ケータイ用語の基礎知識

第1001回:iPhone 8もサポート外――安く機種変したいときに検討したいキャリアの「認定中古品」とは

ついにiPhone 8・Plus/Xが足切りに……さて、次の機種をどうやって安く買おう

 2023年6月、WWDC22で、iPhone向け次世代OS「iOS 17」の発表があり、iPhone8/Plus・iPhone Xの3モデルがサポートから外れることが決まりました。

 いずれはアプリがアップデートされてもインストールできなくなるでしょう。しかし、特にiPhone 8・Plusは人気機種だったので、結構、落胆された方が多かったのでは……。

iPhone 8/8 Plus。2017年の登場から丸6年が経過しようとしている

 最低でもiPhone XS/XR以降、iPhone SE(第2/3世代)に乗り換える必要がでてきてしまったわけですが、しかし、iPhoneをはじめスマートフォンはどんどん値上がりしていく一方です。新しいのに買い替えたいけど、どうやって高くつかないように思案している方も多いのではないでしょうか。

 そのひとつの手が、まっさらの新品をあきらめ、再整備品や中古品にする、という手です。とくに、キャリアの認定中古品は、値段が安い割には補償が付けやすいなどのメリットがあり、お得な手段と言えます。

キャリアの「認定中古品」は普通の中古と何が違う?

 楽天モバイルを除く大手通信事業者は「認定中古品(認定リユース品)」の販売を行っています。中古(リユース)品、つまり一度ほかのユーザーによって使用された品物ですが、各社が買い取り、その品質を保証し中古品として再び販売しているというわけです。

 ちなみに、それぞれの通信サービスと認定中古販売サービスは以下のようになっています。

キャリア提供名称
NTTドコモdocomo Certified
au/UQ mobileau Certified
ソフトバンク/ワイモバイルSoftBank Certified

 “Certified”は「認定済み」という意味です。気になるのは品質ですよね。特に中古ともなるとバッテリーがちゃんともつのかどうかが心配ではないでしょうか。

 しかし、キャリアの認定中古品ならそんなに心配はないでしょう。各事業者とも、iPhoneでは「電池残容量80%以上」などの基準が検査項目にあり「まだ使える」端末を選別していることから、安心して購入できるといえるでしょう。ちなみに、NTTドコモなどでは「外装もクリーニング済み」であることをうたっています。

 また、キャリアで購入する大きなメリットとしては、以下のようなことも挙げられます。

  • のりかえ(MNP)または新規回線契約と同時に購入すると割引が受けられることがある(キャリアと機種によるが2万2000円ということもある)
  • ケータイ補償サービスの対象になる(ソフトバンク・ワイモバイル除く)
  • 分割払いでの購入が可能

 基本的には、本体が中古だというだけで、新品の契約と変わらないような感覚なのですね。ただし「購入サポートプログラム」には加入できません。

どのスマートフォンを買うか?

 iPhone 8からだと、サイズや使い勝手が変わらないiPhone SE(第3世代)は、在庫があればおすすめでしょう。チップセットにiPhone 13と同じ「A15 Bionic」を搭載し5Gにも対応していますから、当分性能には困らないでしょうしね。ただし、現行モデルの場合は在庫が潤沢とはいえません。

iPhone SE(第3世代)。伝統のデザインをほぼ踏襲しながらスペックも高い

 ちなみにiPhone SEの場合、第3世代ではなく第2世代ですと在庫も豊富で値段も相当お安いのですが、次にサポートを打ち切られる可能性も考えておいたほうがいいかもしれません。

 あるいは、ちょっとステップアップしてiPhone 12 miniという手もあるのではないかなと思います。12以降miniシリーズは、筆者は個人的には好きなサイズなのですが、どういうわけかあまり人気がなく、6月28日現在は在庫はないのですがドコモでは64GB 5万5000円とお手頃なお値段なのも魅力です。

認定済み中古品を買うときにドコに注意する?

 認定中古品を購入するときの注意点もいくつかあります。

 まず、回線の契約が必要なこと(ソフトバンク/ワイモバイルを除く)。また、ほしい機種がいつもあるとは限らないというのもデメリットと言えるかもしれません。

 ちなみに、端末のコンディションなのですが、ドコモの場合「ランクA+」「ランクA」「ランクB」。auの場合「au Certified Premium」「au Certified」と細かい傷が付いているかどうかなどでランク付けされており、微妙に値段も異なります。この細かい傷を許容できるかどうかも、人によっては注意点かも知れませんね。

 また、たとえば、iPhoneについては、どの中古品も、新品では付属するACアダプターや充電ケーブル、イヤホンなどは付属しませんので、この点も注意が必要でしょう。

 なお、認定中古品の場合、各事業者とも、交換補償が付いており、交換期間はドコモ・au・UQ・ソフトバンクで30日間、ワイモバイルで8日間となっています。

 そろそろiPhoneを買い替えたいけどなるべく安く済ませたい、という方はぜひ中古商品も検討してみてください。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)