山根康宏の「言っチャイナよ」

史上最強カメラフォンや本革仕上げのラグジュアリー5G端末が登場

世界最大のスマートフォン市場であり、世界最大の5G加入者数を誇る中国。本連載「言っチャイナよ」は香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が中国で毎月発表される5Gスマートフォンを紹介する。

 今回は2022年3月に発表されたモデルをまとめた。先月に続きゲーミングスマートフォンがシャオミ(Redmi K50シリーズ)、Black Shark(Black Shark 5シリーズ)と登場し、ハイスペックモデルが次々と市場に投入された。

 Honorは現行の全スマートフォンの中でNo.1カメラ性能を誇る「HONOR Magic4 Ultimate」を発表。高級端末を手掛けるKretaは、トニーノ・ランボルギーニ(Torino Lamborghini)とコラボしたラグジュアリーモデルを発売した。

1199元の格安5Gスマホ、シャオミ「Redmi Note 11E」

 デュアルカメラとDimensity 700搭載で価格を1190元と格安に抑えた5Gスマートフォンが「Redmi Note 11E」である。5GのNSA対応バンドも少なくしコストを下げた。

 Redmi Note 11シリーズはグローバルでも複数製品が投入されているが、このモデルは共通点はない。中国以外では「Redmi 10 5G」または「Poco M4 5G」として発売されている。

項目内容
発表日2022年3月1日
価格1199元(約2万4000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.58インチ2408x1080ピクセル、90Hz
リアカメラ画素数5000万+200万深度測定
インカメラ画素数500万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成4GB+128GB、6GB+128GB
バッテリー5000mAh、18W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n78、NSA : n41 / n78
サイズ163.99x76.09x8.9mm、200g

1億800万画素カメラを搭載しつつ価格を抑えたシャオミ「Redmi Note 11E Pro」

 Redmi Noteシリーズの中国国内最上位モデルとなる「Redmi Note 11E Pro」。

 1億800万画素カメラを搭載し、ディスプレイのリフレッシュレートは120Hz、バッテリーは67Wの高速充電に対応したハイエンドモデルだ。それでいて価格は2000元を切る。グローバルでは「Redmi Note 11 Pro 5G」として発売されている製品と同等品である。

項目内容
発表日2022年3月1日
価格1699元(約3万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 695 5G
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数1億800万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー5000mAh、67W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n78
サイズ164.19x76.1x8.12mm、202g

美ボディーに高速ディスプレイを搭載した「realme V25」

 realmeの低価格ライン「Vシリーズ」の中で上位モデルとなる「realme V25」。120Hzのディスプレイリフレッシュレートにメモリ構成は12GB+256GBの1モデルのみで、ゲーム利用も意識している。仮想メモリ拡張により最大19GBまでストレージの一部をメモリとして増やすことが可能だ。本体背面は光の当たり具合で色が変化する特殊加工を施し美しいボディーとしている。

項目内容
発表日2022年3月3日
価格1999元(約3万9000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 695 5G
ディスプレイ6.6インチ2412x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数6400万+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB
バッテリー5000mAh、33W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ164.3x75.6x8.5mm、195g

スリムボディーの低価格機、vivo「Y33s 5G」

 vivo「Y33s 5G」本体厚みを8.25mmと薄型化させたスリムデザインが特徴。背面はサンドブラスト加工系の仕上げ。カメラは1300万画素とスペックを下げ価格も1000元台とした。

項目内容
発表日2022年3月14日
価格1399元(約2万7000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.51インチ1600x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+200万マクロ
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成4GB+128GB、6GB+128GB、8GB+128GB
バッテリー5000mAh、18W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ164x75.84x8.25mm、185g

業界最強のカメラを搭載した「HONOR Magic4 Ultimate」登場

 5000万画素カメラ2つと6400万画素カメラ2つを搭載する贅沢な仕様のHonorの「HONOR Magic4 Ultimate(至臻版)」は、前月発売のMagic4シリーズの最上位モデルである。カメラのベンチマーク指標の1つ「DXOMark」で、登場とともに1位となった。有線100W、無線50Wの高速充電にも対応。本体はスポーティーな仕上げの背面デザインとなっている。

項目内容
発表日2022年3月17日
価格7999元(約15万7000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 1
ディスプレイ6.81インチ2848x1312ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+5000万スペクトル+6400万超広角+6400万3.5倍望遠(ペリスコープ)+ToF
インカメラ画素数1200万+ToF(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+512GB
バッテリー4600mAh、100W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンド不明
サイズ163.6x74.7x9.0mm、242g

価格を抑えたゲーミングモデル、シャオミ「Redmi K40S」

 シャオミのRedmiシリーズのゲーミングモデル「Kシリーズ」の2022年モデルとして「Redmi K40S」が発表された。2021年モデル「Redmi K40」の後継モデルで、基本スペックはほぼ同等、カメラ周りのデザインを変えた。高速充電は33Wから67Wに強化されている。

項目内容
発表日2022年3月17日
価格1799元(約3万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 870
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数4800万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数】000万(パンチホール)
RAM/ROM構成6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー4500mAh、67W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A(TX:703-733MHz、RX:758-788MHz) / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
サイズ163.2x75.95x7.7mm、195g

メディアテック高速チップ搭載のゲーミングフォン、シャオミ「Redmi K50」

 「Redmi K40S」のチップセットを高速化しディスプレイ解像度も引き上げたモデルが「Redmi K50」である。7層カーボンによる冷却面積は3950mm2を確保し本体の過熱を防ぐ。ディスプレイ表面はGorilla Glass Victusで覆い強度も高めた。

項目内容
発表日2022年3月17日
価格2399元(約4万7000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 8100
ディスプレイ6.67インチ3200x1440ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数4800万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数2000万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー5500mAh、67W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A(UL:703-733MHz、DL:758-788MHz) / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
サイズ163.1x76.15x8.48mm、201g

高性能カメラとハイスペックCPU搭載のシャオミ「Redmi K50 Pro」

 「Redmi K50」のチップセットをメディアテックの最上位モデル「Dimensity 9000」とし、1億800万画素を搭載したモデルが「K50 Pro」。パフォーマンス引き上げと共にストレージ512GBモデルも追加。高速充電は120Wに引き上げられ、満充電に要する時間はわずか17分を実現した。ただしバッテリー容量はK50より500mAh縮小している。

項目内容
発表日2022年3月17日
価格2999元(約5万9000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 9000
ディスプレイ6.67インチ3200x1440ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数10800万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数2000万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー5000mAh、120W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A(UL:703-733MHz、DL:758-788MHz) / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
サイズ163.1x76.15x8.48mm、201g

@Torino Lamborghiniコラボのラグジュアリースマホ、Kreta「TRACK 5」

 本革張りの高級スマートフォンを手掛けるKretaから、Torino Lamborghiniとコラボレーションした「TRACK 5」が発売。カーフスキンで本体を包み、背面には18金メッキのTorino Lamborghiniエンブレムを張り付けている。なお背面はワニ革などの素材もあり8種類のバリエーションがあり、ワニ革モデルは3000元(約4万8000円)高い。チップセットはSnapdragon 8系とのことだが詳細は非公開。本体保証として1年間1回の無料革張り替えサービスも付属する。

項目内容
発表日2022年3月18日
価格9999元(約19万6000円)から
チップセット不明(Qualcomm Snapdragon)
ディスプレイ6.81インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数】不明(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB
バッテリー5000mAh、30W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ170.28x78.6x9.8mm、260g

世界初の150W高速充電に対応する「realme GT Neo3」

 独自開発の150W UltraDart Chargeにより、150W充電を可能にした「realme GT Neo3」は内蔵バッテリーをわずか5分で50%充電することができる。なお別途標準モデルも登場するが、80Wとこちらも他社製品と比べれば十分高速だ。本体背面は高速をアピールするダブルトラックデザインとなっている。

項目内容
発表日2022年3月22日
価格80W版 1999元(約3万9000円)から、150W版 2699元(約5万3000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 8100
ディスプレイ6.7インチ2412x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成80W版 : 6GB+128GB、8GB+128GB、12GB+256GB。150W版 : 8GB+256GB、12GB+256GB、
バッテリー80W版 : 5000mAh、80W充電(有線)。150W版 : 4500mAh、150W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28a(SAのみ) / n40 / n41(2496-2690MHz) / n77(NSAのみ) / n78
サイズ163.3x75.6x8.2mm 、188g

キャリア独自モデルの新バージョン、U-MAGIC Youchangxiang 50 Plus

 中国聯通(China Unicom)独自ブランド「U-MAGIC」シリーズ最新5Gスマートフォンが「U-MAGIC Youchangxiang 50 Plus(優暢享50 Plus)」である。120Hz駆動ディスプレイや6400万画素カメラを搭載したミドルハイレンジモデルで、チップセットは非公開だがSnapdragon 675と想定される。高速充電も66Wに対応した実力派モデルである。

項目内容
発表日2022年3月28日
価格2299元(約4万5000円)から
チップセット不明(Qualcomm Snapdragon)
ディスプレイ6.67インチ2376x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数6400万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4300mAh、66W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ161.85x74.7x8.58mm 、190g

半年前の高性能モデルを1000元値下げした「Black Shark 5 RS」

 ゲーミングフォンを手掛けるシャオミ傘下のBlack Shark、2022年上半期モデルとして3月に3モデルを発表した。「Black Shark 5 RS」は2021年10月発売の「Black Shark 4S Pro」のリブランドモデルで基本性能は同等。チップセットにSnapdragon 888を搭載する下位モデルも加えられた。144Hz駆動ディスプレイ、120W高速充電、ゲーム用物理ABボタンなど前モデルの特徴をすべて引き継いでいる。前モデルと同じメモリ構成(12+256GB)の価格を比べると、Black Shark 5 RSは3799元で、Black Shark 4S Proの4799元より1000元(約2万円)値下げされた。

項目内容
発表日2022年3月31日
価格3299元(約6万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888 / 888+
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル、144Hz
リアカメラ画素数6400万+800万超広角+500万マクロ
インカメラ画素数2000万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー5000mAh、120W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n41 / n77 / n78
サイズ163.69x76.21x9.9mm、220g

ゲーミングスマホのラインナップを下に広げた「Black Shark 5」

 チップセットにSnapdragon 870を採用することでゲーミングスマートフォンながら3000元を切る価格とした「低価格ゲームフォン」。ディスプレイは144Hz駆動で本体は新たにサンドイッチ構造の冷却システムを採用。バッテリーは120W充電対応で1200回の充電が可能という。

項目内容
発表日2022年3月31日
価格2799元(約5万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 870
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル、144Hz
リアカメラ画素数6400万+1300万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、12GB+128GB、12GB+256GB
バッテリー4650mAh、120W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n41 / n77 / n78
サイズ163.83x76.25x10.0mm、218g

最高のゲーム体験を提供するハイエンドモデル「Black Shark 5 Pro」

 Snapdragon 8 Gen 1に加え1億800万画素カメラを搭載し、ゲーム以外の用途でも高性能なスマートフォンに仕上げられたモデルが「Black Shark 5 Pro」である。独自の逆重力双方向VC液冷却システムに、総面積5320mm2の冷却版を加え従来比50%増の冷却を可能とした。スペックや冷却性能を高めながら、本体のサイズはBlack Shark 5より小型化されている。

項目内容
発表日2022年3月31日
価格4199元(約8万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 1
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル、144Hz
リアカメラ画素数1億800万+1300万超広角+500万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー4650mAh、120W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n41 / n77 / n78
サイズ163.86x75.53x9.5mm、220g
山根康宏

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