みんなのケータイ

PayPayで年末お買い物祭り?

【HUAWEI P20 Pro HW-01K】

PayPayに登録して、Surface Pro 6をビックカメラで購入。追加保証を付けたけど、その分も含めて、20%還元

 この数日間、筆者の周囲で騒がしいことと言えば、ソフトバンクとYahoo!の合弁会社がスタートさせた決済サービス「PayPay(ペイペイ)」。今年10月にサービスが発表されたときには「ソフトバンクもQRコード決済、やるのねぇ」くらいの受け取り方だったのに、11月22日に「100億円あげちゃうキャンペーン」が発表され、12月3日にビックカメラ全店がPayPayに対応することが伝えられると、周囲の人たちの目の色が一変。サービス開始日以来、盛大に「年末お買い物祭り」がくり広げられることになってしまった。

 PayPayのサービス内容とキャンペーンについては、それぞれの記事を参照していただきたいだけど、最大の魅力は何と言ってもキャンペーン期間中、支払い額の20%が還元されるということ。たとえば、5万円のスマートフォンを購入すれば、1万円がPayPayボーナス(PayPayの残高)に還元される。還元額は月に最大5万円という上限があるものの、とりあえずは何でも2割引で買える計算。年末商戦へ向けて、魅力的なスマートフォンやデバイスがいくつも発表されている中、こんなにおいしい話はない。

 しかもこのキャンペーンにはもうひとつオプションがあって、抽選で40回に1回の確率で、利用金額がPayPayボーナスとして全額還元されるのだ。全額還元の上限は最大10万円だけど、Yahoo!プレミアム会員なら確率が20回に1回、ソフトバンク及びY!mobileのユーザーでYahoo! JAPAN IDとの紐付けが完了していれば、確率が10回に1回と、全額還元のチャンスが拡大するしくみ。20%還元と合わせ、資金の100億円が尽きるか、2019年3月31日まで、キャンペーンは継続する予定。どこぞの省庁の何とか研究会の有識者が聞いたら、眼をつり上げてしまいそうな太っ腹ぶりなのだ(笑)。

 そんなこんなで、キャンペーン開始の12月4日からはSNSを見ていると、次々とビックカメラで高価な買い物をした報告が投稿されていた。同業のライター諸氏では、MacBook Air、iPad Pro、PCパーツなどが人気のようで、中には10万円近いお買い物で、いきなり全額還元を受けた人もいたようだ。あまりの勢いに、100億円がいつまで持つのかが心配という声も挙がったけど、サービス開始から数日、筆者はあいにくスケジュールがたて込んでいて、なかなかお店に立ち寄ることができず、SNSの画面を指をくわえて、見ているしかなかった。

 そして、数日後に閉店間際にビックカメラに飛び込み、マイクロソフトのSurface Pro 6を無事にゲット。全額返金はかなわなかったけど、20%の還元が受けられた。実際に還元されるのは1月に入ってからだけど、元々、Surface Pro 4を愛用していて、そろそろ買い換えようと思っていたので、いいタイミングで割安に購入できたことになる。ちなみに、マイクロソフトでは今年の12月31日まで「Surfaceキャッシュバックキャンペーン」を実施中で、筆者が購入したSurface Pro 6は1万8000円のキャッシュバックが受けられるため、その値引きも考えると、かなりおトクな買い物だったと言えそう。そう言えば、ビックカメラのポイントもちょっと貯まりましたね(笑)。

Surface Pro 6を購入した翌日、取材の帰りにコジマに立ち寄り、Surfaceペンを購入したら、はじめての全額還元。ちょっとうれしい

 その後、追加で新しいSurfaceペンを買うべく、ビックカメラグループのコジマに立ち寄ったところ、今度は全額還元をゲット。いやぁ、こうなってくると、次はMac miniを買い換えるか、SIMフリーのスマートフォンを買うか、はたまた4Kテレビでも買おうかと考えたけど、20%還元とは言え、支払いはあるわけで、ない袖は振れないので、大人しく『大きな買い物』からは撤退することにしました(泣)。

 そんな感じで、周囲でも一気にヒートアップした感のあるPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」。「こんな大盤振る舞いをして大丈夫?」という声もあるけど、実はこのキャンペーン、よく考えられている。

 まず、こうしたサービスは過去のおサイフケータイなどがスタートしたときと同じで、提供することよりもとにかく使ってもらうこと、つまり、決済を実体験してもらうことが重要。初期登録で500円のPayPayボーナスがもらえ、キャンペーン期間中は20%も還元されるとなれば、とりあえず、PayPayを登録して、「ファミマで、お弁当でも買ってみるか」って思うだろうし、スマートフォンやパソコンのように、購入を躊躇するレベルの高額商品も20%還元の後押しがあれば、「じゃあ、せっかくだから、PayPayでお安く」と考えてしまう。

 販売店としては新しい決済サービスが増えると、対応が面倒だけど、PayPayは当初、手数料を取らないそうだし、これだけ高額商品がバンバン売れるんだったら、その間だけでも使ってもらう価値がある。現に、筆者は自分が買おうと考えていたSurface Pro 6は、ビックカメラの店頭在庫をオンラインでチェックしていたら、サービス開始の初日と2日目で、ほとんどなくなってしまった。

家族のスマートフォンでもPayPayを登録して、地元の居酒屋で使ってみたら、まさかの全額還元。美味しいもつ鍋をごちそうさまでした

 そして、もうひとつ、頭がいいと感じさせられたのは、PayPayの「還元」というしくみ。ユーザーとしては20%還元や全額還元で戻ってくるのがうれしいけど、重要なのは戻ってくるのが現金ではなく、PayPayボーナスであるという点。つまり、ユーザーに戻ってきた金額は、いずれまたPayPayの決済で使われるため、PayPayとしてはキャンペーンに投じた100億円がくり返し使われ、資金がうまく循環するわけだ。そのため、「最初だけ使われて、おしまい」というような新規サービスにありがちな課題もクリアできる。

 そんなこんなで、100億円の資金が尽きるまで、しばらくPayPayの還元祭りが続きそうだが、せっかくなので、家族のスマートフォンにもPayPayをセットして、地元の居酒屋さんでPayPayの決済をしてみたら、こちらでも見事に全額還元を当ててしまった。うーん。もつ鍋に、もう一人前、もつを追加しておけば、良かったかも……。何はともあれ、ごちそうさまでした(笑)。