MIRACH IS11PT 湯野 康隆編

 2011年を振り返ると、本当にスマートフォン一色だったように思える。まぁ、フィーチャーフォンよりスマートフォンの方が安く売られていたりするものだから、その加速度は我々の想像をはるかに超えていた。

 スマートフォンの普及に伴って日本で起きたのは、海外メーカーのプレゼンスの大幅な向上だった。iPhoneのアップルしかり、GALAXYのサムスン、これは海外メーカーと言えるのかどうか微妙だが、成り立ちからすると海外メーカーに位置付けられるXperiaのソニー・エリクソン、さらにはHTCやLG、ファーウェイ、ZTE、モトローラなど、5年前にはほとんど耳にしたこともないようなメーカーの端末が店頭を賑わしている。

 そんな海外メーカー勢の中で、筆者が密かに注目しているのがパンテックである。グローバル市場でのプレゼンスはさほど大きくないが、SIRIUSα IS06やMIRACH IS11PTなど、同社が日本向けに提供している端末のデキはかなり良い。

 とりわけIS11PTについては、通常モードで使えばサクサク動き、さらにスマートフォン初心者向けに用意された「シンプルモード」はフィーチャーフォンのようなメニューで、スマートフォンのとっつきにくさを解消しようとしている。こうしたユーザーへの気配りは、本来、日本メーカーが得意としてきた部分なのだが、いつの間にか後回しにされ、その強みを十分に発揮できているとは言い難い。そんな中、IS11PTはケータイのあるべき姿を垣間見せてくれたような気がするのだ。

 IS11PTは、きちんと防水・防塵仕様だし、さらにはauのスマートフォンでは珍しく充電用の卓上ホルダが用意されている。そして、CDMA2000、GSMに加え、W-CDMAもサポートされ、対応する通信方式としてはまさに最強。ワンセグやおサイフケータイには非対応で、あまり派手さは無い端末ではあるが、使うと地味にその良さが伝わってくる不思議な端末なのだ。

 というわけで、2011年の俺のケータイ of the Yearは「MIRACH IS11PT」としたい。

 

2011/12/27/ 17:30