スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」
速いぞ「TransferJet」! でも終了のお知らせ
2019年2月27日 06:00
あ~TransferJet出てきた……捨てちゃお!
先日、古いハードウェア整理をしていたら、「TransferJet(トランスファージェット)」(公式ページ)の各種アダプターが出てきました。確か2015年に購入したもの。いや~最近のデジタルものって短命ですネ。3~4年前のガジェットの多くが時代遅れ。サポートも速攻で終了したりしますし。
さておき、出てきたTransferJetアダプター。TransferJetは、知る人ぞ知る高速な近接無線通信で、最大実効レートが375Mbps。3cm程度以下の距離で通信しますが、そういう短距離通信のためデータ漏洩の危険性が低かったりしつつ、周囲への電波的な影響を与えにくかったりするというメリットがあります。ほか、Wi-Fiなどのような煩雑な接続設定も不要なため、端末にアダプターをつないでアプリさえ入れれば、スマホどうしやパソコンどうし、あるいはスマホ・パソコン間で非常に手軽にファイル転送できます。
出てきたTransferJetアダプターを見てまず思ったのは「捨てちゃお!」ということ。Lightning対応アダプターの発売(確か2015年)を知り、期待して一気に全種類のアダプターを購入したんですが、その後は期待外れでした。
当時、TransferJetでのファイル転送をテストしてみたところ、確かに「超っ速!」でした。この速さならば! Macとデジカメ、MacとAndroid、MacとWindows PCの間でスゲく手軽な高速通信ができるじゃないか! 素晴らしい! とMacがメインマシンの筆者は思ったものでした。
しかし、肝心のMac用アプリケーションが無い。TransferJetで高速ファイル転送する場合、基本的にアダプター+専用アプリが必要。ですが、Mac用アプリだけ無かったんですね~。
でもそのうち出るだろうと、Mac用アプリの登場を待ち続けました。半年待っても出ない。1年待っても出ない。そうするうちにTransferJet自体もあまり話題にならなくなり……みたいな感じで、筆者もTransferJetを忘れ去りつつ、せっかく全種コンプリートした各種アダプターの死蔵に至りました。
まあ、Mac以外の端末で活用するってのもあるんですけどね。でもTransferJetでいちばんヤリたかったのが「各種端末・Mac間での超高速ファイル交換」なのでした。というわけで、新品同様で発掘されたTransferJet各種アダプターは捨てることに。
なんですとー! Macアプリあるんですかっ!
見てるとムカつくぜTransferJetアダプター! 結局Mac用アプリ出てこなかったじゃん! なんでいつもMacOSだけ蚊帳の外……でも、密かにMac用アプリ出てたりしたらナンだし、一応ググってみよう。
あっ! 出てた! TransferJetのMac用アプリ! 正確には「TransferJet ファイル転送」アプリ(公式ページ)です。どうも2017年に出たらしい。
なお、Android用、iOS用、Windows用の各種アプリ(公式ダウンロードページ)は既に揃っています。ので、これで主要OS用のTransferJetアプリが出揃ったことになります。
そっか! この死蔵TransferJetアダプターが復活したってことだ! よぉし、やった! 今さらだけど活用していくゼ!
試しにデジカメにSDカード型TransferJetアダプター入れて……これをMacに転送すると……うぉっ! 速っ! 1枚10MB近くあるデジカメ画像十数枚がバラララララッと転送されちゃう~♪ 転送の様子をスクリーンショットに取る時間すらないし!
筆者的には発売から4年後に開花したTransferJet。もっと早くMac用アプリのリリースを知っていれば発売から2年後ですけど、まあ当初の目論見通り使えるようになったわけだし、その速さは健在だし、あ~早まってTransferJetアダプター捨てなくてよかったぁ♪
と、安堵した次の瞬間でした。冷酷とも言える知らせを見つけたのは。
そうだったのです、TransferJetアダプターは2018年4月末日で店頭販売が終了になったのでした(公式リリース)。また、専用アプリも2018年4月末日で更新終了だそうです。あらまあ。なんと。
なお、TransferJetをベースとした次世代規格として、「TransferJet X(トランスファージェットエックス」が予定されているそうです。それに関するニュースは2017年にケータイ Watchで報じられました。速度10Gbpsオーバーだそうです。凄そう。
……あ、その凄そうな次世代規格が予定されている関係で、やや古い規格となったTransferJet関連がフェードアウトしていった感じなんですかね。ともあれ、次世代規格TransferJet X 対応のアダプターが出てきたりするのを期待したいと思います。
2020年くらいまで使えるのかもしれない
既に終わっていたのか、TransferJet。ガックリ。でも、TransferJet終了のお知らせが書いてある公式リリースには、こんなことも書かれています。
「2020年5月1日以降は、App Store、Google Playおよび弊社ウェブサイトからダウンロードができなくなります」
「2020年4月末日時点でお使いの端末を、そのままご使用いただければ、アプリ・ソフトウェアをご使用いただけます。ただし、配信終了後に、端末をバージョンアップされた場合、アプリを削除した場合、端末が故障した場合等はご使用いただけなくなります」
2020年の4月いっぱいまで、アプリはダウンロードできるヨ、と。また、それまでにアプリをインストールして使えていた端末なら、アプリを削除しなければそのまま使い続けられるヨ、ってことですね。
ただ、MacOS用アプリ(公式ページ)はE-Globaledge Corporationが配信しており、上記リリースは東芝デバイス&ストレージ株式会社のものです。なので、MacOS用アプリがどうなるのかは不明。
ともあれ、現在のところ、まだTransferJetは完全に消え去ったわけではありません。利用に必須のアプリは配信中ですし、じつは2018年4月末に店頭販売終了した各種アダプターも、まだ在庫が流通しているので購入可能です。また、TransferJetアダプターはサードパーティーからも発売されていて、それも流通していたりします。
現在でもまだTransferJetの速さは十二分に実用的ですので、興味のある方は今からTransferJetユーザーになるというのもアリかも。ただ、一部的に人気のあるハードウェアが消えて行くときは、転売関連のボッタクリ的な値上がりがあったりもしますので、そのあたりはご注意を。オークションなどで安いアダプターを探すという手もありますね。
最後に、TransferJetの使用感ですが、前述のとおりアダプターどうしを近接させる程度でファイルを転送できて手軽です。そしてアダプターを密着させるくらい近づければ、転送が超っ速! 「えっもう済んだの?」ってくらい速いです。
ただ、細かなことを言えば、TransferJetアダプターを「3cm以内に近接させづらいことがある」という使いにくさも。たとえばスマホとノートPCとでファイル転送する場合、スマホ側のアダプターをノートPC側のアダプターに近接させるわけですが、物理的に近接させにくいシチュエーションがあったりします。そういう場合、各種延長ケーブルを介してTransferJetアダプターを装着すると快適化します。
それから、SDカードタイプについては「デジカメによってはファイル転送できないことがある」ということ。デジカメに挿したSDカード型TransferJetアダプターからファイルを転送する場合、デジカメのカードスロットに外部のアダプターを近接させるわけですが、デジカメのカードスロット周辺の材質などによっては、通信速度が遅くなったり、通信に失敗したりすることがあります。この対処法はわかりません。
なお、SDカード型TransferJetアダプターからファイルを送り出す場合、デジカメ上にてDPOFでプリント指定を行ってから、アダプターどうしを近接させます。正しく通信できれば非常に速い画像転送が可能なんですが、DPOF設定画面を呼び出すのが一手間だったりしますネ。
てな感じの「発掘されたTransferJetアダプター」。せっかくなので、しばらく使ってみようと思います。