iPhone駆け込み寺

iPhone「長押し・連打で緊急通報」の設定をチェック、意図せず緊急通報しないためにも

 2022年7月に発生した大規模通信障害の際、「緊急通報ができない」事象が発生し、多くのユーザーが携帯インフラの重要度を再認識するきっかけになっただろう。一方で、スマートフォン自体にも、緊急時に“容易に”かつ“素早く”緊急機関に通報できる仕組みが備わっている。

 iPhoneでも、iPhone 14シリーズの「衝突検知機能」のほか、ボタンの“長押し”や“5回連打”で素早く緊急機関にアクセスできる「緊急SOS」機能が備わっている。本稿では、その機能や設定方法をご紹介する。

画面ロックが解除できなくても緊急通報

 iPhoneでは、画面ロックされた状態でロック解除できない場面でも、「電源ボタンと音量ボタン(どちらか)の同時押し」で緊急通報できる画面に移行する。

電源ボタンだけ長押しすると、電源をオフにできる画面が表示される
電源ボタンと音量ボタン(どちらか)を長押しすると、電源のスライダーに加え、「メディカルID」と「緊急SOS」のスライダーが表示される

 緊急通報できる画面では、電源と緊急通報のスライダーに加え「メディカルID」のスライダーが用意されている。

 メディカルIDは、ユーザーの血液型や持病、アレルギー、服用している薬などの健康情報や、緊急連絡先を確認できる。各種情報は、「ヘルスケア」アプリで設定できる。設定しておくと、ユーザーが緊急搬送される場面で、医療関係者などがすぐにユーザーの情報を確認できるようになる。

 今回は、この緊急通報できる画面でさらに電源ボタンと音量ボタンを長押しした場合や、電源ボタンを素早く5回連打することで、「カウントダウン後自動で緊急通報される」機能を取り上げる。

カウントダウンで緊急通報される機能

 カウントダウンで緊急通報される機能の設定方法は、「設定アイコン」をタップして、設定メニューから「緊急SOS」の項目をタップすると、設定画面に移動する。

設定画面で「緊急SOS」項目を選択
2つのアクションが用意されている。有効にしたい場合はスライダーをタップして右にすることで有効にできる

 この機能では、「電源ボタンと音量ボタンを同時に長押しする」と「電源ボタンを5回連打」で自動的に緊急通報される設定ができる。いずれかを有効にしたり、両方とも有効にしたりもできる。両方とも無効にすれば、自動通報機能が発動されることはなくなる。

 機能をオンにした状態で、有効にしたアクションを実行すると、自動緊急通報へのカウントダウンを画面や音声、振動で確認できる。カウントダウン中にキャンセル操作をすれば、通報はされない。

緊急通報へのカウントダウン画面。画面の「7」は通報までの秒数で、カウントが終わる前に最下段の「×」ボタンで緊急通報をキャンセルできる

SIMカードなしでは緊急通報できない

 また、今回の記事執筆にあたって、「SIMカードを抜いた状態」でカウントダウンなどの動作を確認した。現状、日本国内ではSIMカードなしでは緊急通報はできないためだ。

 もし、緊急時に備えて確認する場合は、あえてSIMカードを抜いた上で、緊急通報まで至らないように環境を整えて実施してほしいところだが、そのままにしてしまうと、いざというときに役立たないことになる。

 ちなみに機内モードをONにしていても、緊急通報はできる。

 SIMカードの有無や機内モードの状況が、緊急通報時、どういった影響をもたらすのか、という点は、いざという場面ではなかなか思い至らないかもしれないが、知っておいても良い点だろう。