警告画面からのリセット”は、このチェックボックスをオフにした状態に相当するのでしょう

 最初のうちはこのeSIM回線が上手く繋がりませんでしたが、何度か試したからなのか時間が経ったからなのか、いつのまにか通信が可能に。Wi-Fiがなくても、モバイル回線だけでGoogleアカウントへのログインや、そのGoogleアカウントに紐付けてある端末バックアップデータの復元は、実行できました。8GB近くパケットを消費しましたけども。

 復元機能の実用的は相当は疑問でしたが、少なくともアプリのインストール状況はほぼ完全に再現できる模様。しかし、いざアプリを起動してみると、再ログインが必要だったり、機種変更時に必要な操作を要求されることが多かったです。覚えている範囲だと、無印良品のアプリは、インストール時に控えておいたPINコードを入力する必要あり(ネット通販アカウントやLINE連携などで復元する方法もあります)。対して、丸亀製麺アプリだけはどうしても復元できませんでした。あらかじめ「機種変更コード」を発行しておけばよかったんですが……。あぁ俺のかしわ天無料券2枚分が(泣)。

 そうそう、話の順番が前後しますが、Googleアカウントで2段階認証を設定している方はご注意を。その場にスマホ1台しかないと、端末の初期セットアップ中にワンタイムパスワードを入手するルートが大幅に限定されます。なによりアプリの通知が届きませんし、「Google 認証システム」アプリが起動できないケースだってあり得ます。

 私の場合は、紙のメモとして財布に忍ばせておいた「バックアップコード」でログインせざるを得ませんでした。10年近く前に印刷してはおきましたが、まさか本当に使う日がくるとは。

財布の中にいれておいた「バックアップコード」。やはり備えは必要ですね

 この騒動から約3週間が経過しましたが、ハードウェアの不調は特になく、警告画面に再会する機会もなし。何がトラブルの原因だったのか全く分かりません。まぁ「外出先でのスマホ故障」のトラウマは残りましたが、そこは何事も勉強、良い人生経験だと捉えることにします。

 とはいえ、スマホの2台持ちも一応考えておかないといけないかもしれません。今回は復旧可能なトラブルでしたが、どこかに置き忘れてしまったり、山奥のキャンプ場でたき火の中にスマホを落としたりする事態がないとは限りません。毎月1GBの小容量SIMを契約して、古めのスマホと一緒に鞄の底にでもしまっておこうかな?