スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

ホンダ「N-VAN」でサイクリング!

自転車積みたぁ~い! N-VAN一択!

 ホンダの「N-VAN」(公式ページ)という軽自動車を買いまして。ホンダ「N-BOX+」(レビュー記事)からの乗り換えです。

こんなクルマ。4ナンバー(小型貨物車)の軽自動車で、どちらかと言えばモノの輸送向け。いくつかグレードがありますが「+STYLE FUN・ターボ Honda SENSING」を選びました。N-VANについての詳細は公式ページをご覧ください。

 なんでN-VANを買ったのかと言えば、筆者は今時の軽自動車がスゲく好きであり、かつ、クルマへの自転車積載欲が旺盛だからです。自転車をクルマに積みたいんですね。

 軽自動車はコンパクトなので狭い道に入っていきやすい。狭めの駐車場にも駐めやすい。今時の軽自動車は乗り心地もいいし装備もいい。車種によっては室内空間が大きく、自転車を余裕で詰めるスペースもあったりする。そういう条件をしっかり満たしてくれていたのが、前に乗っていたN-BOX+でした。

 そんなN-BOX+を、さらに「モノを積むのに好都合」に進化させたのがN-VAN、だと感じました。ていうかN-VAN発売時期に実車に触れ、自転車を載せてみたら……これは凄い! 自転車を積めと言わんばかりの使いやすさだ! などと感嘆した次第。その件は家電 Watchの記事にも書きました。

去年のN-VAN発売時、ディーラーに自転車を持ち込んで試しに積ませてもらったの図。N-VANは左側の助手席ドアと後部スライドドアがガバッと開くセンターピラー(支柱)レス構造で、荷物を積みやすいクルマなんです。
助手席を倒せば、後部とつながった状態のフルフラットになります。車体左側が大開口で、助手席~後部がフルフラットになりますので、自転車を左側からポンと載せられちゃう! 右写真は自転車を逆向きに載せて後部から見た様子。ロードバイクなら2台並べて載せられ、後部右側の座席に座ることもできます。
左写真はN-BOX+にクロスバイクタイプe-bikeのミヤタ「CRUISE」(公式ページ)を載せた様子。N-BOX+も後部がフルフラットになりますので、自転車用トランスポーターとしても好適です。右はN-VANにMTBタイプe-bikeのミヤタ「RIDGE-RUNNER」(公式ページ)を載せた様子。上下左右ともさらに余裕がありますので、車格のあるMTBでも余裕をもって積めます。もちろんタイヤを外さずに。試してはいませんが、助手席を倒さず、後部のフラット部分だけ使い、MTBが2台乗りそうな気がします。タイヤ外せば3台のMTBが載るかも?
RIDGE-RUNNERは筆者所有で、サイズは大きいほうの43cmです。ファットタイヤということもあり、けっこう車格がありますが、わりと余裕で積載可能。N-VANの場合、貨物積載のための各種オプションが豊富です。自転車積載に便利に使えるオプションも。

 とまあ既にN-VANを買って自転車載せているところまで触れていますが、こんなふうに使えるので「やっぱり自転車トランポするならN-VANがいちばんイイなぁ~」と考えて買い換えに至りました。筆者の場合、クルマに2名の人が乗れればOKで、運転席と助手席以外はフラット状態がナニカと便利と考えており、タイヤを装着したままの自転車×1台を手軽に後ろへ搭載できちゃうので、N-VANがサイコーに実用的。満足しつつ愉快に使用中♪

クルマに自転車積んでサイクリング?

 自転車が手軽に積めるからN-VANを買った……とか書くと何だかマニアックな感じがしてきます。自転車レースにでも参加するの? 遠くのショップに運び込んでカスタマイズ? みたいな。

 筆者の目的のひとつは、自転車をクルマに積み込み、目的地まで行ってサイクリングすることです。要はN-VANをサイクリング自転車用のトランスポーターとして使うというわけです。たとえば「高地の湖までクルマで行って湖の周囲にあるサイクリングコースだけを走って楽しむ」といったことができます。オイシイところだけ堪能するサイクリング。

 自転車だけで移動するとなると、湖まで行く道のりも自転車で走る必要があります。その道のりが快適ならいいですが、交通量が多い道だったり、景色がイマイチだったりすると、せっかくのサイクリングが楽しくありません。まあ、サイクリングではなくて「自転車走行の鍛錬」としてなら話が変わってきますが。

 目的地まで電車・バスで自転車を運ぶ「輪行」という手もあります。ただ、自転車を担いで交通機関を使うことになりますので、慣れないとなかなかタイヘン。

 クルマなら、100km離れたハイランドレイクまで自転車を積んで出掛けるのも容易ですし、300km離れた場所に行って車中泊して朝からサイクリングってのも現実的。サイクリング前後にクルマという個室でゆっくり休めるのも意外と快適なものです。筆者の場合、最近は峠道の麓までクルマで行って「ヒルクライムだけ楽しむ」というのにハマっています。

左から、時坂峠(とっさかとうげ)、苅場坂峠(かばさかとうげ・かりばさかとうげ)、正丸峠(正丸峠)です。どの峠も見晴らしがいい。RIDGE-RUNNER(レビュー記事)のようなe-bikeなら、ヒルクライム未経験者でも上れちゃいます。

 どの峠も、拙宅から自転車で自走して行ける距離にあるんですが、その道中が「自転車では走りたくない道」です。共通して「途中にトラックがたくさん通る道」があるんですね。なので、峠の付近まで自転車をトランスポートして峠の上り下りだけサイクリング。

 細かいコトを書きますと、拙宅の近くには上のような峠が多々。以前は「無理無理峠なんて無理~」って感じでしたが、e-bikeに乗り始めたら「e-bikeなら峠も楽しいサイクリングコースになる」ということがわかり、体格に反してヒルクライムなんかを楽しんでいる最近です。

 また、N-VANへの自転車積み降ろしは(タイヤを外す必要がないので)数分で終わりますし、拙宅から目的地付近への移動も数十分。「サイクリングしよう!」と思い立ってから1時間もあれば、峠の入口にてこれからのヒルクライムを思いドキドキしつつ準備体操を始められるというわけです。

 ほか、目的地までクルマで自転車を運んでのサイクリングは、全部自走するサイクリングにつきまとう悩みの多くが解消されます。目的地周辺のオイシイところだけ走るサイクリングが手軽にできるのはもちろん、必要そうなモノは全部クルマに積み込めちゃいますし、予備ホイール持参なんてコトも可能ですし、「気が変わるかもしれないからロードバイクのほかにMTBも持っていこう」などという大胆不敵なこともできます。

 あれ? トランポの話? いつの間にか話が逸れていました。閑話休題。

N-VANは先進機能テンコ盛りで快適!

 N-VANに試乗した当初、「自転車をより手軽に積めるってだけでN-BOX+から買い換えるのはどうかな……」的に思っていました。ですが、荷物積み込み云々以外の機能性が、N-VAN購入を強く後押ししました。それは「Honda SENSING(ホンダセンシング)」(公式ページ)です。

 Honda SENSING はホンダの安全運転支援システムで、主に10の機能があります。具体的には、衝突軽減ブレーキ機能だったり、誤発進抑制機能だったり、路外逸脱抑制機能だったり。危険を察知して未然に事故を抑制する方向で「ドライバーの運転操作にクルマが介入して安全運転を支援する」というシステム。

 N-VANには、この先進機能がほぼ全部盛り込まれています。軽自動車なのに Honda SENSING 全部入り! けっこう大きなトピックだと思います。

 ともあれ、筆者が「Honda SENSING のこの機能は非常にイイ」と感じているのは、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)とLKAS(車線維持支援システム)です。ACCは「前のクルマと車間距離を保ちつつ追従して走る」「前のクルマがいない場合には設定した速度で走る」というオートクルーズ機能。時速30km/h以上で機能します。

 LKASは車線からのはみ出しを防止する機能。車線に沿って進むよう、緩やかなハンドル自動操作が介入します。LKASは車速約65~100km/hで機能します。

ACCやLKASはドライバーが自ら「機能をオン」にして使います。ハンドル右側のスイッチ類でACCやLKASのオンオフ、速度設定、車間距離設定を行い、設定値や機能動作状態はメーターパネルの右側に表示されます。

 ACCですが、高速道路走行中などに一定速度で走り続けるクルマを補足させて使うと、もう全然アクセル操作しなくて済むので超ラク! サイクリングで疲れた脚でアクセル操作するとスネの筋肉が痙りそうになったりする筆者ですが、ACCなら右脚をフロアにベタ着きにできるので脚がリラックス~♪

 それからLKASですが、車線に沿って走るように「クルマがある程度ハンドルを切ってくれる」ので、これまた高速道路などの長距離走行がラク。ACCとLKASは同時に使えて個別に機能しますが、両方をオンにしておくと高速道路走行が物凄くラクになります。

 ……というか、正直なところを書いてしまいますと、ACCとLKASを併用すると「前のクルマについて走りつつ、車線に合わせてハンドルも切ってくれる」というわけで、ぶっちゃけ「半自動運転」という感覚。ドライバーはハンドルに手を添えているだけで、クルマが進んでいきます。

 また、スピードコントロールやハンドル操作も「けっこう積極的」です。首都高速道路など、カーブが多くて前車の速度変化も大きめな道路ですと「わ~N-VANが勝手に運転している~!」みたいな気分に。自動運転の時代も間もなくなんだな~と感じます。

 こういう半自動運転機能が軽自動車に装備されてるなんて! すごいぜ~N-VAN~! N-VANだぁ~い好きっ! ←って、もうそのCMやってなくね?

乗り心地や燃費など

 N-VANは筆者のメインカー。使用頻度が高いクルマです。で、まず乗り心地ですが、軽貨物車としてはかなり快適だと思います。また、コーナリングもキビキビしていて、安定感もあります。選んだのは4WDのターボ車で、ホンダ車特有の低重心設計のおかげで、その気になればソコソコ速く走れます。

 ただ、印象としては前に乗っていたN-BOX+(これも4WD・ターボでした)よりも燃費が悪くなりがちなのと、静音性はあまり高くないことで、ガンガン走る気にはなりません。着座位置がちょっと高い気もして、ロールの動きもより大きく感じられる? というのもあり、自然とゆっくり安全運転になるクルマという感じ。

 あと、N-BOX+と比べると、視界は広くてイイ感じですが、運転席も助手席も狭め。筆者の場合、左膝がシフトレバー下部の出っ張りに当たり気味。慎重180cmの人が助手席に乗るとシートを後ろにずらしたくなるようですが、助手席シートは前後スライド不可なのもちょっと残念です。

 ほかにも「ココはN-BOX+のほうが快適だった」というポイントは多々あります。N-VANはシートが硬いとか、後部座席に長時間座るのがキツいとか、けっこう力を入れてドアを閉めないと半ドアになりがちとか、燃料タンク容量少な目とか、いろいろと。

 N-VANと現行のN-BOXを比べても同様の差があるように感じます。N-VANには最高に便利な積載性能がありますが、乗用車としての快適性は少々物足りなさがあることも確か。快適さ重視なら、筆者は現行N-BOXをオススメします。

 道具として使うならN-VANのほうが実用的で楽しいですね。前述の自転車積載なんかもそうですが、細々したユーティリティ性とツール性が至る所にあります。目的に応じて活用できるオプションも多々。筆者が気に入っているのは、後部の左右ウィンドウ周辺にあるM6サイズのネジ穴と、フロアのあるフックです。

最後部の左右ウィンドウ周囲には、合計28個のネジ穴があります。キャップを外すと穴が現れ、M6サイズのネジが適合。市販のM6サイズネジの金具を使えば、アイデア次第でいろいろな使い道があります。
フロアのフック(フックを掛けることができる金具)は、助手席周辺に4個、後部に4個あります。タイダウンベルトを使った自転車の固定にも便利。上記M6サイズのネジ穴に取り付けた金具などと併用すれば、より効率良く荷物を積むことができます。

 最後に燃費ですが、スマホアプリでホンダ車の細々した履歴がわかったりする「Honda Total Care」(レビュー記事)によると、以下のとおりです。ただ、暖かくなるにつれて燃費が上がったりしつつ、サイクリング用のトランスポーターとして使うとゆっくり(←山道が多いので)走ることが多いこともあり、先日は初めて「19km/L」の表示を見ました。でもまあ、街乗りで13~14km/L、長距離の一定ペース移動で17km/L前後というのが現在の印象です。

2月の燃費。2月は2日に1回くらい走った程度で、距離もそーんなに乗っていません。
3月の燃費記録はまだ途中ですが、気温が上がってきたからか、街乗りが少ないからか、燃費がアップしています。

 てな感じのN-VAN。使いやすくてイイです! いろいろ活用できるフラット荷室の軽自動車なので、興味のある方はぜひ実車に触れてみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。