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Galaxy Z Fold3 5Gでも使えた、Galaxyの新機能

【Galaxy Z Fold3 5G】

 グローバルで2月に発表された「Galaxy S22」と「Galaxy S22 Ultra」が、ついに日本に上陸する。残念ながらどちらも折り曲げられないため、筆者は次のフォルダブルスマートフォンを待つつもりだが、カメラ関連の一部機能は使ってみたい。と思っていたところ、Galaxy Z Fold3 5Gも、アップデートで一部機能に対応していたことに気づいた。

Galaxy S22、S22 Ultraの発表会で紹介されていたAIによる画像補正の新機能。Galaxy Z Fold3 5Gも、アップデートでこの機能に対応する

 中でも注目したいのが、「ギャラリー」のオブジェクト補正。写真に写り込んでしまった影や、ガラスへの反射をAIで分析して、自動的にそれを補正するのが新たに対応した機能だ。修正したい写真を開いた状態で鉛筆マークをタップし、「オブジェクト補正」を選択したあと、「影を消去」や「反射を消去」をタップすると、写真が分析され、影や反射が自動で消える。

オブジェクト消去を使うと、影や反射を自動で認識して、目立ちにくくすることが可能。完全に消えるわけではないが、より見栄えのいい写真に仕上がる

 メニューをタップして機能を選択するだけでよく、自ら範囲指定したりする必要がないため、誰でも簡単に利用できる。AIを活用しているため、処理の速度はチップセットの性能が高いGalaxy S22やGalaxy S22 Ultraの方が上かもしれないが(比較してないので厳密な違いは不明)、実際に使ってみた限り、Galaxy Z Fold3 5Gでも十分実用的だ。

MWC(の後のディナー)で撮ったパエリアの写真。残念ながら、手前にスマートフォンの影が写ってしまっている
「影を消去」を適用すると、スマートフォンの影がかなり薄くなった。全体的に、写真も明るくなっているようだ
こちらはiPhone 13 Proで撮った写真。中央上部に、反射が盛大に写り込んでいる

 編集機能のため、過去に撮った写真でも適用できる。以下は、“飯撮り”で自分の影が写ってしまった写真と、ガラスの反射が目立つ写真のビフォア・アフター。直近半年ぐらいで撮った写真の中から、目立つものを適当にチョイスしただけだが、どちらもきちんと影や反射を消すことができた。ちなみに、反射の方は「iPhone 13 Pro」で撮った写真。撮影機能ではないこともあり、他の端末で撮った写真も問題なく処理できる。

「反射を消去」を適用。かなり反射が消えているが、描写が複雑な部分(右中央よりやや上など)は一部処理が甘い

 個人的に「これは役立つ」と思ったのが、スマホを撮影した際にディスプレイに移り込んでしまった自分の体を消せたこと。仕事上、以下のような写真を撮ることはそれなりの頻度であるが、こうした反射をサクッと消せるのは大変便利。完全に消えるわけではないが、引きで見ればきにならない程度になるため、撮ってすぐにオブジェクト消去を試した方が、反射を避けながら撮るより効率的かもしれない。

スマホに自分の体が盛大に写り込んでいる
完全に消えたわけではないが、ある程度気にならないレベルまで写り込みを消すことができた

 最新モデルの機能を使えるということもあり、満足度が高い一方で、少々気になったのは、オブジェクト消去がギャラリーアプリでしか利用できないこと。というのも、筆者は写真の管理を基本的に「Googleフォト」で行っているからだ。GoogleフォトはAndroid標準のアプリで、Galaxy以外のモデルでも使い続けてきたことや、iPhoneなど、他の機種で撮った写真も一元管理できるのがGoogleフォトを使い続けている理由になる。

 そのため、他の機種で撮った写真にオブジェクト消去を適用したいと思った場合、いったんGoogleフォトで写真を選択して、ダウンロードをしてから、ギャラリーアプリを開き、編集をする必要がある。Googleフォトの共有メニューからギャラリーアプリやオブジェクト消去を含む編集機能だけを呼び出せれば、もう少し作業が簡略化される。他のアプリとの連携は、今後のアップデートでもう少し進めてほしいと感じた。

 一方で、ギャラリーも含めて標準アプリをかなり作り込んでいるのはGalaxyシリーズの魅力の1つ。オブジェクト消去も、その一環と言えるだろう。Android標準のインターフェイスやアプリをほぼそのまま採用するメーカーも(日本では)増えているが、どの端末を買っても機能が同じというのはどこか味気ない。こうした取り組みは、今後も応援していきたい。