みんなのケータイ
楽天モバイルは本当にお付き合いしても大丈夫?
【OPPO Reno A 128GB】
2020年6月10日 06:00
今年4月から正式サービスに移行した楽天モバイル(MNO)。筆者も無料サポータープログラムの当初から利用してきたが、最初期の頃に比べれば、徐々にエリアも拡がり、『都心』は地下やビル内を除けば、一応、使えるようになってきた。しかし、外出自粛期間だったこともあり、せっかくのデータ通信量無制限(楽天モバイルエリア内のみ)もほとんど恩恵を受けられていないのが実状。
そんな中、自分が契約している回線のうち、もう1回線をMNPで楽天モバイル(MNO)に移行することにした。2回線目はRakuten UN-LIMITの対象にならないため、月額2980円が請求されるが、端末の動作確認でSIMカードは使うし、ほかにも理由があって、MNPで移行することにした。
その「ほかの理由」というのは、移行元の回線が旧FREETELの回線だからだ。旧FREETELは2017年9月にMVNO事業を楽天が買収し、同年12月に旧FREETELを提供していたプラスワン・マーケティングは民事再生法を申請して、事実上、倒産した。旧FREETELのSIMカードのサービスは元の契約のまま、支払先が楽天モバイルに引き継がれていたため、何も手続きをすることなく、継続して利用できていた。その後、楽天モバイルからは契約移行の案内をメールでいただいたが、その内容にはあまり魅力がなく、結局、旧FREETELの契約のまま、使い続けていた。
しかし、2年半近くが経過し、旧FREETELの契約手続きがいつまで確認できるのかがわからないと考え、今回の正式サービス移行のタイミングで、旧FREETELからMNPで楽天モバイルへの移行することにした。ちなみに、楽天モバイルから提示されていた条件としては、旧FREETELの契約解除料やMNP転出手数料(2000円)の免除くらいで、その他にはこれといった特典も用意されていなかった。筆者は意図があって、楽天モバイル(MNO)に移行したが、この程度の特典だったら、他社にMNPをした方がおトクだろう。
手続きの流れはいたって簡単で、旧FREETELの契約者ページでMNP予約番号を取得し、楽天モバイル(MNO)の申し込みページで「乗り換え(MNP)」で申し込むだけ。端末についてはいっしょに買うことができたので、無料サポータープログラムでも利用した実績がある「OPPO Reno A 128GB」を指定された楽天モバイル楽天市場店で購入した。
ちょうど大型連休のスタート時にMNP予約番号を取得し、楽天モバイルへの申し込みを済ませ、4月末には手続きが完了。本人確認書類不備のメールが届いたけど、どうやらカメラで撮って、パソコンでトリミングした免許証などの写真はダメなようで、スマートフォンで免許証を撮影し、アップロードし直したら、すぐに申し込み完了。端末も連休中に届き、SIMカードのアクティベーションも無料サポータープログラムでも経験しているので、問題なく、無事に開通できた。
と、ここまでは何もトラブルがなかったが、5月から6月にかけて、楽天モバイルから意味不明なメールが何度も届き、不安な気持ちにさせてくれた。
たとえば、筆者は前述のように、楽天モバイル楽天市場店で端末を購入し、すでに端末も手元に届いているのに、なぜか2週間後に「ご注文のキャンセルについて(自動配信メール)」というメールが届いた。サポートに問い合わせると、注文時に途中で中断したセッションが残っていたとのことで、それをキャンセルしたという言い分だった。
ところが、翌日には「システムトラブルにより、一部のお客さまに誤ってメールを送信してしまい、注文履歴上もキャンセル表示になってしまった」というメールが届いた。じゃあ、前日の「中断したセッション云々」という説明は何だったのか。ちなみに、このメールが届いた当時、楽天市場の購入履歴から「OPPO Reno A 128GB+Rakuten UN-LIMITプランセット」の表記は消えてしまい、約3週間後に表示が復活した。
続いて、6月に入ってから、今度は 「2020/6/1時点でFREETELをご利用のお客様を対象にお送りいたしております。」 というメールが届いた。メールにはアンケートページへのリンクが記載されていて、内容をチェックすると、旧FREETELの契約を続けているユーザーの不満を探り、楽天モバイル(MNO)への移行を促すものだった。移行を促したい気持ちは理解できるが、ここまで説明してきたように、筆者はすでに1カ月前に旧FREETELから楽天モバイル(MNO)へMNPによる移行を済ませている。にも関わらず、こういったメールを送ってくるということは、自らの顧客が移行したことを把握できていないということになる。いったい、どういう顧客管理をしているのだろうか。この件もサポートに問い合わせたところ、「誤って送ってしまった」という回答だったが、他の主要3社でもMVNO各社でもこんなに連発して、ミスは起こすことはない。
さらに、もうひとつおまけ。楽天モバイル(MNO)の無料サポータープログラムを利用していたユーザーは、Rakuten UN-LIMITへの移行手続きをすることになるが、その期限は5月末日までと告知されていた、実は、筆者は無料サポータープログラムで、2枚のSIMカードを利用していて、その内の1枚をRakuten UN-LIMITに移行し、もう1枚はそのまま廃止しようと考えていた。ちなみに、無料サポータープログラムでは当初、SIMカードを複数枚、発行できる仕組みになっていて、筆者はその際、2枚目のSIMカードを申し込んだ。
6月1日になり、廃止する無料サポータープログラムのSIMカードを挿したスマートフォンを見ると、なぜか今まで通り、使える(笑)。データ通信もできるし、my楽天モバイルを開くと、そこには「100GB無料プラン」の表示が……。念のため、ケータイ Watch編集部に知らせ、編集部が楽天モバイルの広報に問い合わせたところ、「確認します」という返事があり、翌日の「楽天モバイルの無料サポータープログラムがまだ使える!? 徐々に終了へ」につながったわけだ。
真偽のほどは定かではないが、筆者以外のユーザーも含め、ユーザーからの報告があって、はじめて気づいたのではないかと勘ぐりたくなる。
とまあ、筆者が体験しただけでもこれだけのトラブルがあり、この他にも5月1日に通信障害が発生したり、本コーナーでも他の著者が楽天モバイルへの移行に苦労するなど、とにかくトラブルの話題が多い。
1年間無料というプロモーションは多くのユーザーにとって、魅力的であることは間違いないが、携帯電話契約の根幹とも言える顧客管理の部分において、これだけのトラブルを連発しているのは、さすがにいかがなものか。長らくEコマースで実績を積んできた企業とは思えないほどの杜撰さだ。
しかもこうしたトラブルが数多く報告されているにもかかわらず、監督官庁の総務省は何も指導や注意をしていないことは、何とも不可思議だ。エリア展開などはこれからの推移を見ていくしかないが、こんなにいい加減な顧客管理体制のまま、お付き合いして、本当に大丈夫なんでしょうか? > 楽天モバイルさん、総務省さん
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