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ユーザー数6億6000万人の動画編集アプリ「CapCut」のグローバルイベントがシンガポールで初開催! 活気溢れるその模様をレポート
- 提供:
- CapCut Japan
2026年11月2日 00:00
動画編集アプリ「CapCut(キャップカット)」は、シンガポールで初のグローバルコミュニティイベント「CapCut World」を開催した。
東南アジアと日本はCapCutが2020年代に最初に展開した地域の1つで、これらの地域から多数のクリエイターが参加した。
CapCutプラットフォームの規模と実績
グローバル責任者のシャオチー フー(Xiaoqi Fu)氏によると、CapCutのユーザー数は6億6000万人を超え、6年という短期間で世界最大級のクリエイティブプラットフォームに成長している。利用されている国と地域は170以上、対応言語は30言語だという。
CapCutが持つ特徴の1つである「テンプレート」は、エフェクトや音楽、トランジションなどがあらかじめ設定されており、誰でも手軽に創作活動に没頭できる。この「テンプレート」を制作しているクリエイターは600万人以上にもなり、毎日約40万件以上の新規テンプレートが公開されている。
AI機能の利用も急速に増加しており、2026年単年で、CapCutのAI技術を用いたツールを活用して生成されたオリジナルコンテンツは60億件を突破し、1日あたり785万人以上のユーザーがAI技術を活用したツールを利用している。AIクリエイティブパートナープログラムには1000人以上のAIクリエイターが参加しており、プラットフォーム全体では85種類以上のAI技術を用いたツールを提供。カット編集、字幕修正、AI画像・動画生成、ノイズ除去など幅広い工程をカバーしている。
同氏は、今後のCapCutのコア戦略として「クリエイティブ工程の統合」を掲げた。創作は動画の編集から始まるとは限らず、アイデア、画像、テンプレート、ストーリーなど多様な起点を持つ。そのため、複数ツール間の移行コストを減らし、1つのプラットフォームで完結させることを目指す。
これらの方針には、「技術は直感的な道具であり創作の全てではなく、人間の想像力と判断が最も重要である」という哲学が根底にあるという。
今後については、3つの戦略方向が示されている。1つは、これまで以上に接続されたクリエイティブワークフローで、「AI Lab」での対話によるブレストから、「Infinite Canvas」でのストーリー・キャラクター設計、マルチトラックエディタでの最終編集までをシームレスに繋ぐ。
第2に、より多くの表現形式への拡張。動画中心から、ポスターデザイン、写真編集、ビジュアルコンセプト制作まで単一環境で対応し、将来的には音楽、3Dプレゼンテーションなどの形式も対応するという。
第3に「Skills」機能の展開である。テンプレートが「結果の再現」であるのに対し、Skillsは「プロセスの理解・改良・再利用」を可能にするという。ファイル、ワークフロー、創作過程を共有・リミックスすることで、クリエイターの影響力拡大と収益化の新たな道を開く構想だ。
実装予定となる新機能も発表
基調講演では、CapCut Indonesiaのコンテンツ運用責任者 ジェシカ ウォウォール(Jessica Wowor)氏より、CapCutデスクトップの大幅アップグレードも発表されている。
「EditPilot」は、画面右下のアイコンから起動するAIアシスタントで、音声またはテキストで指示を出すことで、メニュー操作なしで編集できる。「字幕の自動生成」や「複数のカットから自動で1本の動画に編集する」「動画内の男性のジャケットをオレンジに変更」などのデモを行い、複雑なマルチトラック編集も効率化できることを示した。生成後もタイムラインは完全に編集可能で、クリエイターの制御を損なわない設計になっている。
「Interactive Edit」はテキストプロンプトで変更を指示する機能で、不要な物体の除去や瞬きの修正だけでなく、複数クリップにまたがる変更も可能。犬の映像素材がなくても「Add the dog in this video」と指示すれば、AI技術を活用して全クリップに犬を自然に統合するデモも披露されている。さらに、プレビューウィンドウ自体がインタラクティブな編集画面となり、サングラスの色変更といった視覚要素に直接指示できるようになった。
「AI Extend」は、1〜30秒の映像延長を1回の生成で実行する機能。撮り直しの必要なく、ショートクリップにストーリー上の続きを追加できる。デモではスケートボードの少年の映像に10秒を追加し、AI技術を活用して自然に続きの動画を生成した。
音声関連の機能も多数公開されている。「I want an elegant high-end commercial music」のようなテキスト指示で、曲を自動生成できるほか、ポッドキャストのアクセント変更、1つのプロンプトから音楽や効果音、台詞を組み合わせたシネマティックなサウンドスケープを一括生成するデモもなどが行われた。これらの音声機能は、今後数週間以内にリリース予定とされている。
最後に、ユーザーが何を作りたいかを伝えると、アイデアの開発からツール選択、ファーストカット、最終調整までを伴走する「Agentic Editing」機能が予告されている。ユーザーは常に制御権を保持し、レビュー・調整・編集を継続できる設計で、2026年第4四半期のリリースを予定している。
これら一連の機能が披露されると、参加しているクリエイターからは驚きの声が上がった。
日本人クリエイターも複数登壇
基調講演では、各国と地域のクリエイターが自身のCapCutの使い方を紹介するパートがあった。CapCutでは特に日本のユーザーが多いといい、講演でも日本人クリエイターが複数名登壇した。
デザイナーの仕事は「作る→選ぶ」に
Webデザイナーとデザイン講師のしまやす氏(@shi_ma_ya_su_design)は、書籍賞「SNS推し本大賞」のデザインプロジェクトを事例に、CapCutのアプリ群のデザインツール「Design Studio」の活用を紹介。
プロジェクトでは、全国60店舗以上の書店に展開するPOPや帯などの販促物を制作する。従来は、複数ツールを跨いで1人で全工程をこなしていたという。
「Design Studio」導入後は、別のプラットフォームからの参考画像をブラウザ拡張でワンタップ保存し、デザインを整理。棒人間機能でポーズを指定してキャラクターを生成(肉付け)、背景にあわせた配色バリエーションの自動展開や帯のテキスト一括変更など、効率よく制作できるようになった。
単一アプリで制作できるだけでなく、1つのキャンバス上でキービジュアルからポスター、Webデザイン、スライドまで展開し、一部を修正すれば全媒体が同期更新される。しまやす氏は「デザイナーの仕事は『作る』から『選ぶ』に変わった」と、ワークフローの改善に寄与したと説明する。
年代別のアイデアを手軽に生成
また、デザイナーの育成、SNSマーケターとして活動しているかの氏は、AI技術で効率と品質を両立させるデザイン手法を紹介。
たとえば、「誕生日」をテーマにした制作物では、10代向けはプリクラ風のトレンド重視、20代向けはピンクやオレンジ系の柔らかな「可愛い」コンセプト、30代向けは緑・クリーム・ラベンダーを基調とした「大人のナチュラル」を設定するなど、年齢別に適したマーケティングを行うためのデザインを、AI技術で手軽に生成できると話す。
具体的には、配色とフォント、AIモデル、素材の4視点で作り分け、CapCutの「AI Lab」に前提条件を入力することで、複数案を自動生成する。これまで1枚あたり20分以上かかっていた作業が、数十枚のアイデアを10分程度で作成できるようになったという。
かの氏は「AI技術の役割は提案と形作り、人の役割は方向性の決定と意思決定」とし、「AI技術はデザイナーにとって脅威ではない」と、AI技術との共生について語った。
ビジネスにも活かせるCapCutのパワフルなツール
CapCutは、単なる動画制作ツールにとどまらない、パワフルな性能を持つ。先述のしまやす氏、かの氏もCapCutツールをデザイン業に生かしているが、東南アジアのクリエイターではCapCutで動画制作やデザインを学び、それをきっかけに起業しているユーザーも少なくない。
たとえば、しまやす氏は、デザイン責任者として勤めた経験を活かし、企業のウェブサイト制作やUI/UX、デザイン顧問を務める一方、講師活動やコンサルティングを通じて次世代デザイナーの育成にも力を注いでいる。教育を志した原点は、当時所属していた制作会社で初心者を指導し、彼らが成長して正社員になる姿に感銘を受けた経験にあるという。
CapCutは「思考を広げるツール」として活用しており、配色バリエーションの比較検討など、以前は時間を要していた作業を効率化できる点を評価している。本格的に使い始めたのは「Design Studio」といったデザイナー向け機能が登場したタイミングからだ。
しまやす氏は、デザインの本質は「作ること」ではなく「誰の課題を解決するか」にあると説く。アイデアさえあれば誰でもデザインが作れる時代になり、デザインの民主化は素晴らしいことだと述べた。また、UI/UX制作の現場ではすでにAIが起点となるワークフローが主流化しつつあり、プロのデザイナーもこの変化を取り入れる必要があると指摘。初心者には「言葉が喋れれば誰でも作れる」のだから、身構えず気楽にチャレンジしてほしいとエールを送った。
いっせい氏も駆けつけ、CapCutの性能を評価
会場には、TikTokで1250万人以上のフォロワー、YouTubeで7500万人の登録者数を誇るクリエイターのいっせい(ISSEI)氏(@issei0806)も駆けつけた。制作活動にCapCutを長年利用しているといういっせい氏は、ほかの動画編集ツールと比較した際の最大の魅力を「極めて手軽でありながら、クオリティの高い映像を作れる点」と語る。
これから動画制作を始めるクリエイター初心者には「まずはCapCutを勧める」とコメント。一方で、スキルが上昇して初心者を脱したとしても「乗り換える必要がない」と指摘する。手軽さを保ちながら細かな編集にも対応できる稀有なソフトだといい、「AI技術の潮流が来れば即座に対応し、最近ではチャットベースで言葉を交わしながら編集を進められる機能も追加されるなど、手軽さ、多機能さ、すべてにおいてほかのツールを凌ぐ」と評価する。
今回のイベントは、CapCutとして初めてのグローバルイベントとなった。多数のクリエイターが集結したことにいっせい氏は「TikTokを通じて海外での利用者の多さは認識していたが、実際に会場で目の当たりにし、CapCutが真に世界的なツールであることを改めて実感した」と語る。
CapCutでは、クリエイティブ作業の中でシームレスにAI技術を活用した機能にアクセスできる。いっせい氏は、よく利用している機能として、約3年前にリリースされた「顔の補正機能」を挙げる。いっせい氏によると、リリース当時は「肌をなめらかに整える」機能は、ほかのアプリでは見当たらなかったといい、同氏は「動画版プリクラ」と表現し、男女問わず重宝してきたと語る。
今回のイベントで披露されたさまざまなAI技術を活用した機能のアップデートを受け「AI技術を用いた機能をさらに積極的に試したい」と意欲を示した。なかでも「自身が撮影した素材に動画生成AIを適用する機能」は、「細かな手動編集と動画生成AIをシームレスに組み合わせられるツール」と評価。ほかのアプリにはない唯一無二の機能だといい、AIの活用で生まれた時間は「アイデアを練る時間を増やし、PDCAサイクルを高速で回せるようになる。CapCutの隠れた利点だ」と評価する。
AI技術の活用について、いっせい氏は「ネガティブな感情を持たず、時間を創出し、自身の思考の枠を超えた提案をしてくれる“パートナー的な存在”だ」と指摘。データ分析や「何が人に刺さるか」の判断など、まだ人間にしかできない領域があり、「AI技術はあくまでアシスタントツール」と位置づける。
他社のAI搭載編集ソフトと比較しても、複数アプリ間の移行の手間がなく、1つのアプリ内でAI生成と手動調整の両方が完結する点がCapCutの最大の強みであると語った。
CapCutエコシステムとしての展開
CapCutを利用しているユーザーの多くは、TikTokだけでなくほかの動画プラットフォームも併用している。CapCutのユーザーは、TikTokだけでなくほかの動画プラットフォームを利用している人が多い。同社としても、クリエイターコミュニティの拡大を狙い、今回のクリエイター向けイベントなどさまざまな施策を進めている。
イベント会場外のマリーナベイ・サンズ エキスポ&コンベンションセンターでは、一般ユーザー向けにCapCutのAI技術を活用した機能を体験できる展示も展開されていた。生成AIならではの画像/動画生成機能や、自然言語で動画編集する体験ができるブースが用意されており、観光客を含めて多くのユーザーで賑わっていた。
クリエイター向けイベント会場には、CapCutファミリーのツール以外にも、サードパーティツールの展示もいくつかあり、多くのクリエイターが足を止めて体験している姿が見られた。また、同じ国同士やほかの国のクリエイター同士で交流するなど、リアルイベントならではの光景も見られた。
イベントの最後には、アワードセレモニーが執り行われた。さまざまなクリエイターの功績を表彰するもので、動画や連続ストーリー、視覚的なプラットフォームやSNS向け作品など、さまざまな部門で活躍するクリエイターが表彰された。会場にはレッドカーペットや360°スローモーションカメラ、フォトスポットなどクリエイターにはたまらない展示が用意されており、多くのクリエイターが制作活動にいそしんでいた。
今回のイベント「CapCut World」では、普段語り合う機会が少ないほかのクリエイターやアプリ開発者と交流できる場や、アワードなどさまざまな形でクリエイターを支援する施策が用意されていた。今後ロサンゼルスやロンドンでも同様のイベントが開催される予定だ。
















































