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自社データ×ビックデータでニーズ発見、KDDI「IoTクラウド」に分析ソリューション
2017年5月17日 15:39
KDDIは、法人向けのIoTデータ分析ソリューション「KDDI IoTクラウド ~データマーケット~」の提供を6月に開始する。
「KDDI IoTクラウド ~データマーケット~」は、IoT機器やアプリなどから得られたデータを分析するマーケティングツール。法人ユーザーが持つIoTデータなどの業務データとKDDIが用意したデータを掛け合わせて分析することで、需要の発掘やサービス向上などに活用できる。
掛け合わせて分析できるデータ群は店舗情報、POSデータ、将来人口推計、訪日外国人の動向解析、ストレスチェックアプリから得られた生体方法、プローブ(車両に設置されたセンサーの走行記録)、被災度判定計から得られた地震・被災度判定データという7種類を用意。順次拡大していく方針。データは規模、期間にもよるが、数十万~数百万円程度で提供される。
分析サービスとして、ESRI ジャパン提供のWebベースのセルフ分析ツール「mapDISCOVERY」を用意する。料金は1IDあたり年間21万6000円(税抜)と、セルフ分析ツールとしては安価に利用できる。
また、KDDIとアクセンチュアが3月に設立したARISE analyticsのデータアナリストによる高度な分析サービスも提供する。
KDDIならではのサービスとして、Supership提供のプロモーションサービスを利用できる。同社は「Syn.」に加盟するさまざまなWebサイトについて、性別・年代・嗜好などで分類した利用者データを保有しており、アプローチしたいユーザーがよく閲覧するサイトに広告を表示できる。
活用事例
発表会では「mapDISCOVERY」を用いたユースケースとして、小売店の売上げ分析が紹介された。店舗情報と売上げ情報を記録したCSVデータを取り込み、マップ上に店舗ごとの商圏と売上を表示。住民の属性と掛け合わせて、見込みに対して売上が少ない店舗を発見したり、競合チェーンのデータを追加して不調の要因を探ったりといった分析を行える。
このほか、工場の稼働データとPOSデータを組み合わせた生産計画の効率化、訪日外国人の動向を考慮したキャンペーン戦略の策定、プルーブ情報と小学校の情報を分析した交通事故多発地帯の予測といった事例が紹介された。
登壇したKDDI ソリューション事業本部 ビジネスIoT推進本部 ビジネスIoT企画部 部長の原田圭悟氏は、「現在の日本のIoT活用は、コスト削減や業務効率化が中心となっているが、それだけではIoTの本格利用には発展しない。ビジネスを変革し、IoTを活用して利益が上がる仕組みとして(データマーケットを)提供していきたい」を紹介。今回の分析サービスを核としてIoT事業を推進していく方針を示した。