≪新刊立ち読み≫

『できるfit ずっと使えるiPhone 16&15 Plus/Pro/Pro Max対応』発売記念リレーコラム第2回

 9月20日にアップルから発売されたiPhone 16シリーズ。新たに搭載された「カメラコントロール」や生成AI「Apple Intelligence」への対応など、大きな注目を集めています。

 そんなiPhone 16シリーズの基本から活用までを余すことなく解説した書籍『できるfit ずっと使えるiPhone 16&15 Plus/Pro/Pro Max対応』が発売されました。第2回となる今回は著者の一人である石川 温氏に、イチ推しポイントを語っていただきました。

実は万人にオススメできる! デュアルSIM活用のススメ

 個人的にiPhoneで手放せない機能が「デュアルSIM」です。

 デュアルSIMとは文字通り「2つのSIM」をiPhoneに入れておくことができ、同時に利用も可能となっています。「ひとつのiPhoneで2回線も入れてどうするの?」と思いがちですが、コレが案外、便利だったりします。

 もう5年以上、デュアルSIM運用していますが、最も便利だと感じたのが、2022年夏に発生したKDDIの大規模通信障害のときでした。仕事柄、そうした通信関連の事件が起きると、テレビ局などから問い合わせの電話が来るのですが、自分の名刺にはau回線の電話番号が記載されているため、受けられません。なんとかメールなどで連絡してきた人に対しては、デュアルSIMとして刺さっていたソフトバンク回線から返事をしました。

 また、auのデータ通信も安定しないなか、ソフトバンク回線であれば全く問題ありません。デュアルSIM運用であったため、一方のキャリアの回線がダウンしてももう片方でなんとか対処できてしまうのです。

 KDDIの大規模通信障害以降、各キャリアで副回線サービスが標準オプションとして用意されるようになりました。また、KDDIでは「povo」のように基本料金のいらないサービスも登場してきています。いざというときに備えて、通常とは別のキャリアの副回線を契約し、デュアルSIM運用しておくといいでしょう。

デュアルSIM運用時、モバイルデータ通信をどちらで行うか選択ができる

 また「他キャリアに移行を検討している」と言うときもデュアルSIMは便利です。これまで使っているキャリアのSIMカードを入れつつ、移行先としている検討しているキャリアやMVNOの安価なサービスを契約。デュアルSIMで運用し、データ通信は移行先でお試し的に使うと便利です。

 キャリアのネットワークは「生き物」なので、どこで安定的につながり、どこでつながりにくいか、実際に使ってみないとわかりません。

 まずはデュアルSIMでデータ通信のみ移行検討先のキャリアやMVNOで行い、数週間、安定的に使えるようであれば、既存の契約をMNPのポートアウトしてしまい、移行先にポートインすれば良いでしょう。お試し的に使った契約は解約してしまえばいいでしょう。

 ここ最近、契約年数に縛られることもなければ、解除料を取られることもほとんどありません。まずはデュアルSIMで、お試し的に使うことで、本格的に移行した際に後悔することがないのでとても安心です。

待ち受け画面にもキャリア名が2つ表示される

 さらにデュアルSIMが便利だと感じるのが海外渡航時です。
アメリカに行く際には「au+ソフトバンク」、その他の国や地域に行く際には「au+ahamo」という運用を行っています。

 アップルやグーグルなどの取材が多いアメリカの場合、ソフトバンクが「アメリカ放題」というサービスを提供しており、データ通信だけでなく音声通話も無料です。このため、au宛にかかってくる電話はすべてソフトバンク回線に転送しています。

 海外では電話を着信する際にも1分で150円近い「着信料」が発生します。アメリカ放題に転送することで、この海外における着信料を回避できるので、とても経済的なのです。

 一方、ドイツやスペイン、中国などに渡航する際は「au+ahamo」という運用です。ahamoは月額2970円でデータ量が30GB使えるプランですが、この30GBは海外でもそのまま使えます。そのため、アメリカ以外の国や地域では、この30GBを使えるahamoがとても重宝しています。音声の着信料は発生しますが、こればかりは諦めるしかありません。

 ただ、こうした使い方は仕事柄、国内で3つのMNOを契約しているような人しか使えません(自分は楽天モバイルも契約していますが、楽天モバイルのSIMはXiaomi 14 Ultraに入れて海外ローミングで利用中)。

 メイン回線のSIMカードを入れつつ、現地での通信が安いeSIMを契約してデュアルSIM運用するといいのですが、最近はMNOが提供する国際ローミングサービスも安価で手軽に使えるようになってきました。

 安いeSIMサービスを探してデュアルSIMで運用するのも楽しいのですが、「そんなの面倒くさい」というのであれば、MNOの国際ローミングサービスを使うのが手っ取り早くてオススメだと思っています。

書誌情報
できるfit ずっと使えるiPhone 16&15 Plus/Pro/Pro Max対応
価格:1298円
発売日:2024年11月5日
ページ数:288ページ
サイズ:A5判
著者:法林岳之・石川 温・白根雅彦&できるシリーズ編集部
内容
第1章
iPhone 16&15シリーズがすぐ使える基本ワザ
第2章
iPhoneに欠かせない! 超基本の設定ワザ
第3章
知っておきたい! iPhone 16&15の最新ワザ
第4章
電話&メールで役立つ便利ワザ
第5章
インターネットを自在に使う快適ワザ
第6章
アプリをもっと使いこなす便利ワザ
第7章
写真と動画が楽しくなる快適ワザ
第8章
快適に使えるようになる設定ワザ
第9章
疑問やトラブルに効く解決ワザ