みんなのケータイ

写メしたくなる?――AQUOS sense5Gで撮った写真は思ったよりイイ

【AQUOS sense5G】

 「写メ」という単語がある。つい最近まではよく耳にしたが、最近はどうなのだろうか。外出していないのであまりわからない。

 今ではほとんどの人は、「写メ」を「スマホで写真を撮ること(またはそのようにして撮影した写真)」という意味で使うだろうし、写メと聞いて、そのようなものをイメージするだろう。

 しかし、ある一定の世代以上のガジェッターたちにとって、写メとは「携帯電話で撮った写真をメールに添付することで、その場の楽しさを共有する」というような、ノスタルジーに浸れる単語であるだろう。

 実は、写メは短縮形で、20年前の登場当初は「写メール」というものだった。これはJ-フォン(現在はソフトバンクモバイル)が扱うカメラ付きケータイ「J-SH04」の登場とと同時に生まれた。今では考えられないかもしれないが、それまでカメラ付きケータイというものがなかったのだ。

 前置きが長くなったが、ケータイ×カメラの老舗メーカーはシャープ。シャープ製端末であれば、カメラ機能の性能に間違いがないだろうからということで、サブ端末としてAQUOSブランドを購入してしまう筆者。果たして、5G端末としてかなり安価なAQUOS Sense5Gのカメラも“間違いがない”ものだっただろうか。食べ物、風景、自然物などで試し撮りをしてみることにした。

食べ物

 AQUOS sense5Gのカメラには「AIオート」が搭載されている。被写体が何であるかを識別して、最適化した写真を撮れる。というわけで、食べ物の写真は破壊力満載のものとなった。

普通の唐揚げ。こんがり感がたまらない
何ということもないサイゼリアのトマトハンバーグランチセットの俯瞰写真
寄りで撮ると、赤味が強いがやはり破壊力がある
こちらはiPhone 11で撮影したもの。こちらのほうが自然な色味ではあるが“おいしそう度合い”ではAQUOS Sense5Gに軍配が上がる

 ただ、なぜかわらじカツ丼だけは、青味がかった色合いで、あまりおいしそうに撮れなかった(もちろんおいしかった)。

わらじのようなビッグさが迫力のあるわらじカツ。しょうが焼きとのミックス丼にした
同じものをGalaxy Note10+で。わずかだが、AQUOS Sense5Gのものより赤味が多く、おいしそうに見える(いずれにしてもおいしかった)

華のある風景

 芝桜は大型連休中に満開になるとのことだったが、できるだけ密を避けたかったこともあり、その少し前の平日に撮影に出かけた。

芝桜のピンクと空の青、どちらも記憶に残っているとおりの鮮やかさだ
こちらはGalaxy Note10+で撮影したもの。空の色は鮮やかだが、ピンクが眠たそうである。スマホで確認したときはどちらもくっきりしているように見えたのだが、有機ELマジックか
羊山公園から眺めた武甲山。石灰岩を切り出されたあとの段々や岩肌の質感までよく捉えられている
Galaxy Note10+で撮影したもののほうが、新緑や空の色などがくっきりしている

自然物

 芝桜も自然物だが、ここでは遠景としてではなく、寄って撮影した結果を載せてみたい。

園内にはチューリップも植えられていたが、盛りを過ぎた時期のため、開きすぎていたり枯れかかっていたりいたため、モチーフとしてよく用いられるタンポポの綿毛を被写体にした。想像以上に、綿毛の1本1本まで描写しているし、地面の暗さが綿毛の白を強調していて良い写真になった
こちらはGalaxy Note10+で。よく見ると1本1本を識別できるが綿毛を集合として捉えたのか、のっぺりした印象。メリハリも感じられない

ブツ撮りには使えるか?

 最後に、ブログやSNS、フリマアプリなどに掲載する人たちにとって外せないブツ撮りも試してみた。今回はスタジオを使用せず、柔らかな曇り空の自然光を使って撮影した。

目の周りや唇などにつける化粧品。アフィリエイターが撮る写真と異なり華がないかもしれないが、色味は完全に再現している(もちろん、表示するモニターによっても見えかたが変わる)
こちらは春らしいボッベルタイプの毛糸。各色ともバランス良く捉えられている

 今回の写真は、どれも未加工であるのは当然、設定すらいじらず、全くデフォルトの状態で撮影したものだ。本原稿執筆前は、「シャープ製スマホのカメラはいいものだという主観が入ってしまうのではなかろうか」と不安だったが、それぞれの端末から取り出して、このように比べてはじめて意外とイケることがわかった。

 もちろん、本物のデジカメには、フォーカススピードもシャッターの反応速度も遠く及ばないが、日常を切り取ってリアルに会えない家族や友人とシェアするのには全く問題がない。基本に立ち返って、AQUOS sense5Gで写メならぬ写ツイを楽しむのも悪くないなと感じたのであった。