ケータイ用語の基礎知識

第958回:COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)とは

新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触したか、通知を受けとれる

COCOAメイン画面

 COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)とは、スマートフォンの中に入れてオンにしておくことで、スマートフォンのBluetooth 4.0(Bluetooth Low Energy)を利用して、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について、通知を受けとることができるアプリです。

 日本の厚生労働省が2020年6月19日に、1カ月間の試行版(プレビュー版)として配信を開始しました。現在、Android版とiPhone版が提供されており、6月27日現在で合計456万ダウンロード件がダウンロードされています。

 試行版は利用状況を参考にしつつ、継続的にデザインや機能を改善していくために、今後アプリを更新することがあるとしており、最新バージョンへのアップデートを呼びかけています。

 なお、COCOAという名称はCOVID-19接触確認アプリを意味する英語“COVID-19 Contact Confirming Application”の略から来ています。

 インストール対象となる機器は、AndroidであればAndroid 6以上(Google Play開発者サービスが動く機種。最新のファーウェイ機などは除外)、iPhoneであればiPhone 6S以降(iOS 13.5以上・iPad不可)です。

 このアプリケーションは、グーグルとアップルが提供する「濃厚接触通知アプリAPI」(Exposure Notification API)を利用して作成された物ですが、同じようなアプリでも中国のように、全く独自の仕組みを利用して接触通知アプリを作成している国もあり、この辺の仕組みは国によってマチマチです。

濃厚接触の可能性があった場合、アプリはどんな挙動を示すか

 COCOAは、新型コロナウイルス陽性の人と濃厚接触、正確には、その人の利用しているのスマートフォン同士が、おおむね1m以内の距離で15分以上の近接した状態にあった場合、接触として検知します。

COVID-19 の感染を報告した人と濃厚接触していたことをアプリが認識すると、画面に以下の情報が提供されます。

COCOAでできること

・濃厚接触した日
・濃厚接触し続けた時間
・その濃厚接触の Bluetooth 信号強度

 ただし、公衆衛生機関のアプリには、スマートフォンの位置情報の使用は許可されません。つまり「どこで接触しましたよ」という、個人を特定できそうな情報は出てこないわけです。

 いずれにせよ、これでアプリの通知を受けたユーザーは、自主的に隔離生活や、医療機関への受診を検討できることになります。

 なお、ユーザーへの通知自体は1日1回程度の頻度となっています。

 また、プライバシー保護のために、公衆衛生機関も、グーグルもアップルも、ユーザーの位置情報を使用したり、ほかのユーザーの個人情報をを共有したりすることは一切ありません。スマートフォンに記録された、接触者情報自体も14日経過した後で無効となるようになっています。

 ちなみに、ユーザー自身がCOVID-19 に感染した場合は、COCOAに自分がCOVID-19 に感染したことを登録できます。その際、感染確認後に保健所から発行される「処理番号」の入力を求められますので、陽性ではない人が「陽性を騙る」ことはできません。

 また、そこからほかのCOCOAユーザーに濃厚接触した場合は、接触したことが表示されますが、あなたが陽性の患者だと知られることはありません。

できるだけ多くの人口がインストールすることで、感染拡大を早期検知可能に

 このアプリは、その性質上、利用者が多ければ多いほど、人口に対して感染の早期発見がしやすくなります。

 オックスフォード大学ビッグデータ研究所教授のクリストフ・フレイザー氏らのチームの研究によれば、条件などは現実の日本とは違うものの、接触追跡アプリは運用形式や普及率によって違いは出ますが、「アプリなし」に比べて、アプリが普及することによって大きな感染防止効果が期待できる、としました。

 実際に安倍晋三内閣総理大臣が、COCOAのリリース前日6月18日の記者会見でこのCOCOAに触れ「オックスフォード大学の研究によれば、人口の6割近くにアプリが普及し、濃厚接触者を早期の隔離につなげることができれば、ロックダウンを避けることが可能となります」と発言しました。

 スマートフォンの普及率が79.2%(令和元年版情報通信白書)、であることを考えると、LINEの利用率がそのうち78.7%(2018年11月ICT総研)とされていますから、相当無茶な数字ではありますが、6割は無理としても、できるだけ多くの人にインストールしてほしいアプリであるといえるでしょう。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)