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ZenFone 5のラジオ機能はワイドFM対応、帯域切替の手間なし

【ZenFone 5(ZE620KL)】

 7月も下旬に突入し、関東では連日の猛暑が続いております。私と言えばワールドカップ、そしてツール・ド・フランスと、深夜スポーツ中継がここのところ続いており、寝不足気味です。この原稿が載る頃、果たしてマイヨ・ジョーヌは誰の手にあるやら。

 っと、いきなり話題がずれましたが、今回も引き続きZenFone 5の話題です。ある日、本体をいじっていると、実はFMラジオ機能が搭載されていることに気付きました。ただ、アプリ一覧にはそれらしき記載がなく、通知パネルのアプリショートカットからだけ呼び出せるようです。

ZenFone 5のFMラジオ機能は、通知パネルから呼び出せます
FMラジオ聴取画面。6局までのプリセットに加え、オートスキャン結果の一覧からも選局可能

 ZenFoneシリーズのFMラジオ対応は、公式サイトではあまり言及されていないものの、愛用者にとっては周知の事実のようですね。本誌の関口さんも過去の記事で取り上げています。聞き方も簡単で、アンテナ代わりとなるイヤホン(市販のものでOK)をオーディオ端子に差し込んで、あとは周波数を選択するだけ。本体スピーカーから音声を出力することもできます。

 そして、ここもう1つサプライズ。ZenFone 5では「ワイドFM(FM補完放送)」が手間なく聞けるんです。

 ワイドFMは「AMラジオ放送をFMラジオで聞くための仕組み」と考えれば分かりやすいでしょう。AMラジオは鉄筋造りの家屋の中であったり、エレベーターかそばにある施設では電波特性上聞きづらく、特にマンションにお住まいの方が聞きづらい状況です。また、木造家屋であっても、周辺の高層ビルの影響で電波が届きづらいケースもあります。

 その点においてFMラジオは、上記の問題が発生しにくい。また、音質もクリアです。最近ではこういった「難聴取対策」としての枠を超え、「音がいいからFMでぜひ聞いて」とAMラジオ局自らアピールする機会も増えているように感じます。

 もちろん、すべてのAMラジオ局の放送がワイドFM対応になっている訳ではありません。関東の例ですと、TBS・文化放送・ニッポン放送はAM・FMどちらでも聞けますが、ラジオ日本・AFNは未実施。NHKもかやの外です(AMのNHKラジオ第一とNHK-FMでは放送内容が根本的に異なる)。しかし、それでもなおワイドFMの高音質には抗えない──それほどの魅力をいちリスナーとして実感する日々です。

 ただ、ワイドFMの放送を聞くには周波数90.0~94.9MHzを受信できるチューナーが必要です。もともとのFM放送は76.1~89.9MHzの範囲で行われていたため、つまるところ76.1~94.9MHzを受信できるのがベスト。

 ZenFone 5では「帯域の選択」設定で「日本」を選ぶと、この周波数を選べるようになります。「デフォルト」ではダメなので、その点はご注意ください。

この設定が「デフォルト」ではダメ。必ず「日本」を選んでください
メイン画面で周波数表示をタップすると、数値入力でのチューニングも可。ここのカッコ書きこそワイドFM対応の証しです

 以前私が使っていたMoto G4 Plusでは、この周波数帯域設定が日本向けに最適化されておらず、「日本」設定だと75.5~90.0MHzの範囲でしかチューニングできませんでした。一応、日本以外の設定にするとワイドFMの周波数帯を聞けたのですが、そうすると今度は従来型FM放送が聞けなくなり、しかも設定を変えるたびに周波数プリセットがリセットされてしまう……それが難点でした。

 ZenFone 5では、この問題が完全に解消された格好となり、すこぶる快適になりました。「サプライズ」とまで表現したのは、こういった経緯があった訳です。

 「スマホがあるならラジコで聞けばいいじゃん」といった声も聞こえてきそうですが、私はやはり「情報入手経路の多様化」は重要だと考えます。例えば、災害時にもしネットが不通になってもFMラジオは大丈夫な可能性はあります(もちろん、その逆の可能性もありますが)。特別な機械を買うことなく、スマホとイヤホンさえあれば情報入手経路が丸々1個増えます。

 そして何より、ラジオには面白い番組が沢山あります。ZenFone 5に限らず、FMラジオ機能搭載のスマホをお持ちの方は、ぜひ一度聞いてみてください。関東圏の方ならTBSの「アフター6ジャンクション」(平日18時~)、J-WAVEの「SATURDAY NIGHT VIBES」(土曜23時~)あたり、どうざんしょ?