iPhone駆け込み寺

【iPadOS 18新機能レビュー】iPadに計算機アプリ登場、複雑な数式も扱いやすく刷新

 iPadOS 18では、いままで標準にはなかったのが意外すぎる「計算機」アプリがついに搭載される。ついでにiPhoneやMacの「計算機」アプリもアップデートされ、ほぼ同等の機能となっている。

計算機アプリは3つのモードを切り替えられる

 新しい「計算機」アプリには、「基本」「科学計算」「計算メモ」の3つのモードが用意される。従来のiPhoneだと、縦なら「基本」、横なら「科学計算」と切り替わっていたが、iOS 18では縦横どちらでも計算機を切り替えられる。

科学計算モード。長めの数式も見ながら計算できるのが便利

 「基本」や「科学計算」は、過去の計算履歴が参照できる。また、通常の電卓とは異なり、数式が残るので、あとから修正することもできる。「科学計算」でちょっと長めの数式を計算するときも、数式を見ながら計算できるので、間違いに気がつきやすいし訂正もしやすい。

計算メモ。オレンジの「7,455.43349」がアプリが出力した答え。数式は「高度h(km)において衛星が円軌道を描く際の速度(m/s)」

 「計算メモ」はメモと計算機が合体したような機能だ。手書きでもキーボードでも使えるが、数式と変数を好きに書き込むと、答えを計算してくれる。手書きで数式を書けば、答えも手書き風に描写してくれるナゾのマメさを実装している。

 いままでのiPadには標準で計算機がなかったので、Apple Pencilが登場したあたりから、手書き計算アプリが多数登場している。そうしたサードパーティ製アプリの多くは、書いた数字や変数を片っ端から清書してくれるが、純正メモの方は清書せず、手書きのままだ。

数式が正しく認識されているかは「=」をタップすると確認できる

 字が汚いと正しく認識されるか心配になったりする。しかし筆者がざっと使った感じでは、誤認識はほとんどなかった。ちなみに「=」をタップすると、どう認識されたかが表示される。

y=f(x)の形式の数式はグラフ化できる

 xとyを変数に使えば、グラフを描写することもできる。「y=」から始まる数式を書き、「=」をタップし、誤認識がないことを確認して「グラフを挿入」をタップすると、メモにグラフが追加される。

描いたグラフ。サイズや表示領域は見やすくなるように変更している

 グラフは大きさを自由に変更できるほか、1本指スワイプで配置移動、2本指のスワイプやピンチでグラフ内の表示領域を変更できる。

 この「計算メモ」は、「メモ」アプリの新機能でもある。「メモ」アプリに計算機能が追加され、手書きで書いた変数値や数式から計算できるようになった。

タイピングで計算することも可能。三角関数や「π」などの変数、単位換算も可能

 手書きだけでなくキーボードなどでタイピングしてもOKなので、iPhoneやMacで使うときはキーボードを使った方が便利だろう。数式の記述方法はプログラミングなどで一般的なものが通用する。

 実用シーンにおいて、各種計算はメモを取りながらやることが多いので、メモアプリ内で計算できるのはかなり実用性が高い。

 さらに「メモ」アプリでは単位換算も可能だ。といっても、換算先の単位の変更法が不明なので、実用性はちょっと微妙かも知れない。

 ちなみに従来同様、OS標準の検索フィードでの計算や単位換算も可能だ。こちらも数式の記述方法はプログラミングなどで一般的なものを使う。単位換算については、「100ドルは何ユーロ」と入力することで換算先単位の指定が可能。検索フィードは、ホーム画面を下にスワイプするか、キーボードを接続しているなら別のアプリを起動中でもCommandキー+スペースキーで呼び出せる。