ケータイ用語の基礎知識

第957回:SEMとは

「検索エンジンマーケティング」SEMとは

 SEMとは、検索エンジン経由で自分のサイト・コンテンツへの優良な訪問者を増やすためのマーケティング手法の総称です。

 よくWebマーケティングでは「リスティング広告」や「SEO」という用語が出てきますが、「SEM」は、「リスティング広告」や「SEO」を包含する関係にあります。つまり、「リスティング広告」や「SEO」は「SEM」をおこなうための手法のひとつ、というわけです。

 SEMという用語には、ユーザーがインターネットで検索や閲覧という行動を行う中で、自分のサイト・コンテンツへ、有意な訪問ユーザーを増やすマーケティング活動を、全て含んでいると考えればいいでしょう。

 なお、SEMの名称は、「検索エンジンマーケティング」を意味する英語“Search Engine Marketing”から来ています。読み方は、そのままエスイーエム、と読むことが多いですがセムと読むこともまれにあるようです。

リスティング広告、SEOなどを複合的に活用

 SEMで使われる主な手法のひとつである「リスティング広告」とは、検索サイトであるキーワードで検索した際に、そのワードに連動して表示される広告のことです。これは検索サイトに支払いが必要ですが、キーワードで検索された際に上位結果として表示されるようにしたり、あるいは、検索結果とは別にリストとして表示する、というようなことを行えます。

 当然、これを行えば特定のキーワードを検索する(つまりそれへの興味やニーズがある)ユーザーへの露出が高まるわけですから、これは購買意欲の高いユーザーを集客できる方法のひとつといえるでしょう。

 もうひとつの主要なSEMの手法である「SEO」とは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)のことで、Webサイト・コンテンツを検索エンジンに、正しく認識してもらえるようにコンテンツのソースや構造を最適化を行うことです。検索結果としてより上位に表示されるように、また結果としてコンテンツのビュー数を上げるための施策となります。

 最適化というのは、たとえば著名な検索サイト「Google」の場合、「検索エンジンスターターガイド」というドキュメントを公開し、SEOを行うための方法を記載しているのですが、それによれば「適切なページタイトル・description(概要)を付ける」「コンテンツの最適化」「robots.txtでクローラーへの対処」「Googleウェブマスターツールの活用」といった手段が挙げられています。

 また、これはスターターガイド記載の内容ではありませんが、SEOの手段として有名な方法のひとつとして、つまりコンテンツへの被リンク数とその質を上げることでPageRankを上げるというようなこともあります。

 広告費をかけなくてもユーザーの訪問を継続して獲得できる手段であること、かけたコスト(手間など)がそのまま資産として残り、長中期的なユーザー獲得を望めること、それでいて購買意欲の高いユーザーを集客でき広告などより集客力が高いことなどが「SEM」のメリットです。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)