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「P-01A」レビュー
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2WAYキーで「横画面利用」を追求したハイエンドケータイ
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「P-01A」は、縦・横に開閉するWオープンスタイルを採用したパナソニック製FOMA端末だ。PRIMEシリーズの1つで、新たに「2WAYキー」という仕組みを取り入れ、横画面での利便性向上が図られている。今回は、その特徴や各機能について紹介しよう。
■ 外観・デザイン
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Wオープンスタイルを採用
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PRIMEシリーズの1つである「P-01A」は、2007年冬モデルの「P905i」、2008年夏モデルの「P906i」から受け継いだWオープンスタイルを採用している。一見すると通常の折りたたみ端末だが、横方向にもディスプレイを開閉できる機構で、外観面で従来モデルと比べるとヒンジ部の形状や2WAYキーの採用、ボディサイズの薄型化が大きな違いとなる。
過去のWオープンスタイル採用モデルでは、ヒンジ部はキー側ボディの上に乗っていたが、「P-01A」のヒンジ部はディスプレイ側ボディと一体化した、いわゆる逆ヒンジ(ディスプレイ側ボディとキー側ボディでヒンジのある部分が通常と逆)になっている。このため、縦方向にオープンするとディスプレイが通常より奥まった位置に来る。
ボディサイズは、約108×50×16.9(最厚部18.6)mmで、P905iと比べて1.6mm、P906iと比べて0.5mm薄くなった。ちなみに重さは約122gで、P905iより15g、P906iより1g軽い。最厚部は、キー側ボディの裏にあるカメラ部周辺だけとなっている。
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通常の折りたたみ端末としても
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ヒンジ部がディスプレイ側ボディに
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「ヒカリドロップス」はP702iD以来の機能だ
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ボディカラーはグラマラスレッド、グラファイトブラック、フロスティホワイト、シャンパンピンクの4色。サブディスプレイがある背面パネルは、ヒンジ部、サブディスプレイ周辺、透明感のあるパネルに分かれている。パネルの模様はカラーによって異なっており、今回レビューするシャンパンピンクは、キラキラと輝く粉がちりばめられたラメ状のデザインが施されている。また、その下には「ヒカリドロップス」と名付けられたLEDが配置されている。「ヒカリドロップス」は、中央は強く光り、その周辺の円はぼんやりと光る。
左側面を見ると、キー側ボディには、ワンプッシュオープンボタン、サイドボタン(上下)、microSDカードスロットが、ディスプレイ側ボディには横方向に開けるためのスライドスイッチ「ヨコオープンレバー」が配されている。このうち上下方向に操作できるサイドボタンは、Webブラウジング時にページスクロールするという役割を果たすほか、待受状態でサイド上ボタンを長押しすると「2in1」のモード切り替えが、サイド下ボタンを短押しすると録音メモの再生・消去、長押しするとテレビ電話メモの再生・消去ができる。
右側面にはBluetoothロゴ、イヤホンジャック(AV出力ポート)、プッシュトークボタンがあり、先端部には充電時にも使える外部接続端子がある。キー側ボディの裏には、510万画素CMOSカメラが用意されている。カメラのすぐ下にはFeliCaのロゴマークが記され、おサイフケータイの機能を使う場合は、ロゴマークをリーダーライターにかざす。
メインディスプレイは、約3.1インチ、480×854ドット、26万2144色表示のTFT液晶で、サブディスプレイは約0.9インチ、128×36ドット、1色表示の有機ELとなる。ワンセグ対応で、ワンセグ用アンテナは内蔵型となる。
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左側面
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右側面
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パネルはラメ調の塗装が施されている
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510万画素CMOSカメラを搭載
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■ 2WAYキーで横スタイルを使いやすく
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ゆっくり折りたたむと2WAYキーの仕組みがわかる
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「P-01A」では、縦方向と横方向にオープンしたときでキー印字が切り替わる「2WAYキー」が最大の特徴と言える。これまでWオープンスタイルを採用した携帯電話では、縦方向は通常の折りたたみ端末と同じ形で特に不都合はなかったが、横方向にオープンすると、キー印字が縦方向に適した形となっていたため、読みづらく、結果的にスムーズな利用を妨げかねない状態となっていた。
しかし、2WAYキーは、縦方向にオープンしたときはキーの印字も縦方向に、横方向にオープンしたときはキー印字の方向も切り替わる。初めて目にする人に驚きを誘うギミックだ。
その仕組みを見ると、ヒンジの動きにあわせて、キー印字が記されたシートが動くというもの。縦方向からゆっくりと折りたたんでいったり、縦方向にオープンした状態でヨコオープンレバーでディスプレイを回転させ、そのまま折りたたんだりすると、キーシートの動きがよくわかる。
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ヨコオープンスタイルでのメニュー
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カメラ機能
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ヨコオープンスタイルでのキー
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2WAYキーを採用し、ヨコオープンスタイルでの利用は、P905i/P906iより格段に使いやすくなった。メニュー画面も横画面表示専用で、ワンセグやカメラ、マイピクチャ、iモーション、PC動画、メール、フルブラウザ、iアプリを呼び出せる。
カメラ機能ではサイドキーではなく、「0」キーがシャッターになるなど、ヨコオープンスタイルにあわせて、キーに機能を割り当てている。このほか、プリセットされるゲームアプリでは「レイトン教授と不思議な町」が引き続き搭載され、横画面でプレイするゲームとして提供されている。「P-01A」のヨコオープンスタイルは、ソフトキーにゲームやフルブラウザ専用キーが割り当てられるなど、マルチメディア機能に特化した使い方を提案している。
テンキー部は、縦列のキーとキーの間は窪みがつけられ、横のキーとキーの間はフレームがある。1つ1つのキーサイズは大きめで、発話キーと「5」キーには小さな突起が付いている。方向決定キーを見ると、縦オープン状態では、上キーでiチャネル、右キーでリダイヤル、下キーでアドレス帳、左キーで着信履歴を呼び出す。ちなみに右キーの長押しで送信メールアドレス一覧、左キーの長押しで受信アドレス一覧が表示される。
新機能のiウィジェットの専用画面(ウィジェットビュー)を呼び出すのは、クリアキーだが、ヨコオープンスタイルにするとクリアキーはクリアのみの機能が割り当てられ、ウィジェットビューは呼び出せない。
2WAYキーで、ヨコオープンスタイルでキー操作しやすくなったが、文字入力時は、テンキーの左右にクリアキーや改行、濁点、句読点などを入力するキーが配置されることになる。縦方向にオープンした際の配列と、ヨコオープンスタイルでの配列は多くの部分で似た配置である一方、異なる配置も少なくないため、最初はある程度意識して操作する必要がある。
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フルブラウザでは全画面表示に対応
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横画面での文字入力
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■ カメラ・ワンセグ
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照明下で撮影したサンプル画像。撮影画質はスーパーファイン、撮影モードはノーマル。(リンク先は2592×1944ピクセル、約1.35MB)
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約510万画素CMOSカメラは、最大5人までの顔を検出できるオートフォーカスカメラ機能が用意されている。また、新たに「高感度撮影」が新たにサポートされ、「高感度撮影」と「手ブレ補正オート」の状態であれば、最高でISO1600相当の高感度撮影が可能という。ただし、デジタルカメラのようなISO設定は用意されていない。
また、高感度撮影とナイトモードを同時にONにすれば、光の乏しい2.5ルクス程度の環境下でも撮影できる。なお、高感度撮影をONにしていると、撮影できる画像サイズは最大1280×960ドットとなる。
ワンセグも横画面での利用を想定した機能の1つ。パナソニックの「モバイルPEAKSプロセッサー」により、コントラスト比は6000:1(P906iは4000:1)となる。15fps相当のワンセグ映像を30fps相当に補完する「モバイルWスピード」も引き続き用意されるほか、発色は約1600万色相当となった。
また、録画した番組を再生する際、セリフのある部分は聞きやすい速度で、それ以外の部分は高速再生する機能「あらすじ再生」もサポートされた。このほか、ワンセグ用アンテナは、最近のパナソニック製端末と同じく内蔵型となっている。
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灯りを消した部屋で、通常モードで撮影(リンク先は2592×1944ピクセル、約775KB)
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高感度撮影とナイトモードをONにして撮影(リンク先は1280×960ピクセル、約246KB)
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■ 基本機能
W-CDMA方式/GSM方式に対応し、国内だけではなく、海外でも利用できる。通話関連では、通話中に周囲の騒音レベルをチェックし、相手の声を聞えやすくする「しっかりトーク」や、相手の話す速度をゆっくりにする「ゆったりトーク」が利用できる。
縦にオープンした待受状態で決定キーを押すと、「デスクトップアイコン」を選択できる。プリセットでは、iコンシェルやBluetooth、使いかたナビを呼び出すアイコンが用意されている。
メールは、デコメールやデコメアニメに対応し、デコメ絵文字は1000個プリセットされている。静止画・動画を添付して送信でき、最大サイズは本文1万バイト(全角5000文字)、デコメ100MB、添付ファイル2MBとなっている。日本語入力システムはAdvanced Wnn。文字入力関連では、今回よりドコモ端末の文字入力時のキー割当が共通化されており、これまでのパナソニック端末とは多少異なる部分もある。
メニュー構成は、従来のパナソニック端末を踏襲しており、外観ほど強いインパクトを与える変化はない。メインメニューの呼び出しは快適で、設定項目などもストレスなく操作できたが、メール利用時は多少もたつくようにも感じられた。
Bluetooth機能を搭載し、ヘッドセットなどを利用するためのHFPやHSPといったプロファイルのほか、音楽再生で利用するA2DP、AVRCPをサポート。DUNやOPP、SPPも用意され、データ転送などが利用できる。音楽再生や通話に対応したBluetoothヘッドセットを登録してみると、1つの機器に対し、P-01AではA2DPやHFPなど複数のプロファイルを設定できた。
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Bluetoothの自局情報を見ると、対応プロファイルを確認できる
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音楽再生・ハンズフリー通話対応のBluetoothアダプタに接続したところ
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microSDHCカードは、最大16GBまで利用できる。また内蔵メモリは最大250MBとなっている。
マルチタスク機能では、iモードとiアプリの同時実行はできない。iアプリによっては音楽再生とワンセグを同時に起動できないものもある。
主な対応サービス・機能は、新サービスのiコンシェルやiウィジェットのほか、マチキャラやきせかえツール、iチャネル、おサイフケータイ、GPS、FOMAハイスピード(下り最大7.2Mbps)となる。
フルブラウザ搭載で、ヨコオープンスタイルでは、左上のソフトキーでフルブラウザをすぐ呼び出せる。フルブラウザ利用時にはマウスポインタが表示されるようになったほか、発話キーを押せば、ガイダンス表示を消して全画面でWebサイトを表示できる。またFlash 3.1対応で、フルブラウザ利用時のみ、FLV形式の動画共有サイトを利用できる。
■ 製品の位置付け
ドコモの新製品群の中でも、「全部入りのハイスペックケータイ」であるPRIMEシリーズに属しており、パナソニック製のFOMA端末の中では最もハイエンドな製品となる。日本の携帯電話は、縦画面での利用を前提に進化してきたが、Wオープンスタイルを採用した最近のパナソニック製端末は、横画面での使い方を強くアピールするもので、代を重ねるごとにマルチメディア関連での機能の利便性向上に注力しているようだ。
P905i、P906iと3機種続けてWオープンスタイルを採用したことで、新鮮さは薄れてきたように思えるが、P-01Aを今冬に購入するユーザーは、P905i以前のカスタムジャケット時代の機種を使っていたユーザーが少なくないと見られる。そういったユーザーが機種変更する場合は、3機種続けてのWオープンスタイルであっても特に問題はないだろう。また、2WAYキーを採用したことで、縦と横で、キー印字やキーの役割がダイナミックに変化し、操作しやすくなったことも、Wオープンスタイルに初めて触る人にとってはありがたいポイントの1つだ。
ちなみに、今回のドコモ新機種群には、同じWオープンスタイルを採用した「P-03A」というモデルもある。違いはカメラの画素数や、2WAYキーの有無、薄さで機能面では「P-01A」がハイエンドながら、「P-03A」のほうがより薄くなっている。どちらを購入候補とするか、現時点では「P-03A」が未発売であるため、スペック上で比べるしかないが、携帯電話のマルチメディア機能を重視するなら「P-01A」、カメラにあまりこだわらず、横画面ではワンセグを見る程度、という場合は「P-03A」という考え方もあるだろう。もっとも、実売価格の違いも大きな比較要素になるため、どちらにするか決めかねている人は「P-03A」の発売まで「P-01A」の購入を待っても良いかもしれない。
「P-01A」は、ワンセグ視聴時のディスプレイ表示や、ISO1600相当の高感度撮影に対応したカメラ機能なども含め、全体的な底上げが図られたハイエンド端末だ。一方、タッチパネルや加速度センサーを利用した操作といった部分はサポートしていない。機能面ではハイエンドであるものの、一般的な携帯電話の路線を踏襲した仕上がりで、このあたりは新機軸を打ち出せていないと評価することもできる。ただし、新たな操作体系の導入は、ユーザー自身が学ばなければいけない部分も多く、ともすれば使われないことになりかねない。そのあたりのバランスの取り方は、各機種が掲げるコンセプトによって異なるが、「P-01A」は、最先端の機能とマルチメディアコンテンツをより多くのユーザーが安心して使える方向を目指した機種と言えるだろう。
■ URL
製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/prime/p01a/
製品情報(パナソニック)
http://panasonic.jp/mobile/docomo/p01a/
(関口 聖)
2008/11/27 15:09
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