みんなのケータイ

持ち歩くべきは11インチか10.5インチか、それが問題だ。

筆者の所有するiPad。なんでこんなに持ってるねんと思われるかも知れないが、筆者自身もそう思ってる

 筆者はレビューや検証などのためにすべてのサイズのiPadを保有し、動作状態を維持している。具体的には、7.9インチのiPad mini(2019モデル)、9.7インチのiPad Pro(2016年モデル)、10.2インチのiPad(2019年モデル)、10.5インチのiPad Pro(2017年モデル)、11インチのiPad Pro(2020年モデル)、12.9インチのiPad Pro(2015年モデル)、12.9インチのiPad Pro(2018年モデル)の7枚。それぞれ家のいろいろなところに設置したり寝床に持ち込んだりして活用している。

 泊まりがけの取材など外出先でパソコン作業が必要な場合は、MacBook(2015年モデル)を持ち出すが、いかんせん古いモデルでバッテリー劣化も進んでいて、必要なとき以外は持ち出したくなく、iPadで済むときはiPadで済ませたい。そして最近はiPadでできる作業が増え、iPadで済むケースが増えている。発表会の取材とか打ち合わせとかであれば、MacBookではなくiPadを持ち出している。

 ではどのiPadを持ち出すべきなのだろうか。全サイズを持っている筆者も、いや全サイズを持っている筆者だからこそ、どのiPadを持ち出すべきかには悩まされる。

12.9インチiPad(2018年モデル)。使いやすいのだが持ち歩くにはちょいデカい

 まず12.9インチiPad Proは、PDFにApple Pencilで注釈を書き込む作業などはパソコンよりも使いやすいくらいだが、Smart Keyboard Folioを装着するとMacBookよりも重たくなるので、持ち歩くことはほとんどない。

 iPad miniは非常にコンパクトで持ち運びやすく、片手でも持ちやすいから移動中の簡易作業や暇つぶしに最適だが、純正のSmart Keyboard Folioがないので、MacBookの代わりにはならない。

 10.2インチのiPadは安価さが特徴だが、ボディサイズは10.5インチと同じなので、両方持っている筆者はあえて持ち歩く意味がない。これから買うという人も、プロセッサ世代的に10.5インチのiPad Airを買って長く使う方がトータルコスト的にもオススメだ。

10.5インチiPad ProとSmart Keyboard Folio。現行iPad Airも同じサイズ。10.2インチの無印iPadもボディサイズはほぼ同じ

 MacBookの代わりに持ち歩き、外出先で作業をこなすのであれば、11インチiPad Proか10.5インチiPad Pro(もしくは現行iPad Air)のどちらかが良いと思う。ではどちらにするべきかというと、これもまた悩ましい。

 ディスプレイサイズ的には11インチの方が大きいのだが、実は11インチiPad ProはiPadシリーズでは唯一、アスペクト比が白銀比(1:1.41)で、ほかのiPad(1:1.33)よりもわずかに細長くなっている。長辺の長さは11インチの方が長いが、両モデルともにディスプレイの短辺は約160mmでほぼ同じだ。

左が10.5インチiPad Pro、右が11インチiPad Proの表示。ホームインジケーター非対応の古い設計のアプリなので11インチだと小さく表示されてしまっている

 同じならイイじゃん、と思われるかも知れないが、Face ID搭載の11インチiPadは画面下部にホームインジケーターの横棒が表示されるので、画面を横長に使うときの縦(短辺方向)の表示領域はわずかながら狭くなることがある。作業をするときは縦方向の広さはけっこう重要なので、このわずかな狭さがちょっと残念な感じだ。

 一方、動画や電子書籍の表示は11インチの方が有利だ。とくにディスプレイのアスペクト比が印刷物に近いので、コミックや雑誌は余白がほとんどない状態で画面に無駄なく大きく表示できる。

11インチiPad ProとMagic Keyboard。あわせて1kg超えは持ち歩くにはちょい重たい

 本体の大きさや重さは、10.5インチも11インチもほぼ同等だ。10.5インチiPad Proは本体が約478g(セルラーモデル実測)で、Smart Keyboard Folioは約246g、合わせても約724gでMacBookよりもずっと軽い。

 11インチiPad Proは本体が約484g(セルラーモデル実測)で、(筆者は所有していないが)トラックパッドなしのSmart Keyboard Folioがだいたい300gくらいらしいので、そちらと合わせた場合は800g弱となる。10.5インチよりやや重いが、MacBookよりは軽く持ち運びやすい。

Magic Keyboardはトラックパッド付き。しかしiPadアプリはタッチ操作が基本なので、トラックパッドはパソコンほど重要ではない

 今春モデルの11インチiPad Proの特徴でもあるMagic Keyboardは、約600gと本体よりも重く、本体と合わせると約1084gとなる。MacBookよりも重たく、気軽に持ち歩くのには不向きだ。筆者はこのMagic Keyboardしか買わなかったのだが、持ち歩きのためにSmart Keyboard Folioも買い足すべきかな、と思っているくらいである。

 結局、筆者の中で11インチと10.5インチ、どちらのiPadを持ち歩くべきかの答えは出ていない。動画や電子書籍に向いていてFace IDも便利な11インチ、少しだけ軽い10.5インチ、どちらとも甲乙がつけがたい。

 どちらがベストかを悩んではいるが、ここ4カ月ほど、外出する必要のある仕事がほとんどなくなってしまい、そもそもノートパソコンもiPadも持ち歩く必要がなくなってしまっている。いつかまた発表会などでiPadを持ち出す機会が戻ってくるとは思うが、それまでに新しいiPadやMacBookが登場して選択肢が激変している可能性だってある。いまモバイル作業環境を悩む必要はないのかなぁ……。