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「docomo ID」本格提供開始、キャリアフリー目指す

 NTTドコモは、同社サービスを利用する際、ユーザーを確認する認証の仕組みとして、「docomo ID」を本格的に導入する。11月13日に、docomo IDを発行する専用サイトがオープンする。

 当初、料金確認用のIDとして登場した「docomo ID」は、徐々にドコモのサービスを利用する際の認証基盤として整備されてきた。今回の発表では、ドコモのLTE、3Gのほか、家庭の固定回線、Wi-Fiなどさまざまなネットワークを経由しても利用できるようにする「ネットワークフリー」、スマートフォンやタブレットのほか、パソコンなどで利用できるようにする「デバイスフリー」、OSに関わらず利用できるようにする「OSフリー」の3点がサポートされる。

 最終的には、ドコモ回線を契約していないくても利用できる環境、すなわち「キャリアフリー」を目指すとのこと。これら4つの機能は、2014年3月まで段階的に導入されるとのことだが、その具体的なスケジュール、あるいは対応サービスでの進展などについては、現段階では明らかにされていない。

ドコモがサービス事業者に

 ドコモユーザーに限らず、他キャリアユーザーでもdocomo IDを利用できようになれば、dマーケットをはじめとするドコモ提供の各種コンテンツ、サービスを他社ユーザーが利用できるようになる。ただ、現時点では有料サービスでの決済の仕組みなどは未定とのこと。

 本誌が9月に行った、ドコモのスマートライフビジネス本部 阿佐見弘恭本部長へのインタビューでは、今後のドコモが各種サービスの一事業者としても展開することが紹介された。

 かつて携帯電話事業者は、自社ユーザーだけにサービスを提供する形が一般的だった。自社回線だけで利用できるサービスにすることで、ユーザーを囲い込み、通信料の増加にも繋げられるからだ。しかし、パケット通信の定額サービスが大幅に普及。またユーザー数も劇的に増加する時代はとうに過ぎ去っている。自社サービスの魅力を高めることでの囲い込み、という面では一定の効果はまだ期待できそうではあるが、スマートフォンでは、さまざまなアプリが登場してオープンな形になってきている。またインターネットの普及によって、ユーザーが使う機器もパソコンだけではなく、タブレットなど、多種多様になってきた。

 今回のdocomo IDの本格展開は、ユーザーにとって「ドコモのサービスがドコモ以外にも開かれる」という形となる。一方、ドコモにとってはサービスを独立させて、新たな収益の柱にするという狙いがある。

関口 聖