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今年の冬はカメラでケータイしよう「J-SH04」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、メール端末、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」「できるADSL フレッツ・ADSL対応」「できるZaurus」「できるVAIO Windows XP版」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。iモード用EZweb用J-スカイ用、H"LINK用(//www.hourin.com/H/index.txt)を提供。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


業界初のモバイルカメラ内蔵ケータイ

 11月に入り、いよいよ年末商戦へ向けて、各社から新端末が続々登場する予定だが、その先陣を切って登場したのがJ-フォンの「J-SH04」だ。業界初のモバイルカメラを内蔵した携帯電話で、この冬の本命商品との呼び声も高い製品だ。先週末、機種変更で端末を購入できたので、いつものようにレポートをお送りしよう。


カメラはケータイの新トレンドになるか?

 J-フォン『J-SH04』。サイズ:39(W)×127(H)×17(D)mm、74g。ネージュブルー(写真)、ブルームシルバー、グレイスホワイトの3色をラインアップ。
 カラー対応コンテンツの充実やエリア別情報「ステーション」の開始など、他社とは一味違った「使えるケータイ」「楽しむケータイ」を実現してきたJ-フォン。昨年末に発売された「J-SH02」を皮切りに、カラー液晶搭載モデルを次々と発表し、コンテンツのカラー化に積極的な携帯電話事業者という印象が定着しつつある。

 そんなJ-フォンが今度は「カメラ」という新しい機軸を打ち出してきた。今回発売された「J-SH04」は、業界初のカメラ内蔵ケータイだ。すでに、「CEATEC JAPAN 2000」のレポートなどでも紹介されているが、通常の携帯電話とほぼ同じサイズのボディに、小型のCMOSセンサーカメラを内蔵しているのが最大の特長だ。小型カメラについては、すでに各社のメール端末などで採用されており、今年のトレンドになりつつあり、デジタルカメラでもソニーの「サイバーショット DSC-P1」で、待受画面を簡単に作成できる環境が用意されるなど、ケータイとカメラの関係は予想以上に密接になりつつある。


 シャープ製のカラー液晶搭載J-フォン端末3モデル。左から「J-SH04」「J-SH03」「J-SH02」の順に並ぶ。
 J-SH04を開発したシャープは、「J-SH03」のレビューでも紹介したように、昨年末に発売したJ-SH02で推定80万台以上という大ベストセラーを記録し、J-スカイサービス躍進の原動力となっている。後継モデルのJ-SH03も好調な売れ行きを記録したが、今回のJ-SH04はカメラという新しいキーデバイスを内蔵したことにより、J-SH02の大ヒットの再来になるのではないかという観測もある。

 カメラを内蔵したことにより、J-SH04はややコスト高になるはずだが、発売直後の価格設定は東京・新宿近辺で1万5000円弱(新規契約の場合)と、比較的買いやすい価格帯に落ち着いている。タマ数も豊富に用意されたためか、J-SH02やNTTドコモの「N502it」のときのような争奪戦は見られていないようだ。嵐の前の静けさか、それとも……。


従来モデルと変わらないスリムボディを実現

 J-SH04の基本的なスペックは、後日掲載予定の「ケータイ新製品SHOW CASE」やJ-フォン各社及びシャープの製品情報のページを参照していただくとして、ここでは実機を試用した印象を中心に紹介しよう。

 まず、ボディだが、J-SH04はカメラを内蔵しているため、誰もがサイズアップしていると考えるだろう。しかし、実際に手に取ってみると、従来モデルとまったく変わらないサイズで、重量もわずか6gしか増えていない。ボタンデザインなどが変わったことも影響しているのか、むしろJ-SH04の方がスリムに感じられるくらいだ。

 液晶ディスプレイは256色表示が可能でカラー液晶を採用しているが、従来モデルよりも明るさも改善されており、視認性はかなり良好だ。画面サイズは実測値で、J-SH03が約25×30.5mmだったのに対し、J-SH04では約25×34mmと縦方向に長くなっている。


 液晶ディスプレイは従来モデルよりも大型化されている。発色も良くなり、視認性も一段と向上している。  J-スカイウェブのメインメニュー。スクロールなどの速度はあまり変わらない印象だ。

 マルチガイドキーは波打ったようなデザインに変更されている。操作性は良好だが、カメラで『自分撮り』するときに[F]キーの位置に悩む。
 次に、ボタンデザインだが、昨年末に発売されたJ-SH02と今夏に発売されたJ-SH03では、あまり大きなデザイン変更がされなかった。しかし、今回のJ-SH04ではボタンデザインを中心に大きく変更されている。中央に[F]キー、その回りに4方向のマルチガイドキー、その左上にJ-スカイボタン、右上にメールボタンという基本構成は変わっていないが、マルチガイドキーが波打つような形状になり、その他のボタン形状も斜めにレイアウトされているため、全体の印象も変わっている。ちなみに、中央の[F]キーは内蔵カメラのシャッターとしても利用するのだが、波打ったマルチガイドキーに沿って組み込まれているため、シャッターを押したつもりが上下方向を押してしまうケースも少なくない。

 着信メロディは、これからの主流となる16和音+サンプリングに対応し、標準で10種類のメロディと15種類の効果音を内蔵している。自作メロディも16和音に対応しており、1旋律ごとにピアノやバイオリンなどの128種類の音色が登録できる。ちなみに、標準搭載の着信メロディでは「おはロック」「HOTEL PACIFIC」あたりが目新しい。


内蔵カメラは面白い!!

 本体背面に備えられたCMOSイメージセンサーを採用したモバイルカメラ。右隣がミラー。
 さて、注目のカメラ機能に話題を移そう。J-SH04に内蔵されているカメラは、11万画素のCMOSイメージセンサーを採用したもので、本体背面側に備えられる。撮影した画像はJ-スカイウェブで採用されているPNG形式に加え、一般的なJPEG形式でも保存することが可能だ。解像度は96×128ドットで、ファイルサイズも4KB弱と小さい。

 カメラモードへの切り替えは、[F]キーを押したメニューから「モバイルカメラ」を選択するか、[F]キーとメールキーを順に押すという2つの方法がある。慣れれば、後者の方が使いやすいだろう。

 カメラモードへ切り替えたら、被写体にカメラ、つまりJ-SH04の背面側を向ける。このとき、J-SH04の液晶ディスプレイはファインダーの役割を果たすことになる。[F]キーを押すと、実際に撮影され、プレビュー画面が表示される。ここで再び[F]キーを押せば、ライブラリに登録されるが、気に入らなければ、この段階で消去することもできる。


 INTERNET magazineの担当編集嬢といっしょに写ってみた。わりといい感じで撮れる。
 一方、カメラ(背面)を自分に向けた『自分撮り』も簡単にできるようになっている。背面のカメラ横にはミラーが備えられており、このミラーに収まる範囲が画像に収まる目安となる。簡単なミラーとは言え、自分撮りで写り方が見えているというのはなかなか面白く、異性と顔を寄せ合って、ツーショット写真を撮るなんていうのもやりやすい。今年の忘年会はこれが流行りそうな気もする(笑)。

 撮影した画像はJ-SH04の壁紙(待受画面)にしたり、ロングメールに添付してパソコンなどに送信することが可能だ。JPEG形式であれば、汎用性も高く、いろいろな環境に応用できそうだ。ちなみに、外付けタイプではあるが、DDIポケットのfeel H"やauでもカメラ機能が搭載されることになるので、いずれ製品が出揃った段階で、相互にファイルのやり取りをするテストもしてみたい。

 さて、カメラ機能の使い道だが、11万画素しかないため、当然のことながら、現在のデジタルカメラような本格的な活用には向いていない。しかし、カメラ機能が携帯電話本体に内蔵されているため、撮りたいときにポケットから取り出して、すぐに撮影するといった使い方はしやすい。つまり、デジタルカメラが登場したばかりの頃に言われていた「電子メモ」的な使い方に適しているということだ。ちなみに、筆者はデパートのショーウィンドウで撮影をしてみたが、はた目から見ると、「ショーウィンドウの前に立って、ケータイでメールしてる」ようにしか見えないそうだ。仰々しさがないのはいいことだが、考えようによっては、アブない使い方も簡単にできてしまうかも……。


 内蔵カメラでデパートのショーウィンドウ内を撮影。色はやや濃い印象だ。  同じものをJ-SH04の液晶ディスプレイ上に表示。やや荒れたように見えてしまう。

 また、J-フォンではJ-SH04の専用オプションとして、リチウムイオン充電池で動作するカラーモバイルプリンタも発売している。これには専用シールが採用されており、J-SH04で撮影した画像をまさに「プリクラ」感覚で使えることになる。


「撮る」「見る」「送る」で遊ぼう!

 業界初のカメラ機能を搭載したJ-SH04だが、とにかく話題性では満点が付けられるレベルの仕上りだ。もちろん、カメラ機能をもっと高性能にして欲しいという声は出てくるだろうが、現在のPDC方式による携帯電話はデータ通信が遅いため、この程度がちょうどバランスが良い。むしろ、手軽に撮って、瞬時に送るという感覚の方が大事だ。

 最後に、J-SH04の「買い」の診断をしてみよう。まず、J-SH04の買い診断で重要なポイントは、カメラ機能をどれだけ評価するかという点だろう。普段から外出が多く、カメラを利用するシーンが多そうなユーザー、友だちとよくプリクラで遊んだ記憶があるというユーザーは、間違いなく『買い』だ。すでに、折りたたみ式の「J-SH05」なども発表されているが、やはり、カメラがあるのとないのとでは、液晶ディスプレイがカラーかモノクロか以上の開きがある。今後、他のJ-フォン端末にもauと同じように外付けカメラでも装着できるようになれば、話は別だが、現状ではカメラ機能のアドバンテージは揺るぎない。

 逆に、カメラは補助的なもので、コンテンツや携帯電話としての使い勝手を考えたいというユーザーは、ちょっと迷うところだ。しかし、筆者としては、仮にJ-SH04よりも使い勝手のいい端末があったとしてもカメラ機能の面白さは、それを補ってあまりあると見ている。「撮る」「見る」「送る」という使い方は、間違いなく、携帯電話の新しいトレンドになるはずだ。ぜひ一度、店頭で内蔵カメラで撮って、カメラ遊びの楽しさを実感してもらいたい。


■URL
・J-SH04ニュースリリース(J-フォン東日本)
http://www.j-phone-east.com/company/n/000926a.htm
・J-SH04商品情報(J-フォン東日本)
http://www.j-phone-east.com/p_and_s/products/be/htmllib/index.htm?d=SHARP&f=J-SH04
・J-SH04商品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/jsh04/index.html



(法林岳之)
2000/11/07 00:00

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