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クラウド内・仮想サーバー間で6倍の通信速度、ドコモとNECが実証

 NTTドコモとNECは、クラウド内の仮想サーバー間の通信速度を向上させる実証実験に成功したと発表した。LTE-Advancedや次世代の5Gネットワークにより普及が加速するモバイル向けのクラウドサービスを高度化させることを目的とした取り組み。

 今回の実証実験は、オープンソースソフトウェアとパケット通信処理を行うための汎用ハードウェア、NIC(Network Interface Card)を効果的に組み合わせることで、通信速度がこれまでの最大6倍にまで向上することを示したもの。実証実験は、「OpenStack」のネットワーク機能「OpenStack Neutron」のオープンソース実装のみを用いて行われた。「OpenStack」とは、クラウド環境を構築するためのソフトウェア群のことで、クラウド業界で注目度が高まっているという。

 実証実験に使われた物理サーバーは100台、搭載された仮想サーバーは最大5000台という規模において、最大16Gbpsの通信速度を達成した。また、これまで「OpenStack Neutron」の課題となっていた“耐障害性”を高めるための機能開発を、ドコモとNECが共同で行い、今回その安定性が検証された。「OpenStack Neutron」は、商用導入できる水準にまで改良が進んだとして、2015年度内に商用化される見込み。ドコモから、より高速で安定したクラウドサービスが提供されることになるようだ。

川崎 絵美