ケータイ用語の基礎知識

第603回:ドコモ電話帳 とは

 「ドコモ電話帳」は、NTTドコモのスマートフォン、タブレット向けに提供されている、クラウドを使った電話帳サービスです。クラウドにアドレス帳のデータが保存され、端末と同期する形となり、機種変更や紛失などの際、これまでのようなデータの移動が不要になります。

 対応機種は、2012年冬モデル以降のスマートフォン・タブレットで、spモード(月額315円)を契約した対応端末で利用できます。「ドコモ電話帳」自体は無料です。

 登録できる情報としては、マイプロフィールを1件、それにグループ最大200件、連絡先は最大で3000件まで登録可能です。

クラウドの特徴を生かした電話帳サービス

 ドコモ電話帳の特徴は、クラウドサービスであることを活かした、その機能にあります。「ドコモ電話帳」アプリから利用すると、自分の端末に登録している連絡先・グループ・マイプロフィールなどの電話帳データがクラウドサーバー上に反映されます。

 端末で電話帳データを編集・追加・削除した場合も同期が行われ、即時、クラウドサーバーに反映されます。こうした電話帳データに対して、パソコンやタブレットからアクセスして閲覧、編集できるサービスも提供される予定です。

 クラウドならではの部分として、「電話帳データの移行」の手順を見てみましょう。クラウド対応機種同士であれば、機種変更時の電話帳データ移行は簡単です。

 手順としては、

  • 使っていた古い機種で、まずクラウドと電話帳を同期します。
  • SIMカードを新しい端末に挿入します。
  • 新しい端末で、クラウドを電話帳を同期します。

と、これだけでデータ移行が完了します。

 ちなみに圏外でクラウドに接続できない状態で電話帳を編集した場合も、圏内に入ってから手動で同期するか、25時間に1回行われる定期同期で反映させることもできます。

 ドコモ電話帳の他の機能としては、「電話帳変更お知らせ機能」などもあります。これは自分だけではなく、友人も「ドコモ電話帳」のクラウド機能を利用していれば、メールアドレスなどを変更したときに、その変更内容を友人などへ知らせられるというものです。名前、メールアドレス、電話番号などのマイプロフィールを電話帳に登録している友達に一斉に通知できます。

 通知を受け取った側では、届いたプロフィール情報のうち、自分の電話帳に登録していない情報には「NEW」マークが表示されます。そこでこれらにチェックを入れて「修正」ボタンを押すだけで、簡単に電話帳に新しい情報を簡単に取り込むことができるのです。

 このほか「マイSNS機能」という機能もあります。これは、電話帳のマイプロフィールに自分が利用しているSNS・ブログサービスの認証情報(ID・パスワードなど)を登録することで、つぶやき・日記・チェックインなどの閲覧・投稿が行える機能です。Facebookやmixi、twitterといったSNSに投稿された書き込みを、タイムライン上でまとめて見て、また、返信などもできます。複数のSNSへの同時投稿も可能です。

 これまでの電話帳と比べ、クラウドとの同期によってデータ移行が手軽になり、さらに「電話帳変更お知らせ機能」「マイSNS機能」など新機能が利用できることは、「ドコモ電話帳」のメリットと言えます。さらにスマートフォン以外の機器でも利用できる、マルチデバイス環境が用意されれば、これまでの電話帳とは大きく異なるポイントになるでしょう。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)