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au IDの統合ミスの影響で、新たにeSIMを申し込み

【iPad Pro 11】

 今から約2年前、本コーナーでも触れたことがあるが、自分のちょっとした操作ミスで、au回線でメインで使っているau IDを意図せず、統合してしまったことがあった(関連記事)。その結果、そのau IDに紐付いているサービスにすべてログインし直すハメになったり、auのサポートには「統合したau IDは分離できません」と言われ、元に戻せなくなったりしたけど、とりあえず、その後は環境を整え、1つのau IDにスマートフォン(現在はGalaxy S10+)とiPad Pro 11が紐付いた形で利用していた。

なぜか「世界データ定額」が課金されている? au STARの無料特典は適用されない?

 ここ数カ月、筆者は8月7日に「Galaxy Note10/10+」が発表された「Galaxy UNPACKED 2019」の米国・ニューヨーク取材をはじめ、マレーシア・クアラルンプール、タイ・バンコク、ベトナム・ハノイなどに出かける機会があった。とは言え、いずれも3日間前後の短期滞在のため、渡航先のプリペイドSIMカードはほとんど買わず、auの「世界データ定額」を使いつつ、以前、本コーナーでも紹介したuCloudlinkのクラウドSIMルーター「GlocalMe G3」を使っていた。あらためて説明するまでもないけど、世界データ定額は24時間で980円で、au STAR会員なら、月に1回分(24時間)は無料で利用できるので、海外渡航時には確実に1回分、利用させていただいていた……。

 と言いたいところなのだが、実は、先日、My auで各回線の請求内容をチェックしていたら、なぜかiPad Pro 11の回線で「世界データ定額利用料/免税」が「980円」、しっかりと課金されていた。思わず、「あれ? 誤課金?」と思ったけど、落ち着いて調べてみたら、誤課金ではなく、勘違いしていたことに気づいた。

 実は、au STARで提供される特典は、au IDに基づいているため、世界データ定額が毎月1回分無料という特典はひとつのau IDで1回のみ。au IDに複数の回線が紐付いているときは、どちらか片方が先に特典を使ってしまうと、もう片方の回線では無料で使えなくなってしまう。筆者の場合、メイン回線のGalaxy S10+で先に使っていたため、同じau IDに紐付いているiPad Pro 11では回線が違っても無料の対象にならず、課金されてしまったわけだ。

 このルールをよくチェックしてみると、実はau IDが統合されていると、au STARのいろいろな特典も片方の回線でしか享受できないことに気が付いた。たとえば、利用期間に応じて、WALLETポイントがもらえる「au STAR 長期優待ポイント」がもらえないし、「2年契約更新ギフト券」もナシ。au IDの統合でコンテンツサービスが両方で利用できるメリットがあるとは言え、世界データ定額の無料特典がなくなり、長期優待や2年契約更新の特典も失うのはイタい。

前回取り上げたiPhone XS Maxに続き、iPad Pro 11、iPhone XRでもeSIMサービスを契約。これ、機種変更のときはどうなるの?

 そこで、いくつか対策をすることにした。まず、世界データ定額については、せっかくiPad Pro 11がeSIM対応なので、前回も少し触れた「Ubigi」のeSIMサービスに申し込んだ。Ubigiの料金プランを見ると、アジア圏の料金プランがそれほど安くなく、どちらかと言えば、欧州の料金プランが安いので、バンコクなどでは利用を見送り、9月上旬にドイツ・ベルリンで開催されるIFA 2019取材時をデビュー戦にすることにした。

Ubigiのアプリから表示した料金プラン。アジアで7日間、1GB、15ドルはGlocalMeなどに比べ、ちょっと高め。逆に、欧州各地のプランは安い。フランスの通信事業者だから? iPadではアプリがなぜか横画面固定

 また、ポイントや2年契約の特典などについては、そもそもの原因がau IDの統合にあるので、これを分離するというか、分離と同じ状態にすることで対応する予定。これはネット上でノウハウを書かれている方がいて、今回の筆者のケースで言えば、iPad Pro 11の契約はそのままに維持しつつ、利用者として、自分以外の家族を登録することで、対応が可能になる。利用者登録をすれば、新たにau IDが作成され、そのau IDに対して、ポイントや2年契約の特典などが付与されるようになるわけだ。もちろん、世界データ定額の1回分の特典も使うことができるはず。契約的にはちょっと裏ワザになるのかもしれないけど、auサポートでも確認されている方法なので、au IDの分離を検討している人は試してみるといいかもしれない。

「海外データeSIM powered by GigSky」は「海外データeSIM」のアプリをダウンロードし、料金プランを購入するしくみ

 ところで、eSIMと言えば、今回の海外渡航ではauが提供するeSIMサービス「海外データeSIM powered by GigSky」も試すことができた。当初、このeSIMサービスもiPhone XS Maxで登録しようかと考えたんだけど、iPhone XS Maxは前回取り上げた「3香港」のローミングeSIMを登録済みで、いっしょに使うとは思えないので、別のiPhone XRに登録した。手続きの流れは「海外データeSIM」の「ご利用方法」のページで説明されているけど、他のeSIMサービスと違い、AppStoreから「海外データeSIM」のアプリをダウンロードし、アカウントを作成。

 支払い方法を設定後、データプランを購入し、eSIMの情報をiPhoneに書き込むという流れになる。料金プランとしては96の国と地域で30日間利用できる「グローバルデータプラン」のみが提供されており、5GBで5800円、8GBで8900円という2つのプランから選べる。いずれも30日のプランしかないため、短期旅行のユーザーにはあまり向いていないが、留学や出張などで数週間、渡航するユーザーには便利だ。

 1つの契約で多くの国と地域で利用できるのもメリットで、複数のエリアを周遊するようなユーザーにも適している。今回はマレーシア・クアラルンプールやタイ・バンコクで試したが、マレーシアがGigSkyと提携する事業者の関係上、3Gのみの接続だったが、タイではLTEで接続され、快適に使うことができた。今のところ、支払い方法はクレジットカードのみなので、今後、この契約の支払いもau WALLETポイントなどで支払えるように進化して欲しいところだ。

マレーシアで「海外データeSIM powered by GigSky」を有効にすると、アンテナピクトに「GigSky」と表示された。アンテナピクトの2行目はau回線のローミング接続で、現地のCELCOMという事業者に接続された