いかにもPDAという趣だった初代W-ZERO3。新モデルのW-ZERO3[es]は、ガラッと見た目が変わり、ちょっと大きめのストレート型端末のような形状になった。イヤホンマイクやBluetoothヘッドセットもそうなのだが、使えば便利だと分かっていても、人目が気になってどうも街中で使う気になれない……、というのが一般的な日本人の心理なのかもしれない。正直、初代モデルで音声通話するには、それなりに勇気がいる。その点、W-ZERO3[es]は違和感が少ない。
また、ケータイでメールを読み書きするというスタイルに慣れたユーザーにとっては、テンキーの存在も大きい。文字入力の際のキーレスポンスに若干不満を感じなくもないが、例えば、電車通勤でつり革に捕まってメールを打つというように、片手操作に対応することで利用シーンが拡大したことが嬉しいのだ。個人的には、フルキーボードを省略して、もっとサイズを小さくしても良かったんじゃないかとも思ってしまう。
ただ、外見がケータイ風になったとはいえ、ユーザーインターフェイスはあくまでもWindows Mobile、いわゆるPDAだ。カーソル中央のセンターキーを押してもメニューが現われるかというと、そうではなく、ケータイしか使ったことがないユーザーにとっては、この辺りが大きな壁になってしまうかもしれない。
初代モデルとの比較で言えば、無線LAN機能が省略されてしまったところが少々残念なところ。miniSDカードスロットを使えば対応可能という話もあるが、その場合、外部メモリが使えないわけで(USBメモリを使う?)、無線LANを多用するというユーザーは要注意。W-ZERO3[es]については、ワンセグ受信モジュールなど、外部機器による拡張の話も出ており、特に急がないのであれば、それらの登場を待つのも悪くない。
ともかく、各地でタッチ&トライ・イベントが開催されているので、気になる人は実機に触れてみてほしい。