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清水理史の「ザウルス MI-E21」レビュー
細かな改良を受けて使いやすくなった新型ザウルス

 シャープから新型のザウルス「MI-E21」が発売された。新型といっても劇的な進化を遂げているわけではないが、それでも前モデルとなるMI-E1やMI-L1から比べると細かな点が確実に使いやすくなっている。実機を入手することができたので、使用感をレポートしていこう。


MI-E1の不満を解消

ザウルス「MI-E21」
店頭価格は5万9800円前後。横幅がスリムになり、メモリ容量も32MBに。AV機能も強化された
 今回登場した「MI-E21」は、昨年末に発売されたMI-E1の後継となる最新型のザウルスだ。MI-E21の登場前にビジネスモデルとなるMI-L1も発売されたが、音楽や映像といったマルチメディア機能を搭載した一般ユーザー向けモデルとしてはMI-E21が正式な後継モデルとなる。

 このMI-E21は、ひとことで言うと「MI-E1」+「MI-L1」+「細かな改良」といった位置づけのモデルだ。基本的なコンセプトはMI-E1から引き継いでいるが、MI-E1に比べて外観やビデオ録画/再生機能などが大幅に変更されている。

 内部のソフトウェアもMI-L1相当に変更され、スケジュールの1日表示で時間が表示されるようになったり、縦型ブラウザなどを新たに搭載するなどの改良が加えられている。PCと同期させたときに、Outlookのスケジュールの「場所」をザウルス側に反映させることもできるようになった。つまり、MI-E1、MI-L1の不満点を解消し、さらなる進化を遂げたのが、このMI-E21ということになる。


MI-E1と異なり、スケジュールの1日表示での時間表示が可能。また、Outlookと同期させたときに場所の項目も正しく反映されるようにるなど、PIM機能に細かな改善が加えられている ブラウザも縦型表示に対応。これまでのMI-E1では、機能によって本体を縦横に持ちかえる必要があったが、MI-E21はすべての機能を縦表示で利用できる。ただし、横位置で見たい場合は横表示に切り替えることも可能

操作性を重視したデザインに変更

若干小型化されたおかげで、ホールドしやすく片手での操作が楽になった。デザインも丸みを帯びた感じから、シャープなイメージとなり好感が持てる
 それでは、主な変更点を具体的にみていこう。まずは、外観だが、大きく変更されたのはそのサイズだ。MI-E1から比べると幅が7.5mm、厚さが1mmほど小さくなっており、手にしっくりとなじむサイズに変更された。従来のMI-E1と持ち比べるとその差は歴然で、特に片手で持ったときの操作がしやすくなっている。全体的なイメージもMI-E1の丸みを帯びたものから、若干シャープなイメージへと変更されており、デザイン的にも洗練された感がある。

 また、ボタン類やキーボードなどもMI-E1から大きく変更された。本体全面のボタン類もMI-L1相当に変更されており、カーソルキーの中央に決定キーが配置されていたり、フロントライトの点灯がボタンの長押しではなく、短押しに変更されるなど、操作性がかなり向上している。


キーピッチは小さくなったものの、キーボードの配列が工夫されており、さらに打ちやすくなった。慣れてしまえば、記号などの入力もブラインドタッチで可能と言える
 一方、内蔵のキーボードは、本体サイズが小さくなった関係上、キーピッチが0.5mmほど狭くなったが、実際に使ってみると、この影響をあまり感じさせない。これは、キーボード上部のスペースを1.5mmほど広げ、キートップを平面にした効果が大きい。このおかげで、キーの打ちやすさは従来のMI-E1と同等、もしくはそれ以上となっている。キーの配列も変更されており、「変換/スペース」キーの幅を拡大したり、E1で不評だった「.」などの記号も単独で入力できるなどの工夫がなされている。

 これまでのザウルスのキーボードも小型ながら完成度の高いものだったが、メールのアドレスや本文を入力するときなどに上記の「.」が入力しにくかったり、変換ボタンを押し間違えるなどの不都合があり、どうしても入力が途中で中断してしまうことがあった。しかし、このMI-E21では、このような不都合はなく、ブラインドタッチでも実にスムーズに文字を入力することができる。これまでE1ユーザーが不便に思っていた欠点が、E21で見事に解消されたわけだ。


ビデオ録画機能を大幅に変更

 このように全体的なファインチューニングを受けたMI-E21だが、このほかに注目しておきたいのが大幅に変更されたビデオ録画機能だ。従来のMI-E1では、別売りのCE-VR1を利用してテレビなどから映像を録画していたが、MI-E21では、これと同等の機能が「CE-VRC1」と呼ばれるCF TypeIIのカード型機器で可能となっている。

 これは、主に操作性を改善することが目的だ。従来のCE-VR1でも録画操作はそれほど難しくなかったが、本体にボタン類が多数配置されているため、初心者に操作が難しいという印象を与えていた。しかし、CE-VRC1では、MI-E21本体にカードを装着し、カード本体にある「REC」ボタンを押すだけで映像の録画が可能となっている。録画する時間も「REC」ボタンを何度か押すことで15/30/60/90/120分と変更させることができ、実に手軽に映像を録画することができる。


CFスロットに装着するタイプの新型ビデオレコーダー(CE-VRC1)。AVケーブルをテレビなどに接続し、「REC」ボタンを押すだけでテレビ番組などを録画できる 標準ではメモリ容量の許す限りまで録画を続けるモードとなるが、「REC」ボタンを押すことで録画する時間を指定することができる。この機能を利用すれば、他の作業をしながらでも簡単にザウルスにテレビ番組を録画できる

 また、このような録画デバイスの変更に伴い、録画するビデオのフォーマットも大幅に変更された。従来のCE-VR1ではフォーマットにMPEG-4(音声G726)を採用していたが、今回のCE-VRC1では映像に「Nancy」(オフィスノアが開発)、音声に「MP3」が採用されている。この変更はいろいろな意味で影響が大きい。映像の品質についてはさておき、音声がMP3に変更されたおかげで、音楽番組などを録画したときの音質が非常にクリアで高いものとなった。正直、CE-VR1の品質では、実質的に試聴に耐えうる番組はニュースや語学番組程度がいいところだろうと感じていたが、今回は音楽番組なども積極的に楽しめるようになったのは大きなメリットだろう。

 ただし、映像フォーマットがNancyという汎用性の低いものになったおかげで、PCとの映像のやり取りは難しくなった。これまでのMPEG-4であれば、シャープが提供する「PixLab MPEG-4コンバータ CE-CV1」を購入することで、PCに取り込んだ映像をザウルス用にコンバートすることができたが、今回のNancyでは、このような操作が一切不可能になっている。


別売りのデジタルカメラカードを装着することにより動画の撮影も可能。ただし、デジタルカメラカードやビデオレコーダーカードを装着すると、フリップ式となった液晶カバーがひっかかり、上まで開くことができなくなる
 また、デジタルカメラカードを利用した場合もこの影響は大きい。今回のMI-E21では、すでに販売されているデジタルカメラカード「CE-AG06」を利用し、SSTで販売されているMOREソフト(ビデオカメラソフト:1,000円)を購入することで、ザウルスで映像を撮影したり、ビデオメールとして送信することが可能となっているが(基本的に映像のみ。音声を録音するにはボイスレコーダーキット「CE-VK1」が別途必要)、この映像フォーマットもNancyとなる。

 このため、MI-E21で撮影した映像をビデオメールとして送信する場合、PC側で映像を再生するためにオフィスノアから無償で配布されているNancy Playerが別途必要となってしまう。ザウルスだけで完結するクローズドな世界で映像を楽しむぶんには、フォーマットについてあまり気にする必要はないが、PCとの映像のやり取りのようなオープンな環境では、このような独自フォーマットがアダになる可能性は高い。


現段階ではやはり最強のザウルス

 このほか、MI-E21では、バッテリー駆動時間が10%向上していたり、NTTドコモのP-in m@sterと別売のVOICEアダプター、およびイヤホンマイクを利用して通話ができる機能なども搭載されている。ちなみにTV CMなどでは、この通話機能に焦点を当て、画面を見ながら通話できるという点がウリとされており、実際に通話してみたが、確かに便利なものの現実的にユーザーがこのような使い方をするかどうかは疑問だ。VOICEアダプターとイヤホンをP-in m@sterに取り付けるのが、多少、面倒に感じてしまう。


p-in m@asterにVOICEアダプタ(NTTドコモ製)を接続すると、ザウルスで通話が可能となる。確かにスケジュールを確認したり、メモを取りながら通話できるのは便利だ p-in m@asterを利用した通話には、標準でインストールされているmoreソフトを利用する。電話番号を直接入力することも可能なうえ、アドレス帳から番号を指定して電話をかけることもできる

 このようにいくつか気になる点はあるものの、現段階で考えれば、MI-E21はまちがいなく最強のザウルスと言える。他のPDAと比べても機能的に劣る点もなく、選択肢としてはかなりおすすめできる製品と言える。特に従来のMI-E1やMI-L1でもどかしく思っていた点がみごとに解消されているあたりは、さすがと言える。MI-E21の登場後もMI-E1やMI-L1は併売される予定だが、購入に際して、これら旧機種とMI-E21のどちらを購入するかを迷う必要は一切ないだろう。


・ シャープ ザウルス「MI-E21」製品情報
  http://www.sharp.co.jp/products/mie21/


(清水理史)
2001/09/28 01:37

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