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ZTE「AXON 7」しばらく使って分かったちょっとビミョーなところ

【AXON 7】

 ZTEの「AXON 7」の外見でやや特徴っぽいのは、画面下部のナビゲーションボタンが、画面外でタッチ式になっているところだろう。デザインが似通っている「AXON 7 mini」と、明確に違う部分でもある。ここ、バックライトの類がないので、夜であるとか、部屋が暗いとか、布団の中とかだと、見えなくなる。

 普通はボタンが見えなくても、ホームボタンなどの位置というのはだいたい分かるが、実は「AXON 7」のホームボタン(◯)の両脇にある点のボタン(・)、画面内に表示されるタイプより、中央に寄って配置されている。なので、左側の戻るボタン、あるいは右側の履歴ボタンを押したつもりが、微妙に場所を外している、ということが起こり、場所を確認しようとしても(周囲が暗いと)バックライトがないので見えない、という流れになる。最終的には慣れの問題として解決できるが、使いはじめてしばらくは慣れなかった。

 またこれらのナビゲーションボタンは、物理的な押下がなく、画面とシームレスな面で存在しているボタンなので、タッチやフリック・スライド操作との相性の悪さもある。

 例えば日本語入力中に、(テンキー表示の)最下部にあるようなボタンを下側にフリック入力すると、指先がそのまま画面の外にあるホームボタンに触れてしまい、文字入力中に画面がいきなりホーム画面に戻ってしまう、ということが、けっこう起こる。これ、アプリによっては入力中の文章が全部消えてしまうこともあり、地味に辛い。ほかにも、リストや画面を“引っ張って更新”というタイプでも、適当に操作していると画面の外にあるボタンに触れてしまい、やはりホーム画面に戻るという挙動をよくしてしまう。

 この挙動だが、さすがに、指を強く押し付けて“完璧に連続して”スライドさせた場合には起こらない。軽く触れる程度や、フリック操作のように払う動きだと起こりやすいようだ。現代のスマートフォンのタッチパネルの精度は非常に高くなっているため、このような表面を軽く撫でるような動きは、“線の動き”ではなく、意図しない“動く点の連続”として認識されている可能性は考えられる。

 当初は、画面とは別に存在しているボタンだから、とりあえず便利なことのほうが多いだろう、ぐらいに考えていたが、使いはじめて1カ月程度ではまだ誤操作のほうが気になる感じだ。タッチパネルの挙動を含めて、ソフトウェアの制御で対応できそうではあるが……。

金属ボディあるある、バイブレーション、省電力駆動

 「AXON 7」の本体はアルミボディで、購入当初の真冬の時期などは、朝起きると端末がキンッと冷えており、金属筐体を使ってこなかった筆者には新鮮だった。で、この金属筐体のおかげでボディには電波を逃すためラバーのパーツが一体成型で埋め込まれているが、NFCのアンテナもこのボディ設計の影響を受けてしまっている。

 どうも、カメラレンズの上部にある細い縦線部分にNFCのアンテナがあるらしく、NFCについては、ビックリするほどピンポイントでアンテナ部分をかざすことを求められる。

 例えば、普段利用しているPASMOの使用履歴を見ようと、カードに端末をかざす場合でも、慣れないうちはPASMOのカード側のアンテナがどこにあるのか分からず、まるで金属探知機で埋蔵物を探すがごとく、スス~っとカード表面を何度も往復させることになった。認識できる場所が分かれば問題ないが、それでも非常に狭い範囲でしか認識しない。最初はそのことに気が付かず、NFCが不具合で機能していないと勘違いし、不具合の情報を検索していたほどだった。少なくとも、「端末同士を背中合わせにして~」などという、ラフな使い方はまったくできないと考えたほうがいい。相手のアンテナの位置をピンポイントで把握した上で、こちらのアンテナをピンポイントでかざしていく、という使い方になる。

 マナーモードなど、なにかと使用されるバイブレーションは、それまで使っていたNexus 6よりも強い振動だと感じるものの、使用しているバイブレーションデバイスは牧歌的で、短い時間の繊細なバイブレーションには対応できないようだ。「Google 日本語入力」では、タッチ操作のフィードバックとして、バイブレーションの時間をms単位で設定できるが(実際には端末の仕様に制限されるが)、ここで短めに設定しても、Nexus 6なら「ヴッ」と非常に短く振動していたところが、Axon 7では「ヴンッ」と少し間延びした感じで、タッチ操作のフィードバック用途には向いていない感じだ。

 端末の稼働時間を伸ばす関係で、今時の端末らしく省電力機能もけっこうなものが搭載されている。アラームアプリなどはこうした省電力機能の初期設定の影響を受け、そのままではバックグラウンドでの動作に失敗することがある。筆者が利用しているアラームアプリも見事に引っかかった。

 省電力機能はアプリごとに設定できるので、対処できれば問題はないが、挙動が以前と違う感じたや入れたばかりのアプリには注意が必要のようだ。

 環境光センサーによる画面輝度の自動変更機能は、一般的なスマートフォンと比較してもやや鋭敏で、ようするにコロコロと画面の明るさが変わる。“素早い反応”といえばそれまでだが、天井の照明が直接当たるだけでも変わるので、もう少し“我慢して欲しい”と思う場面も多い。

ハイレゾ、の前に問題が発生

 旭化成エレクトロニクスのDAC「AK4490」を搭載することで、いち早くハイレゾ対応スマホとしても注目を集めた「AXON 7」だが、スマートフォンとしても基本的なパーツである、3.5mmのステレオミニジャックで、筆者の環境(装備)では問題が発生した。

 詳しくは次回以降に持ち越すが、過去、古くからいくつかの中国・韓国製スマートフォンでも確認されていた内容で、具体的には、ジャック内部の接点パーツが尖っており、さらにプラグを保持するための圧力(プラグをつかむ力)が強いため、比較的高級かつ表面の硬度では劣るプラグ(金メッキプラグなど)に、カッターで削ったような傷が付いてしまう(付いてしまった)のだ。この問題については、恐らくちょっと強引になると思われるが、解決策にたどり着ければ、また報告していきたい。