特集:ケータイ Watch20周年

【今日は何の日?】ドコモの「Xi」が始まった日

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 ちょうど10年前、NTTドコモがLTE方式の通信サービスの提供を開始しました。LTEは、当時、3.9G(第3.9世代)に位置づけられていた通信方式ですが、現在では「携帯電話の通信方式は10年に一度、新たな世代が登場する」と説明されることが多く、LTEは4G(第4世代)の通信方式として扱われています。

2010年12月24日のセレモニーの様子。左からITCネットワーク代表取締役社長の寺本一三氏、NTTドコモ山田隆持社長、森田高政務官、富士通代表取締役社長の山本 正已(肩書はいずれも当時)

 ドコモのLTEサービスは、当初、「Xi(クロッシィ)」という愛称が付けられていました。2G(第2世代)のサービスはムーバ(mova)、3G(第3世代)はFOMA(フォーマ)という愛称で親しまれており、それを受け継ぐ格好で「Xi」と名付けられたわけです。その特徴は、「高速」「大容量」「低遅延」と当時の担当者インタビューで語られています。当時、スマートフォンはまだ普及する途上で、ドコモのLTE対応スマートフォンが登場するのは、約1年後となりました。

筆者は当時、セレモニーを取材。東京と関西、東海のドコモ支社とLTEで繋ぎました。関西では浪速のモーツァルトこと、キダ・タロー先生が登場

 3Gまでは携帯電話会社によって採用する通信方式が異なっていたのですが、4Gでは国内各社は皆、LTE方式になったことも、歴史を振り返る上では、節目のひとつと感じさせるポイントです。

 その後、Xiという愛称は徐々に使われなくなり、携帯各社は「4G」「LTE」と呼ぶようになりました。そして2020年、携帯各社は5Gサービスの提供を始めています。そのエリアはまだまだ限られていますが、そのスペックは4Gを一回り超えるもの。
 でも、日本の4Gサービスは、今回紹介するNTTドコモだけではなく、大手各社はいずれもどこでも繋がり、とても高速です。10年の積み重ねで、世界に誇る品質へ仕上げられているわけです。新たな世代が登場したとはいえ、まだまだLTEサービスにはお世話になりそうです。