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コスパ最強タブレット「Nexus 7(2013)」の後継モデルを探せ!
【ZenPad 3 8.0】
2017年4月24日 06:00
1つの端末でOSがきちんとアップデートされるiOSに比べ、端末やメーカーによってアップデートのばらつきが激しいのがAndroidの世界。買ったばかりのスマートフォンなのに最新OSのアップデートが適用されず、新機能も利用できないという悔しい思いは、本誌の読者ならおわかりいただけるのではないでしょうか。
そうした幾度ものAndoridバージョンアップを乗り越え、長期に渡って現役モデルで有り続けたコストパフォーマンスの高いAndroid端末が、今は終了してしまったNexusブランドのタブレットである「Nexus 7(2013)」です。
その名の通り端末が発売されたのは2013年7月(日本での発売は2013年8月)ですが、当初はAndroid 4.3だったOSも度重なるアップデートを経て現在はAndroid 6.0に対応。すでに市場にはAndroid 7.0対応モデルも登場していますが、2017年の新モデルでもAndroid 6.0を搭載した製品がまだまだ多いことを考えると、対応OSという点ではほぼ3年半に渡って現役で使えるタブレット、と言うことになります。
スペック面でもさすがに2017年の最新モデルと比べれば見劣りするものの、フルHDディスプレイに2GBメモリ、5GHz帯の無線LANへの対応は十分現役でも使えるスペック。実際の操作感もサクサクとまでは言いませんが、使っていて不満に感じることはほとんどありませんでした。
現行品と比べても遜色ないスペックであるNexus 7(2013)はとても満足度が高いタブレットではあったのですが、メインで使うスマートフォンについては前々回の通りもう少し待ちたいという気持ちに加え、さすがにこの先1年も同じ端末を使い続けるのも、最新ニュースをお届けするメディアの連載としていかがなものか、という考えが背中を後押しし、Nexus 7(2013)の後継として使えるAndroidタブレットを模索することになった、というのが今回のテーマです。
次なるタブレットの条件はなんと言っても画面サイズ。この連載で以前にも書きましたが、7インチくらいのサイズ感はスマホに比べて画面が見やすく、10インチクラスよりも可搬性が高いという点で非常に好みのサイズ感。とはいえ最近はスマートフォンだけでなくタブレットも大画面化が進んでおり、少し大きい8インチクラスが主流となりつつあるるのですが、8インチくらいならギリギリ許容範囲、ということで7~8インチのタブレットをターゲットにして探すことにしました。
もう1つのこだわりは「Nexus 7よりは体感できるレベルでスペックが高い」ということ。前述の通りNexus 7(2013)は、現状でも十分に使えるスペックのため、せっかく新しいタブレットを買ってもNexus 7とスペックが変わらなかったら、何のためにタブレットを買い換えるのかわかりません。
CPUやメモリ、ストレージはさほど気にはならないものの、できるなら今までよりはスペックが上であって欲しい。また、3年以上も使い続けてありがたみを感じた「LTE」「5GHz帯の無線LAN」「SIMロックフリー」は必須。そしてついにNexus 7(2013)には提供されなかったAndroidの最新バージョンである「Android 7.0」にも対応が見込めること、というのが画面サイズ以外にこだわった条件です。
この条件で絞り込んでいった結果、搭載OS以外の条件が適合したタブレットはASUSの「ZenPad 3 8.0」とHUAWEIの「MediaPad T2 8 PRO」の2機種でした。MediaPadにはCPUやストレージ周りが同スペックで画面が7インチの「MediaPad T2 7 Pro」というモデルがあり、こちらは指紋認証を搭載している点が魅力ではあるのですが、無線LANが2.4GHz帯しか対応していないという点で要求水準を満たせず。また、まだ発売から1年経ってはいないとはいえ、OSがAndroid 5.1のままというのも「果たしてAndroid 7.0にバージョンアップしてくれるのか」という点で不安が残ったというのも理由の1つです。
Nexus 7(2013) LTEモデル | ZenPad 3 8.0 | MediaPad T2 8 Pro | MediaPad T2 7 Pro | |
---|---|---|---|---|
メーカー | ASUS | ASUS | HUAWEI | HUAWEI |
OS | Android 6.0 | Android 6.0 | Android 6.0 | Android 5.1 |
画面サイズ | 7.02インチ | 7.9インチ | 約8インチ | 約7インチ |
画面解像度 | 1,920×1,200ドット | 2,048×1,536ドット | 1,920×1,200ドット | 1,920×1,200ドット |
CPU | Snapdragon S4 Pro | Snapdragon 650 | Snapdragon 615 | Snapdragon 615 |
メモリ | 2GB | 4GB | 2GB | 2GB |
内蔵ストレージ | 32GB | 32GB | 16GB | 16GB |
外部ストレージ | × | microSD | microSD | microSD |
LTE | 対応(SIMロックフリー) | 対応(SIMロックフリー) | 対応(SIMロックフリー) | 対応(SIMロックフリー) |
無線LAN | IEEE 802.11a/b/g/n | IEEE 802.11a/b/g/n/ac | IEEE 802.11a/b/g/n/ac | IEEE 802.11b/g/n |
Bluetooth | 4.0 | 4.1 | 4.1 | 4.0 |
GPS | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
指紋認証 | × | × | × | 〇 |
インカメラ | 120万画素 | 200万画素 | 200万画素 | 500万画素 |
アウトカメラ | 500万画素 | 800万画素 | 800万画素 | 1,300万画素 |
充電端子 | Micro USB | USB Type-C | Micro USB | Micro USB |
バッテリー容量 | 3,950mAh | 4,680mAh | 4,800mAh | 4,360mAh |
本体サイズ | 200×114×8.65mm | 136.4×205.4×7.57mm | 約123×209.3×8.1mm | 約105.8×187.4×8.2mm |
重量 | 299g | 320g | 約340g | 約250g |
発売時期 | 2013年9月 | 2016年9月 | 2016年12月 | 2016年7月 |
実勢価格 | 3万9,800円 | 3万6,800円 | 2万2,800円 | 2万4,980円 |
※実勢価格は発売当初のもの
残る2機種のうち、ZenPad 3 8.0は価格が3万円台後半と高めなぶん、メモリが4GB、内蔵ストレージが32GBと充実。USB充電がまだ普及とは言いがたいUSB Type-Cなことがネックですが、今後登場する端末ではUSB Type-C採用モデルが増えてくることを考えると、そろそろType-Cの環境を揃えるタイミングとして考えればさほど不満はなし。
一方のMediaPad T2 8 PROは、2万円台前半という低価格が魅力的。しかしメモリはNexus 7(2013)と同等、ストレージについてはLTEモデルを下回るため、「Nexus 7(2013)の後継」とは言いがたいスペックです。
そしてこれらスペック以上に選択の決め手となったのが、MediaPadのUI。これはスペックからではわからないところですが、端末のレビューなどをいろいろ調べたところ、MediaPadが搭載する独自UI「Emotion UI」は、画面が7インチ、8インチクラスのタブレットサイズでもスマートフォンのUIとして表示する仕様になっているようです。
タブレットとスマートフォンでUIが違うと何が変わるのかは、下記の画像をご覧いただくとわかりやすいと思います。どちらも同じChromeアプリを表示していますが、左のスマートフォンUIはタブブラウザとして表示されず、右上の数字を押して画面を切り替える仕組み。それに対して右側のタブレットUIは、画面上部にタブが表示されるPCのような画面構成になっています。
せっかくのタブレットならタブレットUIを使いたいことに加え、業務上動作確認などで自分の端末を使うことを考えると、タブレットUIで表示される端末を持っておきたい、というのが最後の決め手となって、個人的Nexus 7(2013)後継機はZenPad 3 8.0となりました。もっとも、同じASUSが開発している端末という点ではそもそもほぼ後継のようなもの、と言って差し支えないかもしれませんが。
今のところAndroid 6.0アップデートの公式アナウンスは行われていませんが、同じSnapdragon系かつZenPad 3 8.0よりスペックの低いSoCを搭載したMONO MO-01JやAQUOS EVER SH-02JへAndroid 7.0のアップデート予告が出ていることを考えると、スペック的な問題はなさそう。2画面表示に対応するAndroid 7.0はタブレットでこそ活用できそうな機能なので、決して約束はされていないアップデートを心待ちにしつつ、ZenPad 3 8.0をNexus 7(2013)の後継として愛用していきたいと思います。