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郵便局からドローン発進、KDDIと日本郵便が複数機の遠隔運航や「フェイズフリー」活用を実証
2026年10月5日 12:17
KDDIと日本郵便は1日、石川県珠洲市で、複数のドローンが連携して平時も災害時も「フェイズフリー」に活用することを目指す実証実験の様子を報道公開した。9月28日~10月4日の期間で実施される。
2機のドローンで同時に地域の状況を確認
実証では、珠洲郵便局の屋上にドローンポート「Skydio Dock for X10」を1台設置。さらに、近隣の消防署のドローンポートから発進するドローンの合計2機を同時に飛行させ、郵便の配送ルートの状況確認や被害状況を確認するという内容で行われた。
郵便局を発進したドローンは海側を飛行し、沿岸部の状況や津波発生時の注意喚起の状況確認を行い、消防署を発進したドローンは山側を飛行し、土砂崩れや台風の被害状況、ため池の状況、津波の発生状況を確認した。
岸壁や防波堤などのインフラ設備は通常、人間が見回る必要があるが、ドローンを用いることで、津波発生時にも取り残された人がいないかなど、より安全に確認ができる。カメラのズーム性能を活かして、人間が行けない場所も確認しやすい。車両が通行可能かどうか、道路状況の確認などに活用できる。
消防署を出発したドローンは、マップ上にマーカーを配置する機能や赤外線カメラを備える。配置したマーカーは位置情報とカメラの映像を切り抜いて外部に送信することができる。鳥獣被害が見込まれる前に関係者に情報を伝達し、現場到着前に対応の検討が可能になるとする。また赤外線カメラで夜間の人間、鳥獣の発見などができる。海岸線での人間の捜索や通常のカメラでは見づらい箇所での用途が見込める。
平時には通学路の見守り、発災後には日本郵便の配達路を定期的に巡回することで、安全を確保するという使い方も想定されている。2024年の能登半島地震の直後には、配達員が危険な道路を通ることもあり、ドローンが労働環境の安全確保につながることが期待される。
使用されたドローンは「Skydio X10」。風速12mでも飛行でき、Wi-Fiのほかモバイルネットワークを通じて制御できる。機体にはスピーカーが搭載されており、避難の呼びかけなどができる。珠洲市の現地に操縦者などはおらず、KDDIスマートドローンの拠点でコントロールしている。
両社の強みをかけ合わせてドローンを効率的に活用
KDDIと日本郵便は、6月に「ドローンによる地域課題解決と社会基盤化の実現」に向けた基本合意書を締結した。ドローンポートの展開やドローン物流事業で両社が連携する。
ドローンポートの展開ではKDDIが主体となり、全国に広がる日本郵便のネットワークを活かして、ドローンポートの設置を進める。同社ではドローンを1000カ所に配置し、全国どこでも10分以内にドローンが向かえるインフラ構築を目指しており、すでに能登地域で12カ所、全国で20カ所にポートを設置している。
物流事業での連携では、日本郵便が主体となり、KDDIがStarlinkなどの通信や遠隔運航に必要な体制などを提供し、ドローン物流の仕組みを構築する。KDDIが通信、遠隔運航体制、ドローンポート、人材を、日本郵便が郵便局の建物、物流装置、人材、自治体との接点を提供しあうことで、両社がそれぞれを補完しあう。
実証実験のポイントのひとつは「複数機のドローンを運航することで、より広いエリアの状況確認が行えるか」。能登には12カ所のドローンポートがあるが、ポート間の距離は離れていることが多いという。今回の実証実験では、複数の機体を活用して、面的に複数の場所を確認することが可能かを検証する。KDDIスマートドローンの博野雅文社長は「事前に自治体や郵便局と災害時に確認すべきポイントはどこなのかを確認し、ドローンのルート設定をしておくことで、有用なやり方になる」と実感を述べた。
今回の珠洲市での実証は、両社が推進する全国展開に向けた第1弾の取り組み。10月4日には、珠洲市で開催される「総合防災訓練」に参加し、自治体と連携した災害時のドローンポートを活用した運用モデルの実現可能性を検討するという。今回の実証実験の結果を踏まえ、全国の郵便局を活用したドローンポートの常設やドローン物流の社会実装について検討を進め、2027年度以降に本格的な協業を目指す。















